お墓がない!｜人一倍プライドの高い大女優（岩下志麻）が、自分が入るに相応しいお墓を探して東奔西走する姿を描いたコメディ。

2022.12.102024.02.02

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お墓がない!は、1998年公開の日本映画。人一倍プライドの高い大女優が、自分が入るに相応しいお墓を探して東奔西走する姿を描いたコメディ。『夜逃げ屋本舗』のように、死や葬式といった社会派的題材も扱った映画。

お墓がない!　映画批評・評価・考察

お墓がない!　映画批評・評価・考察

お墓がない!

脚本：26点
演技・演出：14点
撮影・美術：13点
編集：8点
音響・音楽：7点
合計68点

東宝の『免許がない！』の大ヒットの影響なのか、松竹は『お墓がない！』というタイトルは、二番煎じもいいところですよね。かわいい岩下志麻を見るファンムービーじゃないですが、『極道の妻たち』シリーズのような強くて怖い女性のイメージのある彼女が、恐らく素に近い主人公を演じているように思えます。当時、子役で圧倒的な存在だった安達祐実を、まさに本人役のように演じさせているのも面白い要素になっています。まだ、アパ男になっていない袴田吉彦の初々しい爽やか好青年役がデビューまもない彼と役柄が合っているように思えますし、ベタな演技ようにも思えますが、下手じゃないところがその後も芸能界で生き残っているだけのことはあるんだと思います。

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お墓がない!　あらすじ（ネタバレ）

人気女優・桜咲節子は主演映画「宣告」の役作りの取材を兼ねて訪れた大学病院で検査を受けた。ところが、彼女はそこで、自分が癌に冒されあと半年の命であることを知らされる。診断の結果を周囲に黙って撮影に臨む節子。癌と宣告された娘と気丈な母親との交流を描いた映画の内容に、思わず演技にも力が入ってしまう。そんなある日、墓参りのための撮休が取られた。しかし、孤児院で育った節子には詣でるお墓がない。そのことに唯一コンプレックスを感じていた彼女は、死んだ後に立派なお墓がなければ人々に存在を忘れられてしまうのではないかと恐れ、霊園会社の新人川嶋とともに自らに相応しい墓探しに奔走する。そして日本の葬式に対する様々な仕来たりにふれた桜咲は、大事なのは墓よりも心が通い合うことだという結論を出す。