ソーシャル・ネットワークは、2010年公開のアメリカ合衆国の映画。SNSサイトのFacebookを創設したマーク・ザッカーバーグらを描いた映画である。世界最大のSNS「Facebook」誕生の裏側を描いた伝記ドラマ。ハーバード大学在学中にFacebookを立ち上げた主人公たちが、一躍有名人となり巨万の富を築くものの、金や女、裏切りの渦に巻き込まれていくさまを描いている。
ソーシャル・ネットワーク 映画批評・評価・考察
ソーシャル・ネットワーク(原題: The Social Network)
脚本:37点
演技・演出:15点
撮影・美術:15点
編集:9点
音響・音楽:8点
合計84点
実在人物の伝記映画としては最高傑作だった。
伝記映画は勉強にはなるが”ともかくつまらない”映画が多い。特に偉人やブランド創始者の類は遠慮や各方面への配慮があり、偉人を演じる俳優のなりきり(モノマネ)ぶりに注目がいきがちだが、この作品はそのような事がなく、アーロン・ソーキンの脚本が良いし、若いキャストがのびのびと演じているし、嘘のようにも本当のようにも感じれるバランスの良い演出に好感が持てる。デヴィッド・フィンチャーは作品に観客を惹きこむのが巧い。
ソーシャル・ネットワーク あらすじ(ネタバレ)
Facebookの立ち上げから発展を描く回想シーンと、証言録取のために宣誓供述を行う訴訟手続を描く現在進行シーンが、交互に展開されてゆく。
2003年秋。ハーバード大学2年生のマーク・ザッカーバーグは、ボストン大学に通う恋人のエリカとファイナル・クラブ(ハーバード大学の学生秘密結社)や部活動などについて語り合っているうち口論になり、「アンタがモテないのは、おたく(ナード)だからじゃなくて、性格がサイテーだからよ」と言われてフラれる。怒ったマークはブログに彼女の悪口を書き並べ、さらに腹いせにハーバード大学のコンピュータをハッキングして女子学生の写真を集め、女の子の顔の格付けサイト「Facemash」を立ち上げる。サイトは瞬く間に話題となり、立ち上げから2時間で2万2000アクセスを集め、4時間で大学のサーバーをダウンさせてしまう。
後日、大学の査問委員会に呼び出しを食らったマークは、半年間の保護観察処分を受け、大学中の女子学生の嫌われ者となる。そこへ、ボート部に所属するエリート学生である双子兄弟、キャメロン・ウィンクルヴォス、タイラー・ウィンクルヴォスと、その友人のディヴィヤ・ナレンドラに声を掛けられる。3人はマークの優れたプログラミング能力に目を付け、「harvard.eduドメイン」に群がる女性に出会うことを目的としたハーバード大学の学生専用コミュニティサイト「ハーバード・コネクション」の制作協力を依頼する。
これにヒントを得たマークはソーシャル・ネットワーキングサイトの制作を始め、親友のエドゥアルド・サベリンに1000ドルの出資とCFO(最高財務責任者)への就任を頼む。マークはウィンクルボス兄弟らとの接触を避けてサイト制作を進め、2004年初頭、「The Facebook」は誕生する。「The Facebook」は、エドゥアルドが所属するファイナル・クラブ「フェニックス – S K・クラブ」の人脈を利用して瞬く間に広まってゆく。これに気付いたウィンクルボス兄弟らは、アイデア盗用でマークを訴えようとしたが、資産家の子息でもある彼らは「ハーバードの紳士は訴えない」という思想のために思い留まった。
「The Facebook」の流行のおかげで、マークは女子からモテるようになった。気をよくしたマークは、偶然見かけたエリカに「二人きりで話したい」と声を掛けるが、彼女はすげなく一蹴する。マークは、「The Facebook」がハーバード大学の学内限定公開で、名声も学内に留まっていると考え、サイトをさらに大きくしようと決意し、システムを改良して他大学へも次々と開放してゆく。
