キャラクターは、2021年公開の日本映画。「売れない漫画家が殺人犯の目撃者となり、その殺人犯をモデルに漫画を執筆して売れたら」というアイデアを元に、登場人物(キャラクター)それぞれの人間模様を描く。主演は菅田将暉で、SEKAI NO OWARIのボーカル・Fukaseの俳優デビュー作でもある。原案・脚本は浦沢直樹の『MASTERキートン』や『20世紀少年』の共同原作者でもある長崎尚志で、彼のアイデアを元に、企画の川村元気とプロデュース担当の村瀬健で10年以上前から構想を練った完全オリジナル作品。
キャラクター 映画批評・評価・考察
キャラクター
脚本:33点
演技・演出:17点
撮影・美術:16点
編集:8点
音響・音楽:8点
合計82点
原案が長崎尚志というだけあって、ストーリーに一癖、二癖あって面白いサスペンス・ホラーに仕上がっています。長崎って誰やねんと思う方も多いと思いますが、僕らの世代では、MASTERキートンの編集者と知られている方です。菅田将暉が演じた山城圭吾の風貌がどことなく浦沢直樹に似てますし、作中の漫画も浦沢直樹の絵のタッチに似ているようにも思えます。また、セカオワのFukaseの演技については、賛否ありそうですが、僕は好きですね。あの純粋な悪、狂気を演じるにあたって彼は適役だったと思えます。声の美しさも、役柄にあっています。
最近の邦画の中では、演出に偏りがなく、観客視点も意識されたかなりバランスが取れた秀作でした。
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キャラクター あらすじ
売れっ子漫画家を夢見る山城圭吾(菅田将暉)は、高い画力を持ちながらも、お人好しな性格が災いし、悪役のキャラクターをリアルに描くことができず、万年アシスタント生活を送っていた。そんなある日、師匠の依頼で“誰が見ても幸せそうな家”のスケッチに出かけた山城は、住宅街で見つけた不思議な魅力を持つ一軒家に、ふとしたことから足を踏み入れてしまう。そこで彼が目にしたのは、無残な姿に変わり果てた4人の家族だった。さらに、その前に佇む一人の男(Fukase)……。事件の第一発見者となった山城は、警察の取り調べに対して、“犯人の顔は見ていない”と嘘をつく。それどころか、自分だけが知る犯人を元にした殺人鬼“ダガー”を主人公にしたサスペンス漫画『34(さんじゅうし)』を描き始める。自分に欠けていた本物の“悪”を描いた漫画は異例の大ヒット。念願の売れっ子漫画家となった山城は、恋人の夏美(高畑充希)とも結婚。誰もが羨むような順風満帆の幸せな生活を手に入れる。ところが、まるで『34』の物語をなぞるように、4人家族が狙われる事件が続発。刑事の清田俊介(小栗旬)は、あまりにも漫画の内容と事件が酷似していることに不審を抱き、山城に目をつける。共に事件を追う真壁孝太(中村獅童)は、暴走しがちな清田を心配しつつも、温かく見守っていた。そんな中、山城の前に、再びあの男が姿を現す。“両角(もろずみ)って言います。先生が描いたものも、リアルに再現しておきましたから”。交わってしまった二人。山城を待ち受ける“結末”とは……?
キャラクター スタッフ
原案:長崎尚志
監督:永井聡
脚本:長崎尚志、川原杏奈、永井聡
音楽:小島裕規“Yaffle”
製作:石原隆、松岡宏泰
企画:川村元気
プロデュース:村瀬健
劇中漫画:江野スミ(山城)、古屋兎丸(本庄)
劇中漫画編集:豊田夢太郎
プロデューサー:唯野友歩
撮影:近藤哲也
照明:溝口知
美術:杉本亮
録音:石貝洋
編集:二宮卓
スクリプター:佐山優佳
キャスティングディレクター:元川益暢
装飾:安藤千穂
スタイリスト:申谷弘美
衣装:松川好伸
ヘアメイク:荒木美穂、江口洋樹(Fukase)
VFXスーパーバイザー:須藤公平
音響効果:勝亦さくら
助監督:藤江儀全
制作担当:金子堅太郎
音楽プロデューサー:北原京子
ラインプロデューサー:鶴賀谷公彦
配給:東宝
制作プロダクション:AOI Pro.
製作:映画「キャラクター」製作委員会(フジテレビジョン、東宝)
キャラクター キャスト
山城圭吾(やましろ けいご):菅田将暉
漫画家を夢見る青年。お人好しのため悪人を描くことができず、万年アシスタントとしてくすぶっていた。しかし、ある殺人事件を目撃してしまい、その犯人をモデルに描いたダガーという殺人鬼の登場するサスペンス漫画「34(さんじゅうし)」が大ヒットしたことで運命が大きく狂っていく。
両角(もろずみ):Fukase(SEKAI NO OWARI)
天才的な殺人犯。山城の描くサスペンス漫画「34」に登場する殺人鬼「ダガー」のモデル。四人家族を標的に殺人を繰り返す。
川瀬夏美(かわせ なつみ):高畑充希
山城圭吾の恋人。漫画「34」の連載後は彼と結婚をしている。
真壁孝太(まかべ こうた):中村獅童
神奈川県警察本部捜査第一課警部補。清田の上司。
清田俊介(せいだ しゅんすけ):小栗旬
神奈川県警察本部捜査第一課巡査部長。両角の起こした殺人と山城の描いた漫画「34」の共通点にいち早く気づき、真相を追う。真壁とは同郷。
その他の人物
大村誠(おおむら まこと):中尾明慶
漫画雑誌編集者。ヒットメーカー。
辺見敦(へんみ あつし):松田洋治
過去に殺人歴のある男。自らを殺人事件の犯人だと供述する。
本庄勇人(ほんじょう はやと):宮崎吐夢
人気漫画「オカルトハウザー」の作者。山城圭吾は彼の下でアシスタントとして働いている。
加藤一郎(かとう いちろう):岡部たかし
漫画雑誌編集長。
山城健太(やましろ けんた):橋爪淳
山城圭吾の父。
山城由紀(やましろ ゆき):小島聖
山城健太の再婚相手。
山城綾(やましろ あや):見上愛
山城由紀の連れ子。
浅野文康(あさの ふみやす):テイ龍進
神奈川県警察本部捜査第一課巡査部長。清田の先輩。
奥村豊(おくむら ゆたか):小木茂光
神奈川県警察本部捜査第一課警部。真壁、清田の上司。