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セブン|キリスト教の「七つの大罪」をモチーフにした連続猟奇殺人事件と、その事件を追う刑事たちの姿を描いたサイコ・サスペンス

セブン
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セブンは、1995年公開のアメリカ合衆国の映画。キリスト教の「七つの大罪」をモチーフにした連続猟奇殺人事件と、その事件を追う刑事たちの姿を描いたサイコ・サスペンス映画。先鋭的な映像センスと、ノイズを活用した音響により、シリアスかつダークな独特の世界観を描いている。フィンチャーは「フリードキンが『エクソシスト』の後に作ったかもしれない種類の映画」としてセブンを製作した。4週連続で全米興行成績1位に輝いた大ヒット映画であり、IMDBでは『第三の男』、『シャイニング』を上回る評価を得ている。

セブン 映画批評・評価・考察


セブン(原題:Seven(Se7en))

脚本:39点
演技・演出:19点
撮影・美術:19点
編集:10点
音響・音楽:9点
合計96点

映像へのこだわりが凄く、しかもそれが都会の陰鬱さ・閉塞感といったネガティブなものを表現するために用いるところがフィンチャー監督らしい。
サスペンスの展開を読んでいく楽しみがあるものの、最終的にブラッド・ピットが犯人に追い込まれていく様と結末の衝撃はそれとは違っていて”おもしろい”

鑑賞後の最悪の余韻を残し、傑作と言わしめた作品。

劇場公開時に、比較的大きなスクリーンで鑑賞したのですが、ラストの衝撃が強すぎたのか、観客が凍り付いてしばらく動けないような状態でした。僕は友人と観に行ってたのですが、終了後もしばらく無言でした。

銀残しという現像の手法を使い、コントラストの強い映像となっている。特に捜査官が用いるゴム手袋、図書館のライト、街頭で配られるクーポン券など、淡いグリーンの配色に執着しています。

フィンチャーが示したかったように、騒々しい住人や常に降り続くように見える雨、込み合った都市の通りは本作の不可欠な要因です。汚い、暴力、倫理の欠如といった、憂鬱にさせる表現。視覚的に、そして文体的に私たちはこの世界を描写したかった。できるだけ本物で、かつ生きるためには必要とされるものすべてを。この目的のために、陰気で、しばしば不気味な世界を作るようデザイナーのアーサー・マックスは注文されました。私たちは、都市の中の人々のモラルの腐食を反映させるためセッティングしたとマックスは述べています。

欧米でブリーチ・バイパスと呼ばれる銀残しを多用した本作の映像について、同様の現像処理は日本で実用化され、色彩を制御する研究の一環として撮影監督のヴィットリオ・ストラーロがテクニカラー現像所とともに試行錯誤を繰り返して来たこと、また銀残し処理が行われた本作の上映プリントが100本のみの配給と限られていたという事実があるにも関わらず、手法として殆ど忘れ去られていた銀残しの大流行とさらなる技術進化を促し、デジタル撮影機器でも同様の画質をより簡便に得られるような機能が付される現状に至っています。フィンチャーは銀残しを含め反映される画質が意図により近くなるようレーザーディスク・DVD・ブルーレイディスクといった先進メディアによるビデオソフトリリースの度に時間を掛けてフィルムスキャンやリマスター作業を繰り返しました。

リマスターされたDVDではオリジナルのネガフィルムからHDスキャンされた。そのため、上映用フィルムやマスター・ポジなど複製を繰り返したものよりもシャープで鮮明な画質を得ています。ポジ現像前のネガフィルムからのスキャンなので、製作時にこだわったブリーチ・バイパスの色調整は1からやり直しになり、コンピューター処理によって当時のフィルムを参照しながら色調整するという手段が取られています。
さらにスーパー35で撮影されていたため、画面を上下に微調整でき、上映時に切れてしまった被写体の調整なども行っています。

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セブン あらすじ(ネタバレ)

