キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャンは、2002年公開のアメリカ合衆国の映画。1980年に出版されたフランク・W・アバグネイル・Jr著の自伝小説『世界をだました男』を元に製作されたドリームワークス作品。「Catch me if you can(できるもんなら捕まえてみろ)」とは鬼ごっこの時の掛け声で、日本語の「鬼さんこちら」に当たる。フランクの父を演じたクリストファー・ウォーケンは、アカデミー賞助演男優賞にノミネートされ、英国アカデミー賞では助演男優賞を受賞。
キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン 映画批評・評価・考察
キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン(原題:Catch Me If You Can)
脚本:38点
演技・演出:19点
撮影・美術:19点
編集:10点
音響・音楽:10点
合計96点
面白い映画といえばこのような作品です。というほどに面白い映画!レオナルド・ディカプリオの若き天才詐欺師役がピタリとはまり、彼の魅力に男女問わず惹きつけられる作品。捕まってほしくない!と思わされるほどに感情移入してしまう憎めない魅力的な主人公。編集のテンポが良く最初から最後まで魅せられた感があります。ディカプリオの凄いところは、一期一会の魅力で生涯で一度しかない演技ができる事で、中年になったら重厚感もあり奥深い魅力が出てきていて、年代ごとに彼の作品を見ていくと唯一無二の素晴らしい俳優だと認識させられます。
キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン あらすじ(ネタバレ)
物語は1968年、ニューヨークのブロンクスヴィルという街に、思春期を迎えた16歳の少年 フランクは、家族の愛を目一杯受けて、素直な青年に成長していた。彼は仲の良い自分の両親を心から尊敬しており、将来そんな家庭を自分も築きたいと考えていた。だが、父親の事業が失敗し、そんな幸せな日々は突如として終わり、フランクの家族は困窮した生活を余儀なくされる。転校した学校で、フランクはフランス語の授業で代理教師のフリをして、生徒たちを1週間も騙して授業をしたため問題になっていた。母親は父の知人と浮気していることが息子にバレて、しまいには家を出て新しい恋人の元へ去ってしまう。仲の良かった両親があっけなく離婚するところを見たフランクは、父と母のどちらと一緒に住むのかか決めろと迫られ、フランクは耐えきれなくなって家出してしまう。「金さえあれば、今までの幸せな日々が続いていたはずだ」と悟ったフランクは、金を稼ぐためにマンハッタンへと渡り、金に対して強い執着を見せるようになっていく。
金のないフランクは小切手詐欺を働こうとするが、取引のない未成年のフランクではまともに取り合ってももらえない。金に飢えるフランクが目をつけたのは、社会的ステータスを持つ『パイロット』だった。フランクは高校の新聞記者を装ってパイロットに近づき、パイロットの仕事について詳細に聞き出した。さらに、パイロットの制服を手に入れたフランクは、パイロットと身分を偽って生活を始めるようになる。パイロットという身分であれば偽造小切手を使っても、誰も怪しむことなくそれを使えるのだった。パイロットとして世界中を旅しながら、美女とのアバンチュールを楽しみ、偽造小切手で稼いだ金でフランクは優雅な生活を送っていた。しかし、偽造小切手が出回っていることに銀行が気付いたことから、とうとうFBIが捜査を開始した。FBI捜査員のカールは、懸命の捜査の末に、ついにハリウッドのホテルに宿泊中のフランクを追い詰めるが、機転の利くフランクは「自分はフランクを先に逮捕したシークレットサービスだ」と騙して、巧みにその場を切り抜けてしまう。FBIの追跡を切り抜けたフランクは有頂天になるが、言い知れぬ孤独感にも襲われていた。パイロットという身分に近づいてくる他人はいるものの、それは本当の自分ではないのだ。皮肉だが、本当のフランクの姿を知っているのは、捜査官のカールだけだった。クリスマスの夜、フランクはカールに電話をかけ、束の間の交流を重ねる。カールは電話の内容から、フランクが漫画好きでニューヨークに住んでいる家出中の子供であることを看破する。そして、それからというものの、クリスマスだけのフランクとカールの秘密の電話は、毎年の恒例となる。
