ゴーストシャウトは、2004年公開の日本映画。現世をさまよい人々を悩ませる幽霊たちと直接対話をして成仏させる“ゴーストネゴシエイター”として活躍するヒロインのユニークな仕事ぶりと恋の行方を描いたラブ・コメディ。当初、本作のタイトルは『ゴーストネゴシエイター』で予定されていたが、2004年11月23日に南野陽子がゲスト出演していた『ズバリ言うわよ!』にて細木数子から「『ゴーストシャウト』に変えないとヒットしない」というアドバイスを言い渡されたため、公開直前に改題された。だからといって興行面での御利益はなかったようだ。
ゴーストシャウト 映画批評・評価・考察
ゴーストシャウト
脚本:26点
演技・演出:12点
撮影・美術:11点
編集:6点
音響・音楽:6点
合計61点
キャストはケイダッシュ・オールスターズと呼べるほど豪華で、バーニング系の俳優も出演。特命係長只野仁のキャストが多く出演していることもあり只野仁のコメディパートと錯覚してしまいそうだった。その他にも生前の川島なお美やブレイク前の玉木宏も脇役で出演するなど、見所が多い映画ともいえないこともない。
南野陽子が事実上の主演とも呼べるほど、出演時間が長いので彼女のファン必見の映画でもある。
ホラー映画として見てしまうと、かなりデタラメな感じがするもののコメディ映画としては、そこそこ笑えるシーンは多く、素晴らしい俳優たちの無駄遣いっぷりや無茶ぶり感が漂う演技・演出は痛々しいものの、当の本人たちは楽しんでる雰囲気があるの笑えてしまう。
今作品はU-NEXT で見ました。
ゴーストシャウト あらすじ(ネタバレ)
八王子にある星陵音楽大学のチャペルで、女性歌手のつぐみ(高樹マリア)がリハーサルをしている。この大学の卒業生でもあるつぐみは、学長夫妻の結婚35周年を祝う〈ひすい・さんご婚式〉で『恋のバカンス』を歌うのだ。つぐみの歌に重なるように、どこからかクラシック調の歌声が響いてくる。そしてチャペルの天井近くにドレス姿の女性(南野陽子)がぼんやりと出現! その女性はつぐみの叫びもお構いなく、朗々と『恋のバカンス』を歌い上げるのだった…。下界に現れた幽霊と交渉して成仏させるゴーストネゴシエイターのヨウコ(滝沢沙織)は、今日でこの因果な仕事から足を洗うつもりでいた。このハードな仕事を辞めて普通の生活を送りたいと願ってきた彼女は、遂に恋人に巡りあい、今日のデートでプロポーズをしてもらえそうなのだ。結婚したら2人で豆腐屋を開くのがヨウコの夢だった。遊園地のお化け屋敷で骸骨に扮している柳田(井澤健)は、骸骨としては客に笑われるだけだが、客にとりついている霊を指摘しては震え上がらせ、遂にクビになってしまう。そんな柳田に目をつけたのが、同じ遊園地で着ぐるみのアルバイトをしていた中年男、外古葉だった。外古葉の本業は「外古葉超常現象相談所」の社長で、ヨウコを含めたゴーストネゴシエイターたちの雇い主だ。彼はさっそく柳田をスカウトする。台所に幽霊が現れるという新婚夫婦の家に行き、みごとに霊魂を説得して成仏させたヨウコは、恋人の俊雄(永井大)とのデートにいそいそと出かけていく。その直後、事務所に星陵音楽大学からの依頼の電話が。外古葉社長は柳田をヨウコのデート場所に向かわせ、2人で八王子に行くよう指令を出す。ヨウコの恋人の俊雄は、実は歌手のつぐみの元マネージャーであり、つぐみは今も彼に頼りきりで八王子からSOSの電話をかけてくるが、俊雄は冷たく電話を切ってしまう。ヨウコは俊雄に職業はスチュワーデスと偽っていて、俊雄の前では普段の乱暴さは微塵も見せず、おしとやかなお嬢様タイプで通していた。そこに柳田が現れ、ヨウコは「退職金もたっぷり出す」という外古葉の言葉に魅かれ、俊雄を残して柳田と八王子に向かう。チャペルに現れた女性クラシック歌手は、矢田部愛子という星陵大学の卒業生であることがわかる。将来を嘱望された声楽家だったが、婚約者の裏切りによって心身を壊し、若くして亡くなったのだ。その死後、彼女の歌が入ったレコードを聞いた者は、石像になってしまうという。学部長はすでに石像に変わってしまい、以後も彼女の歌声を聞いた者は、次々に妙な踊りを躍っては石像に変わっていくのだった。俊雄のもとに再び電話がかかり、つぐみをなだめるために彼も八王子に向かうことになる。ちょうど上京してきた母親(川島なお美)も同行。その間にも、ヨウコと柳田は矢田部愛子の霊を説得するため、生前の彼女について探る。果たして彼らは愛子の霊を無事に成仏させることができるのだろうか。ヨウコは望み通りゴーストネゴシエイターを引退して俊雄と結婚し、豆腐屋を繁盛させられるのだろうか?
ゴーストシャウト スタッフ
監督:塚本連平
原作・脚本:EN,佐々木充郭
製作:「ゴーストシャウト」製作委員会(東京テアトル、トレンド、ケイダッシュ、テレビ朝日、クロックワークス)
制作プロダクション:MMJ
製作者:早河洋,川村龍夫,松下晴彦
企画:谷口元一,木村純一,東城祐司
プロデューサー:榎本憲男,遠田孝一
音楽:仲西匡
撮影:柳田裕男(J.S.C.)
照明:磯野雅宏
録音:今井善孝
美術:稲垣尚夫
主題歌:Heartsdales 「fantasy」
配給:東京テアトル
ゴーストシャウト キャスト
榊ヨウコ:滝沢沙織
柳田浩司:井澤健
元木俊雄:永井大
美空つぐみ:高樹マリア
若夫婦(夫):高橋克典
若夫婦(妻):三浦理恵子
矢田部愛子:南野陽子
時田君:はなわ
元木の母:川島なお美
健太の孫:玉木宏
響学:中山仁
響澄子:赤座美代子
坂口健太:藤村俊二
市川学部長:小倉一郎
沢村さとし:近江谷太朗
お化け屋敷館主:ムッシュかまやつ(かまやつひろし)
外古葉雄一:菅田俊
横島事務局長:阿南健治
マリコ:雛形あきこ