ターミネーターは、1984年公開のアメリカ合衆国の映画。近未来から送り込まれた殺人サイボーグ・ターミネーターと、革命リーダーの未来の母・サラ、未来から来た革命戦士・リースの戦いを描く。公開前の予想に反して、『ターミネーター』は2週間にわたって米国の興行成績のトップに立ち、640万ドルの少ない製作費に対し、最終的に7,830万ドルの興行収入を記録した。この映画の成功により、いくつかの続編、テレビシリーズ、コミック、小説、ビデオゲームなどのフランチャイズが生まれた。2008年、『ターミネーター』は、米国議会図書館により、「文化的、歴史的、美学的に重要な作品」として、アメリカ国立フィルム登録簿に保存された。
ターミネーター 映画批評・評価・考察
ターミネーター(原題: The Terminator)
脚本:40点
演技・演出:16点
撮影・美術:16点
編集:10点
音響・音楽:9点
合計91点
当時はSFホラー映画という印象があり怖い映画という感じで受け止めていたような・・・(自分が子供の頃なので)あとリンダ・ハミルトンとマイケル・ビーンのセックスシーンがすごくセクシーに見えました。このシーンがエロいと思った人は多いらしく、全世界的に見ても有名映画のベッドシーンで上位にランクインされています。(ほんとかよ)リンダ・ハミルトンは、おばさんにしか見えない感じだったのですが、このシーンは妙にセクシーなんですよね。
製作にまつわるエピソードとして、キャメロンが見た悪夢の話があります。前作『殺人魚フライングキラー』(1981)が失敗した際、キャメロンは評論家やマスコミにもひどくこき下ろされたため、屈辱のあまり熱を出して寝込んでしまったそうです。そのとき、「炎の中からロボットが現れて自分を殺しに来る」という悪夢を見たことが、本作を製作するきっかけとなったと語っています。
作中で「審判の日」 (Judgement day) とされているのは1997年8月29日ですが、この月日は当時アメリカと冷戦を激化させていたソ連による初の原爆実験(RDS-1)に由来し、映画公開の前年(1983年)には、第三次世界大戦が起きかねない監視システムのコンピュータが核ミサイル発射を誤報した事件も起きていました。キャメロンは本作は冷戦を意識していたことを述べています。
製作に当たり、キャメロンは「現代の技術では殺人ロボットの実現は不可能であるし、かと言って未来の話ではセットに費用がかかるうえに観客にも受け入れがたいと考え、その結果、未来の殺人ロボットが現代にやって来るタイムトラベルのアイデアが浮かんだ」と語っています。
殺人魚フライングキラー(ピラニア2)の後に今作を撮るんだから、すごいものですよね。ですが今作も予算的なものやキャスト的事も含めて当時ではB級映画の枠での製作だったように見えます。そこをキャメロンがアイデアなり創意工夫なりでここまでの映画に仕上げたんだと思います。日頃からの映画製作の取り組み方からしても良い作品を作りたいという気持ち・こだわりが強いのは伺えます。
今作品はU-NEXT で見ました。
ターミネーター あらすじ(ネタバレ)
ロサンゼルスのとある施設内に、青い電光とともに筋骨逞しい男性が現れ、片っ端から服や銃を強奪する。「サラ・コナー」という名前と「ロサンゼルス」という住所だけを頼りに、電話帳に載っている同姓同名の女性を順番に殺していく。一方、遅れて現れた別の若い男性も、今ここが1984年5月12日木曜日のロサンゼルスであることを確認すると、悪夢にうなされつつサラ・コナーを探し始める。
最後のサラ・コナー宅に侵入した逞しい男性は、サラと同居する友人ジンジャーとそのボーイフレンドのマットを殺害し、外出中のサラの顔と声の情報を入手。ついに彼女が町のディスコにいることを突き止め、現地へ乗り込み殺害を実行しようと銃口を向けるが、サラを追っていた若い男が間一髪で阻止する。一緒に逃げるよう促され、事態が飲み込めず怯えるサラに、男(カイル・リース)はリース軍曹と名乗り、襲撃者は超合金と人工皮膚でできたターミネーターであり、サラを殺害するために未来から送り込まれ、彼女が死ぬまで狙い続けること、カイルは彼女を守るために未来から現代へやってきたこと、カイルを現代に送り込んだのはサラのまだ見ぬ息子ジョン・コナーであることなどを告げる。
サラとカイルはパトカーを強奪したターミネーターに追われ、カーチェイスの末にターミネーターは損傷、サラとカイルは警察に捕まる。カイルは尋問を受け、サラに説明したことと同様の内容やさらに詳細な歴史背景を録画カメラに向かい説明し、その録画をサラ・コナーも見る。