ある年フランクは、ブレンダという看護師の女性に恋に落ち、ブレンダに近づくために『小児科医』になりすまして恋人になる。彼女の父親が検事であると知ると、フランクは弁護士に早変わりして、2週間の猛勉強をして本当に弁護士資格を取得してしまい、父親に気に入られてブレンダとの婚約を認めてもらうのであった。フランクは「自分こそは幸せな家庭を築いてみせる」と固く決意していた。家出した子供達のリストの中から、ついにフランクを突き止めたカールは、フランクが働いていた病院にまで辿り着くがまたしても取り逃す。だが、逮捕されるのも時間の問題だった。クリスマスの夜、カールに電話をかけたフランクは「結婚すること」を告げ、もう追わないように懇願する。カールは電話の聞かされた情報から、これから婚約パーティーをする「フランクが化けた偽医者と同じ名前」を探していく。婚約パーティーの当日、ついにFBIが会場に乗り込んできた。フランクは再びブレンダに「空港で落ち合おう」と言い残して、スーツケースに詰まった現金を手にして、慌ててその場を逃亡してしまう。2日後、約束した日時にフランクは空港へと向かったが、ブレンダの姿はそこにはなく、代わりに大量の捜査員たちが待ち構えていた。包囲網から逃げ切ったフランクであったが、父と母の出会ったフランスの某所であることを突き止められ、カールについに逮捕されてしまう。アメリカに移送中、父親が首の骨を折って亡くなったことを知らされ、飛行機のトイレから脱走したフランクは、再婚した母親の家へと向かいそこで逮捕される。
フランクは罪状の悪さから未成年として扱われず、「禁錮刑12年」を言い渡されて、凶悪犯用刑務所に入れられ独居房で過ごすことになる。4年後、刑務所に面会に来たカールに、偽造小切手のアドバイスをした事がきっかけとなり、小切手偽造の腕やあらゆる詐欺についての技術を買われ、FBIの協力者として採用されることになる。釈放されたフランクは刑期が終わるまでの間、自分を逮捕したFBIで働くことになる。一度は逃げ出して、偽造パスポートでフランスに逃亡しようとするが、友情の芽生えたカールに「お前は逃げないよ」と言われ、FBIに留まる決心をする。
その後、フランクは結婚して3人の息子を儲け、『偽造のできない小切手』を作り出すなど、銀行から年間数百万ドルを対価として受け取っている。国際手配をうけた悪質な偽造犯の逮捕に貢献、のちに『銀行詐欺と偽造摘発の権威』と称えられるようになる。
キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン スタッフ
監督:スティーヴン・スピルバーグ
脚本:ジェフ・ナサンソン
原作:フランク・W・アバグネイル,スタン・レディング
製作:スティーヴン・スピルバーグ,ウォルター・F・パークス
製作総指揮:バリー・ケンプ,ローリー・マクドナルド,アンソニー・ロマーノ,ミシェル・シェーン
音楽:ジョン・ウィリアムズ
撮影:ヤヌス・カミンスキー
編集:マイケル・カーン
製作会社:アンブリン・エンターテインメント
キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン キャスト
フランク・W・アバグネイル・Jr:レオナルド・ディカプリオ
カール・ハンラティ:トム・ハンクス
フランクの父:クリストファー・ウォーケン
ロジャー・ストロング:マーティン・シーン
ポーラ・アバグネイル:ナタリー・バイ
ブレンダ・ストロング:エイミー・アダムス
シェリル・アン:ジェニファー・ガーナー
ジャック・バーンズ:ジェームズ・ブローリン
アール・アムダースキー:ブライアン・ホウ
トム・フォックス:フランク・ジョン・ヒューズ
ポール・モーガン:スティーヴ・イースティン
キャロル・ストロング:ナンシー・レネハン
ルーシー:エリザベス・バンクス
ダーシー:キャンディス・アザラ
ジョアンナ:ケイトリン・ダブルデイ
エヴァンス校長:トーマス・コパッチ
ケスナー:アレックス・ハイド=ホワイト
アシュレイ:ジェニファー・マンレー
支配人:スティーヴ・ウィッティング
ホテル支配人:ロバート・ルース
本人役:キティー・カーライル
融資担当者:マシュー・キンブロー
男性:ジャック・ナイト
生徒:ジョシュア・コリンズ
バーテンダー:ジミー・F・スキャッグズ