私の頭の中の消しゴムは、2004年公開の韓国映画。キャッチコピーは「死より切ない別れがある」。ドラマ冬のソナタなどに代表される韓流ブームの火付け役になった作品。チョン・ウソンとソ・イェジンが熱演、あなたの記憶から絶対に消せない、永久不滅のラブストーリー。興行収入は、韓国で公開後3週連続第1位、日本では公開後4週連続第1位を記録。さらに日本での興行収入の累計総額は30億円に上った。これは日本で公開された韓国映画史上第1位である(興行通信社調べ)。
私の頭の中の消しゴム 映画批評・評価・考察
私の頭の中の消しゴム(原題(英題):A Moment to Remember)
脚本:38点
演技・演出:17点
撮影・美術:17点
編集:9点
音響・音楽:9点
合計90点
最愛の人が若年性アルツハイマー病に罹ってしまうという難しいテーマが丁寧に描かれており、主役を演じたチョン・ウソン、ソン・イェジンがとても魅力的に映ります。劇場ですすり泣く人が溢れ、涙腺崩壊映画と公開当時は話題となりました。
実は、僕も泣きました。とても泣ける映画です。韓国語が苦手な方は、吹替も素晴らしいのでお薦めです。
タイトル『私の頭の中の消しゴム』の由来は、原作ドラマ(Pure Soul〜君が僕を忘れても〜)のヒロインの台詞「私の頭の中には消しゴムがあるの」です。イ・ジェハン監督は映画を制作する際、原作のこの台詞を要の一つと捉え、タイトルに決定、また同様の台詞を映画のヒロインにも用いました。そうした経緯があったことから、前述の記者会見の席で永作博美(ドラマ版のヒロイン)は「私の台詞をタイトルに付けてもらえて嬉しいです」と語っています。
私の頭の中の消しゴム あらすじ
工事現場で働く無愛想な大工チョルス(チョン・ウソン)と、おっちょこちょいだが純粋な社長令嬢スジン(ソン・イェジン)。住む世界の違う2人が、コンビニでの思わぬハプニングで出会い、まっすぐに恋に落ちる。愛を信じず独りで生きてきたチョルスは、スジンの愛に戸惑いながらも、彼女のピュアな気持ちから、人を愛すること、許すこと、そして信じることを覚えていく。建築家として活動を始める夫と、才能あるファッションデザイナーの妻。夫のお弁当にご飯だけを2つ包んでしまったり、自分の家さえ探せずに道に迷ってしまうような彼女の物忘れさえ、しっかり者の夫には愛おしい。目が眩むほど幸せな、新婚の日々。大したことではないと思っていたスジンの物忘れが深刻になっていったのは、それから間もなくのこと。不安を覚え、医者を訪れたスジンが宣告された言葉は「若年性アルツハイマー」。肉体的な死より、精神的な死が先に訪れる病。この日から、失われていく記憶をつなぎ止めるための2人の闘いが始まる。チョルスは少しでも彼女を支えるため家中に何枚ものメモを貼り巡らせるが、彼女の記憶はどんどんこぼれていく。家族が誰なのか、自分が誰なのかすら分からなくなり、遂にはチョルスの目を見つめ、昔の恋人の名で「愛してる」と微笑むスジン。なす術のない絶望に心を乱されながらも、彼女を見守っていこうというチョルスの気持ちは揺らがない。仕事と看病に追われる日々…。そしてある日、仕事から戻ったチョルスが目にしたのは、スジンのいない空っぽの家と、1通の置き手紙だった。「あなたは今、泣いているでしょう? 愛するチョルス。記憶が残っているこの短い間に、どうしたら私の気持ちを伝えることができるでしょう。私はあなた、チェ・チョルスだけを愛しています。これだけは忘れたくない。忘れちゃいけないのに。私の記憶を奪っていくこの病気が、あなたの記憶だけは残してくれますように。それが叶わないなら、どうか、消えていく記憶の中で最後まで残っているのが、あなたと過ごした日々でありますように」。手紙を読んだチョルスは、ひとつの決意をする。
私の頭の中の消しゴム スタッフ
監督:イ・ジェハン
原作:江頭美智留、松田裕子(『Pure Soul~君が僕を忘れても~』)
脚本:イ・ジェハン
脚色:キム・ヨンハ
製作:チャ・スンジェ
音楽:キム・テウォン
撮影:イ・ギョンジュ
美術:チェ・ギホ
衣装:キム・ソンイル
編集:ハム・ソンウォン
テーマ曲:A moment to remember (風笛 作曲:大島ミチル)
私の頭の中の消しゴム キャスト
チェ・チョルス:チョン・ウソン
キム・スジン:ソン・イェジン
ソ・ヨンミン室長:ペク・チョンハク
アンナ・チョン:イ・ソンジン
キム社長:パク・サンギュ
スジン母:キム・ヒリョン
ファン会長:イ・ハン
寺大工:チャン・イナン
イ医学博士:クォン・ビョンギル
チョン・ウネ
ヒョン・ヨン
パク・ユニョン
パク・ミスク
チン・ヨンオク
ソ・ジノン
シン・ヒョンタク
イ・ジョンイン