アルキメデスの大戦(実写版)は、2019年公開の日本映画。戦艦大和建造を巡る頭脳戦を描く三田紀房の同名漫画を、山崎貴監督が実写化。昭和8年。海軍少将・山本五十六は上層部が進める超巨大戦艦大和の建造計画を阻止するため、天才数学者の櫂直に試算させ、国家予算の無駄遣いを明白にしようとする。変わり者の天才数学者・櫂直をの菅田将暉が、海軍少将・山本五十六をの舘ひろしが演じる。
アルキメデスの大戦 映画批評・評価・考察
アルキメデスの大戦
脚本:34点
演技・演出:17点
撮影・美術:16点
編集:9点
音響・音楽:7点
合計83点
過去作も含めて山崎貴監督作品のベストかもしれないなと思えた作品でした。純粋な変人を演じたさせたら菅田将暉はピカイチだと思います。破天荒で頭脳明晰な繊細さ大胆さを併せ持った役柄を上手く演じます。セリフのテンポも良く、渋いベテラン俳優を飲み込む度量を感じさせます。戦争映画も時代とともに変化していき、何を描くのかというスポットの当て方が良い映画だなと思えました。史実と異なるといったストーリーを糾弾するのではなく、主人公も含めて架空の登場人物が出てくるフィクション作品としての戦争映画であり、伝わってくるものを受け止めたいと思います。
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アルキメデスの大戦 あらすじ
1933(昭和8)年。日本は欧米列強との対立を深め、軍拡路線を進み始める。海軍省は秘密裏に世界最大の戦艦・大和の建造を計画。海軍少将・山本五十六(舘ひろし)はこれからの戦いに必要なのは航空母艦だと進言したものの、世界に誇れる壮大さこそ必要だと考える上層部は、戦艦大和の建造を支持。巨大戦艦の建造がいかに国家予算の無駄遣いか算出し、その裏に隠された不正を暴くことで計画を打ち崩そうと考えた山本は、軍部の息がかかっていない協力者として、100年に1人の天才と言われる元帝国大学の数学者・櫂直(菅田将暉)に目をつけた。数学を偏愛し大の軍隊嫌いという一筋縄ではいかない変わり者の櫂は頑なに協力を拒んでいたものの、巨大戦艦を建造すればその力を過信した日本は必ず戦争を始めるという山本の言葉に動かされる。戦艦に関する一切の情報は建造推進派の者たちが秘匿。同調圧力と妨害工作の中、櫂は帝国海軍という巨大な権力の中枢に飛び込んでいく。
アルキメデスの大戦 スタッフ
原作:三田紀房『アルキメデスの大戦』(講談社「ヤングマガジン」連載)
監督・脚本・VFX:山崎貴
音楽:佐藤直紀
製作:市川南
エグゼクティブ・プロデューサー:阿部秀司,山内章弘
プロデューサー:佐藤善宏,守屋圭一郎
ラインプロデューサー:阿部豪
撮影:柴崎幸三
照明:上田なりゆき
美術:上條安里
録音:藤本賢一
装飾:龍田哲児
VFXディレクター:渋谷紀世子
編集:宮島竜治
カラーグレーダー:齋藤精二
音響効果:岡瀬晶彦
特機:奥田悟
衣装:水島愛子
ヘアメイク:宮内三千代
キャスティング:梅本竜矢
スクリプター:阿保知香子
助監督:安達耕平
制作担当:櫻井紘史
宣伝プロデューサー:鎌田亮介
プロダクション統括:佐藤毅
配給:東宝
制作プロダクション:ROBOT
制作協力:阿部秀司事務所,東宝映画
製作:「アルキメデスの大戦」製作委員会(東宝,日本テレビ放送網,電通,読売テレビ放送,ROBOT,白組,KDDI,講談社,阿部秀司事務所,東急エージェンシー,日本出版販売,ひかりTV,毎日新聞社,朝日新聞社,ローソンエンタテインメント,GYAO,時事通信社,カルチュア・エンタテインメント,木下グループ,ニッポン放送,中日新聞社)
アルキメデスの大戦 キャスト
櫂直(海軍少佐):菅田将暉
田中正二郎(海軍少尉):柄本佑
尾崎鏡子:浜辺美波
大里清:笑福亭鶴瓶
大角岑生(海軍大臣):小林克也
宇野積蔵(戦艦長門艦長):小日向文世
永野修身(海軍中将):國村隼
嶋田繁太郎(海軍少将):橋爪功
平山忠道(造船中将):田中泯
山本五十六(海軍少将):舘ひろし
大里商船の事務員:波岡一喜
セツ:木南晴夏
藤岡喜男(造船少将):山崎一
蒲瀬和足(参謀):飯田基祐
高任久仁彦:奥野瑛太
尾崎留吉:矢島健一
料亭の女将:角替和枝
下宿の大家:池谷のぶえ
造船会社の部長:天野ひろゆき
若い士官:石田法嗣
ナレーション:窪田等