その頃、アメリカ西海岸では、Napsterの設立者であるショーン・パーカーが、行きずりの女子大生とベッドで朝を迎えていた。ショーンは、そこで偶然目にした女子大生のお気に入りサイト「The Facebook」に興味を持ち、サイトを通じて直ちにマークたちに連絡を取った。西海岸にスポンサーを探しに来たマークとエドゥアルドは、ショーンと面会してビジネスの相談を持ち掛けようとするが、ショーンの一方的な「独演会」となってしまう。自分の考えをまくし立てるショーンに対し、エドゥアルドは人となりに疑いを抱く一方、マークはその考えに魅了されていた。
ショーンの「Theがない方がクール」という提案を受け、サイトの名前は「The」を取って「Facebook」とし、会社の拠点は西海岸カリフォルニア州のパロアルトに移した。2004年夏、マークたちは西海岸でサイトの改良作業を進め、エドゥアルドは東海岸のニューヨークでスポンサー探しを進める。その間に、ショーンはマークたちが借りた家に転がり込み、マークに「俺たちの時代が来た」と語って自分たちの力で事業を拡大することを訴え、新たな投資会社との契約を成立させてゆく。そこへエドゥアルドがニューヨークから戻り、自分の知らぬ間に次々と事が進んでいることに激怒する。エドゥアルドは会社の銀行口座を凍結させてショーンとマークが進める投資話を止めようとし、マークとの友情に亀裂が入る。
同じ頃、イギリスのボートレース大会に参加していたウィンクルボス兄弟は、「Facebook」がヨーロッパの大学にまで浸透するほど巨大化している事実を知り、訴訟の提起を決意する。また、エドゥアルドは、30%以上あった持ち株比率を0.03%まで希薄化される罠にはめられ、CFOを降ろされてしまったため、訴訟の提起を決意する。こうしてマークは2つの訴訟を抱えることとなった。女性弁護士から「あなたにとってはスピード違反の金額と変わらない」と示談を勧められたマークは、2つの訴訟を示談で決着をつける。マークがノートパソコンで「Facebook」を開き、別れた元恋人のエリカに友達申請を行うところで映画は幕を閉じる。
ソーシャル・ネットワーク スタッフ
監督:デヴィッド・フィンチャー
脚本:アーロン・ソーキン
原作:ベン・メズリック『facebook 世界最大のSNSでビル・ゲイツに迫る男』
製作:スコット・ルーディン,マイケル・デ・ルカ,セアン・チャフィン,デイナ・ブルネッティ
製作総指揮:ケヴィン・スペイシー,アーロン・ソーキン
音楽:トレント・レズナー,アッティカス・ロス
撮影:ジェフ・クローネンウェス
編集:カーク・バクスター,アンガス・ウォール
製作会社:レラティビティ・メディア,トリガー・ストリート・プロダクション
ソーシャル・ネットワーク キャスト
マーク・ザッカーバーグ:ジェシー・アイゼンバーグ
ビリー・オルソン:ブライアン・バーター
エドゥアルド・サベリン:アンドリュー・ガーフィールド
ショーン・パーカー:ジャスティン・ティンバーレイク
キャメロン・ウィンクルボス:アーミー・ハマー
タイラー・ウィンクルボス:ジョシュ・ペンス
ディヴィヤ・ナレンドラ:マックス・ミンゲラ
マリリン・デプリー:ラシダ・ジョーンズ
クリスティ・リン:ブレンダ・ソング
エリカ・オルブライト:ルーニー・マーラ
ローレンス・サマーズ学長:ダグラス・アーバンスキ
アメリア・リッター:ダコタ・ジョンソン
ジョシュ・トンプソン:トレヴァー・ライト
ピーター・ティール:ウォレス・ランガム
フェニックス代表:ダスティン・フィッツシモンズ
クリス・ヒューズ:パトリック・メイペル
サイ:ジョン・ゲッツ
ゲイジ:デヴィッド・セルビー
K.C.:シェルビー・ヤング
アリス:マリース・ジョー