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東京物語|上京した年老いた両親とその家族たちの姿を通して、家族の絆、親と子、老いと死、人間の一生、それらを冷徹な視線で描く。

東京物語
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東京物語は、1953年公開の日本映画。上京した年老いた両親とその家族たちの姿を通して、家族の絆、親と子、老いと死、人間の一生、それらを冷徹な視線で描いた作品である。「お茶漬の味」以来一年ぶりの小津安二郎監督作品で、脚本は小津安二郎と「落葉日記」の野田高梧の協同執筆、撮影も常に同監督とコンビをなす厚田雄春(陽気な天使)、音楽は斎藤高順。出演者は「白魚」の原節子、「君の名は」の笠智衆、「明日はどっちだ」の香川京子、「蟹工船」の山村聡、「雁(1953)」の三宅邦子、「残波岬の決闘」の安部徹、「きんぴら先生とお嬢さん」の大坂志郎などの他、東山千栄子、杉村春子、中村伸郎、東野英治郎等新劇人が出演している。

東京物語 映画批評・評価・考察


東京物語


本当の家族とは何か…。
子供たちを訪ねた老夫婦を軸に戦後日本における家族の崩壊を描いた小津安二郎の代表作。小津映画の集大成ともいえる作品ローポジション、カメラの固定、人物の正面からの撮影など、「小津調」とも形容される独自の技法を用いながら、親子関係を淡々と描いた本作は、戦後すぐの作品でありながら、今日の家族問題に通じるテーマも多く含んだ“普遍的な家族の物語”であり、公開から60年近く経った現在でも、不朽の名作として世界中で愛され続けてます。

※10年に一度、世界の映画監督358人が投票で決める最も優れた映画に『東京物語』が選出。(2012年8月2日に発表。英国映画協会発行「サイト・アンド・サウンド」誌にて。同誌は10年ごとに映画50選を発表。)


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東京物語 あらすじ(ネタバレ)

周吉、とみの老夫婦は住みなれた尾道から二十年振りに東京にやって来た。途中大阪では三男の敬三に会えたし、東京では長男幸一の一家も長女志げの夫婦も歓待してくれて、熱海へ迄やって貰いながら、何か親身な温かさが欠けている事がやっぱりものたりなかった。それと云うのも、医学博士の肩書まである幸一も志げの美容院も、思っていた程楽でなく、それぞれの生活を守ることで精一杯にならざるを得なかったからである。周吉は同郷の老友との再会に僅かに慰められ、とみは戦死した次男昌二の未亡人紀子の昔変らざる心遣いが何よりも嬉しかった。ハハキトク--尾道に居る末娘京子からの電報が東京のみんなを驚かしたのは、老夫婦が帰郷してまもなくの事だった。脳溢血である。とみは幸一にみとられて静かにその一生を終った。駈けつけたみんなは悲嘆にくれたが、葬儀がすむとまたあわただしく帰らねばならなかった。若い京子には兄姉達の非人情がたまらなかった。紀子は京子に大人の生活の厳しさを言い聞かせながらも、自分自身何時まで今の独り身で生きていけるか不安を感じないではいられなかった。東京へ帰る日、紀子は心境の一切を周吉に打ちあけた。周吉は紀子の素直な心情に今更の如く打たれて、老妻の形見の時計を紀子に贈った。翌日、紀子の乗った上り列車を京子は受け持つ小学校の教室の窓から見送った。周吉はひとり家で身ひとつの侘びしさをしみじみ感じた。

東京物語 スタッフ

監督:小津安二郎
脚本:野田高梧,小津安二郎
製作:山本武
音楽:斎藤高順
撮影:厚田雄春
編集:浜村義康
製作会社:松竹大船撮影所
配給:松竹

東京物語 キャスト

平山周吉:笠智衆
尾道に妻と次女と共に暮らしている。
とみ:東山千栄子(俳優座)
周吉の妻。
紀子:原節子
戦死した次男の妻。アパートで暮らしている。
金子志げ:杉村春子(文学座)
周吉の長女。美容院を営む。
平山幸一:山村聡
周吉の長男。内科の医院を営む。
文子:三宅邦子
幸一の妻。
京子:香川京子
周吉の次女。小学校の教員。
沼田三平:東野英治郎(俳優座)
周吉の旧友。
金子庫造:中村伸郎(文学座)
志げの夫。
平山敬三:大坂志郎
周吉の三男。国鉄に勤務している。
服部修:十朱久雄
周吉の旧友。
よね:長岡輝子(文学座)
服部の妻。
おでん屋の女:桜むつ子
隣家の細君:高橋豊子
周吉の家の隣人。
鉄道職員:安部徹
敬三の同僚。
アパートの女:三谷幸子
紀子の隣室に住んでいる。
平山實:村瀬襌(劇団ちどり)
幸一の長男。
勇:毛利充宏(劇団若草)
幸一の次男。
患家の男:遠山文雄
巡査:諸角啓二郎
艶歌師:三木隆
尾道の医者:長尾敏之助

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