数年後に核戦争が起き、人口が激減した核戦争後の世界で、人工知能「スカイネット」の知能が人類の予想を超えて上昇し人類を敵と見なすようになり、機械軍を使って数十年間人類を攻撃し、人類は絶滅の危機を迎えた。しかし抵抗軍指導者であるジョン・コナーの指揮下、反撃に転じ、2029年には人間側の勝利は目前に迫っていた。脅威を感じたスカイネットは、男性の姿をしたターミネーターT-800 サイバーダインシステム・モデル101を未来から現代へと送り込み、ジョンの母親となるサラ・コナーを殺害することで、ジョンを歴史から抹消しようと目論んだ。ターミネーターに続いて抵抗軍からも、自分カイル・リースが、サラの護衛という使命を帯びて未来から1984年に送り込まれた。
だが未来のことを過去形で語るカイルの説明を誰も信じず、カイルは精神異常者だと見なされ拘留され、 サラのほうは警察から防弾チョッキを与えられ、その夜は警察署内で保護されることになった。しかしターミネーターは警察署を正面から襲撃し、サラは再び間一髪のところでカイルに救われる。逃避行の中で、サラはカイルの話を信じ、心を開いていく。また、カイルも、サラは未来ではジョンを育てた偉大な母として伝説になっていて、ジョンにサラの写真を見せられて以来、思慕していたことを打ち明ける。互いへの愛を抱いた2人は、潜伏先のモーテルで結ばれた。
宿泊したモーテルの場所を突き止めたターミネーターは、更なる追撃を行う。オートバイに乗るターミネーターに追われ、満足な武器もなく手製の爆薬での応戦を余儀なくされ、銃弾を受けて傷付くカイルだったが、サラの手助けと励ましもあり、どうにか窮地を脱し、タンクローリーの隙間に爆薬を押し込んで爆破させ、ターミネーターを炎上させる事に成功する。しかし、燃えたのは表面の生体組織と服だけだった。ターミネーターは炎上する車の残骸から、超合金製の骨格を露わにした姿で立ち上がり、さらに追いかけてくる。
サラと共に近くの工場へ逃げ込んだカイルは、再びターミネーターと交戦するが、堅牢なボディを持つターミネーターに全く歯が立たず、ターミネーターの攻撃に瀕死の重傷を負ってしまう。カイルは最後の爆薬を使ってターミネーターの爆破に成功したものの、自らも爆発に巻き込まれて命を落とし、サラも片脚に重傷を負う。カイルの死を嘆くサラに、上半身だけとなってもなお迫るターミネーター。サラはターミネーターをプレス機に誘導して超合金製頭蓋骨を押し潰し、ついに完全停止させる。
数か月後の11月10日、カイルとの子ジョンを宿したサラは、やがて訪れる「審判の日」へ向けての戦いを決意し、メキシコへ旅立つ。サラはジョンのために音声で記録を残し、カイルのことも語った。ガソリンスタンドで少年から買ったポラロイド写真は、未来の世界でカイルがジョンからもらった写真である。
ターミネーター スタッフ
監督:ジェームズ・キャメロン
脚本:ジェームズ・キャメロン,ゲイル・アン・ハード
製作:ゲイル・アン・ハード
製作総指揮:ジョン・デイリー,デレク・ギブソン
音楽:ブラッド・フィーデル
撮影:アダム・グリーンバーグ
編集:マーク・ゴールドブラット
配給:オライオン・ピクチャーズ,ワーナー・ブラザース
ターミネーター キャスト
ターミネーター(T-800):アーノルド・シュワルツェネッガー
2029年、スカイネットにとって脅威となるジョン・コナーの出生を阻止すべく、1984年へタイムスリップした潜入型ターミネーター。ジョンの母となるサラ・コナーの抹殺を命令されており、ロサンゼルス在住の同姓同名の女性を次々と抹殺していく。
カイル・リース:マイケル・ビーン
人類抵抗軍の指揮官ジョン・コナーの部下。サラ・コナーをT-800から守るため、志願して1984年へタイムスリップする。抵抗軍での階級は技術情報部隊軍曹・DN38416。
サラ・コナー:リンダ・ハミルトン
ジョンの実母。大学に通っており、レストランのウェイトレスとしてアルバイトしていたが、未来から来たT-800に狙われたところをカイルに助けられる。
エド・トラクスラー:ポール・ウィンフィールド
ウエストハイランド警察署の警部。「サラ・コナー連続射殺事件」にて、最後に残ったサラ・コナーの身柄を署で保護するが、T-800の襲撃により、重傷を負う。
ハル・ブコビッチ:ランス・ヘンリクセン
ウエストハイランド警察署の警部補。逮捕されたカイルの話を真に受けない。署がT-800の襲撃を受けた時には自動小銃で応戦するが、反撃で死亡する。
ピーター・シルバーマン:アール・ボーエン
犯罪心理学者。カイルの話をまったく信用しない。尋問を終えてウエストハイランド警察署を去る際にはT-800とすれ違うが、ポケットベルの着信に目を向けていたために直接見ることはなく、狙われずに済む。
アラモ鉄砲店店主:ディック・ミラー
掃除屋の男:ノーマン・フリードマン
ジンジャー・ヴェンチュラ:ベス・モッタ
マット・ブキャナン:リック・ロッソヴィッチ
パンクのリーダー:ビル・パクストン
パンクA:ブライアン・トンプソン
パンクB:ブラッド・リアーデン