幸福のスイッチ(しあわせのスイッチ)は、2006年公開の日本映画。田舎へ帰省して家業の電気店を手伝う次女と、職人気質のガンコ親父の葛藤を中心とした家族ドラマ。家族の絆はプラスとマイナス。くっ付いたり、離れたり。お客様第一!で儲けは二の次の電気屋の父と、そんな生き方が理解できなくて反発する娘。和歌山県田辺市を舞台に、ガンコ親父と三人姉妹の家族愛を明るく優しく、じんわり暖かく描く。
幸福のスイッチ 映画批評・評価・考察
幸福のスイッチ
脚本:29点
演技・演出:16点
撮影・美術:15点
編集:7点
音響・音楽:7点
合計74点
主人公の次女を演じる上野樹里が屈折した心がほどけていく“不機嫌な女の子”を熱演。ちょっとうざったいけど心地いい家族愛が、観る者を幸せな気持ちで包んでくれます。
監督は期待の新人女性監督・安田真奈。実際に約10年間電気メーカーに勤めた経験と、3年に渡る綿密な取材により「小さな電気屋」を巡る濃密な人間関係を丁寧に描いています。
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幸福のスイッチ あらすじ(ネタバレ)
稲田怜(上野樹里)は、東京のデザイン会社の新人イラストレーター。田舎の電器屋で、儲けにもならない仕事ばかり引き受ける父・誠一郎(沢田研二)に反発して上京するが、現実は厳しく、自分が思い描いていたような仕事はなかなかできない。ある日、上司と衝突してついに会社を辞めてしまう。そんな最悪の状況の中、高校生の妹・香(中村静香)から手紙と新幹線のチケットが届く。そこには、亡き母に代わって実家を手伝う姉の瞳(本上まなみ)が、絶対安静で入院したと書かれていた。怜は実家のある和歌山県田辺市に帰省するが、実は入院したのは瞳ではなく、脚を骨折した誠一郎だった。疎遠になっている父が骨折したくらいでは怜が帰ってこないとにらんだ香は、嘘の手紙を送ったのだ。誠一郎は、病院のベッドの上で大声で客にアフターケアの電話をかけまくっている。妊娠中の瞳から店の手伝いを頼まれた怜は、生活費をカンパするという申し出につられて、渋々承諾する。誠一郎が経営する「イナデン」は、町の小さな電器屋だ。大型家電量販店に押されて経営は芳しくないが、“お客様第一。全メーカー修理。電球一個からリフォーム相談まで”をモットーに、儲けを度外視した親身なサービスで町の人々から厚い信頼を寄せられている。イナデンは町の社交場で、昔からの常連客はみかん片手にやってきて、ミキサーでジュースを作っては、茶飲み話に花を咲かせる。タダ同然で雑用全般まで引き受ける誠一郎の姿勢が、怜にはまったく理解できない。しかし、店番をしたり修理に出向いたりするうちに、怜の心に働くことの喜びが芽生えてくる。嵐の晩には、誠一郎は病院を抜け出して、停電した家々への対応に助っ人としてやって来た。やがて、誠一郎の怪我が完治する。二人の間のわだかまりも少々柔らかくなり、怜は新たな気持ちで上京するのだった。
幸福のスイッチ スタッフ
監督:安田真奈
脚本:安田真奈
製作:林田洋,松下晴彦,岡林可典
製作総指揮:二宮清隆
音楽:原夕輝
撮影:中村夏葉
編集:藤沢和貴
製作会社:東北新社,東京テアトル,関西テレビ放送
配給:東京テアトル
幸福のスイッチ キャスト
上野樹里:稲田怜
本上まなみ:稲田瞳
中村静香:稲田香
林剛史:鈴木裕也
笠原秀幸:怜の彼氏・牧村耕太
石坂ちなみ:怜の同級生・涼子
深浦加奈子:橘優子
芦屋小雁:イナデンの常連客・木山
田中要次:澄川
宮田早苗:怜・瞳・香の母
寿美菜子:稲田瞳(少女時代)
下元年世
杉野じんべえ
谷口高史:野村康平
楠年明
桂都んぼ
新屋英子:野村のおばあちゃん
沢田研二:稲田誠一郎