雨の降り続く、とある大都会。退職まであと1週間と迫ったベテラン刑事サマセットと、血気盛んな新人刑事ミルズは、ある死体発見現場に急行した。死体は信じられないほど肥満の男であり、彼は食べ物の中に顔を埋めて死んでいた。死因は食物の大量摂取とその状態で腹部を殴打されたことによる内臓破裂。状況から、何者かによって手足を拘束され、銃で脅されながら食事を強制されていたことが判明し、殺人事件と断定される。サマセットは死体の胃の中から発見されたプラスチックの破片から、現場の冷蔵庫の裏に、犯人が脂で書いたと思われる「GLUTTONY(暴食)」の文字と、事件の始まりを示唆するメモを発見する。
次の被害者は強欲な弁護士のグールドであり、彼は高級オフィスビルの自室で血まみれになって殺されていた。死体はちょうど贅肉の部分を1ポンド分切り落とされており、状況から犯人は2日かけて、被害者にどこの肉を切るか選ばせていたと推定された。現場には被害者の血で「GREED(強欲)」の文字が残されており、サマセットは、犯人が「七つの大罪」をモチーフにして殺人を続けていると判断する。その後の捜査で、壁に指紋で書かれた「HELP ME」の文字が発見され、その指紋から前科者の通称ヴィクターが浮かび上がる。
警察がヴィクターの部屋に踏み込むと、彼は左手首を切られ、舌を噛み切った状態で、ベッドに縛りつけられて廃人となっていた。壁には「SLOTH(怠惰)」の文字が書かれていた。部屋には警察が踏み込んだ日の1年前からヴィクターが衰弱していく模様を写した写真が残されており、犯人は計算した上でヴィクターを拘束した1年後にヴィクターの部屋に踏み込ませたのだった。
手がかりを失ったサマセットは知人のFBI関係者と裏取引し、図書館の貸し出し記録を違法に入手する。その記録から「七つの大罪」に関する書物を借りていた明らかに偽名と分かる“ジョン・ドウ”という男を容疑者として割り出す。サマセットとミルズはジョンのアパートを訪ねるが、偶然、帰宅してきた彼と鉢合わせする。ジョンは2人に発砲すると逃走をはかり、ミルズは後を追うが、隠れていたジョンに顔を殴られ、頭に銃口を突きつけられる。しかし、何故かジョンは撃たず、逃走する。
警察がジョンの部屋の捜査を始めると、これまでの被害者の写真が発見され、彼が一連の事件の犯人と断定される。さらには、ヴィクターの自宅を捜査していた時に撮られたミルズの写真も発見される。ジョンは大胆にも報道カメラマンを装って警察の前に現れていたのだった。そこへ、ジョンから電話があり、彼は警察への称賛と計画変更を挑戦的に告げる。
ほどなくして、ある娼婦が、4番目「LUST(肉欲)」として殺害される。続けざまに美人モデルが5番目「PRIDE(高慢)」の死体として発見され、彼女は自慢の顔面を切り裂かれたことで、警察・病院へ通報することなく、自らの命を絶っていた。
その頃、ミルズは一度孤独なサマセットを自宅へ招き、街にまだ知り合いもいないトレイシーに会わせる。ミルズだけが能天気に仕事の話をするが、トレイシーはどこか浮かない顔であり、サマセットも空気を察して帰宅する。翌朝早くにトレイシーにレストランに呼び出されたサマセットはトレイシーから妊娠している事を明かされる。当然相手は夫のミルズだが、知り合いもいない上に治安が悪く、教師であるが故に教育現場の悪さを充分身に染みてわかり、まだ子供なミルズが父親になる事が不安なトレイシーは堕胎しようと考えている事も明かした。サマセットは自ら過去に結婚しようと思っていた女性が妊娠したが、流産してしまい、女性がショックを受けて破局してしまった事を語り「止めようとも思わないし、悪いことでは無いと思う。この街で子供を育てるのは誰だって不安だから。でももし、手術をするのであれば、ミルズには内緒にするべきだ。もちろん僕もこの事はミルズに内緒にするよ。」とアドバイスをし、トレイシーは涙する。
「ENVY(嫉妬)」「WRATH(憤怒)」が残る中、サマセットらが勤める警察署に血塗れの服を着たジョンが自首してくる。ジョンは取り調べを受けるが、彼の本名、経歴、目的は一切不明。ジョンは弁護士を通じてミルズとサマセットの2人を指名し、彼らに残る2つの死体の隠し場所を教えるという。
ジョンは2人を伴って、ある荒野に連れて行かせる。3人が待っていると、宅配便がやってきて1つの小さな箱を置いていく。サマセットが調べると、箱の中にはミルズの妻・トレイシーの生首が入っていた。ジョンはミルズに箱の中身を教え、自分は彼を羨んでトレイシーを殺したと明かした。逆上したミルズはサマセットの制止を無視してジョンを射殺する。6番目の「ENVY(嫉妬)」はジョン自身、7番目の「WRATH(憤怒)」はミルズのことだったのだ。
ジョンの目論みは成功し、彼の正体も動機も不明のまま事件は終結した。

セブン スタッフ

監督:
脚本:
製作:,
製作総指揮:,,
音楽:
主題歌:「ハーツ・フィルシー・レッスン」
撮影:
編集:
配給:,

セブン キャスト

デビッド・ミルズ刑事:
ウィリアム・サマセット刑事:
トレイシー・ミルズ:
警部:
マーティン・タルボット検事:
マーク・スワー弁護士:
ジョン・ドゥ:
テイラー刑事:
カリフォルニア:
マッサージ店にいた被害者の男:
マッサージ店の受付係:
ワイルド・ビル:
ベアーズリー医師:
オニール医師:
デイヴィス巡査:
ジョージ:
脂ぎったFBI捜査官:マーク・ブーン・ジュニア
図書館の警備員:
グールド夫人:
ミルズに詰め寄る女記者:
ニュースキャスター:
案内する警官:
配達員:

セブン 予告編・無料動画


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