帰ってきたヒトラーは、2015年公開のドイツ映画。2014年のドイツに蘇ったアドルフ・ヒトラーが巻き起こす騒動を描く。ヒトラーが現代にタイムスリップし、人気芸人に!?ギャップに笑い、まっすぐな情熱に惹かれ、正気と狂気の一線を見失う、世にも危険なコメディ! 観る者のモラル、常識、価値観が試される! 現代社会に警告を鳴らす、世界中で売れまくりのベストセラー小説を映画化! ヒトラーに対する数々の肯定的な描写から物議を醸したが、ヴェルメシュ自身は、ヒトラーを単純に悪魔化するだけではその危険性を十分に指摘できないとし、リアルなヒトラー像を表現するためにあえてその優れた面も描き出したと述べている。
帰ってきたヒトラー 映画批評・評価・考察
帰ってきたヒトラー(原題:Er ist wieder da)
脚本:37点
演技・演出:17点
撮影・美術:15点
編集:9点
音響・音楽:6点
合計84点
現代のドイツにタイムスリップしてきたヒトラーが、現代人の心を捉えていってしまう現代の社会状況をコメディ調に描いていますが、痛烈な社会風刺とメッセージがこの作品にはあります。とてもよくできた脚本だと思います。かつてヒトラーがなぜ台頭したのか?というのがよく分かるので、ある意味ヒトラーを知る映画としてもよくできていると思いました。
帰ってきたヒトラー あらすじ(ネタバレ)
2014年のベルリンに蘇ったヒトラーは、疲労で倒れ込んだところをキオスクの主人に助けられ、そのままキオスクに居候することになった。同じ頃、テレビ会社「My TV」をクビになったザヴァツキは、撮影した映像にヒトラーそっくりの男が映り込んでいるのを発見し、テレビ会社に復職するための自主動画を撮影するためヒトラーと共にドイツ中を旅する。ザヴァツキは撮影した動画を手土産にテレビ会社に復職し、ヒトラーはトーク番組「クラス・アルター」へのゲスト出演が決定した。ヒトラーの政治トークは視聴者の人気を集め、一躍人気者となる。しかし、ドイツ人にとってタブーである「ヒトラーネタ」で視聴率を集める局長のベリーニに反発するスタッフが現れ始め、中でも局長の地位を狙う副局長のゼンゼンブリンクはベリーニを失脚させるため、ヒトラーのスキャンダルを探していた。ゼンゼンブリンクはヒトラーがザヴァツキとの旅の途中で犬を射殺していたことを知り、トーク番組でその映像を公開させる。視聴者からの批判を受けたヒトラーは番組を降板させられ、彼を重用したベリーニもテレビ会社をクビになる。
ザヴァツキの家に居候することになったヒトラーは、自身の復活談を描いた『帰ってきたヒトラー』を出版する。『帰ってきたヒトラー』はベストセラーとなり、ザヴァツキとベリーニは映画化を企画する。一方、ヒトラーが降板した「クラス・アルター」は視聴率が低迷し打ち切りが決まり、新局長となったゼンゼンブリンクは番組を立て直すため映画製作への協力を申し出る。映画製作が進む中、監督となったザヴァツキは恋人のクレマイヤーの家にヒトラーと共に招待されるが、ユダヤ人であるクレマイヤーの祖母がヒトラーを拒絶する。クレマイヤーがユダヤ人だと知った時のヒトラーの反応を見たザヴァツキは疑念を抱き、ヒトラーが最初に現れた場所が総統地下壕跡地だったことに気付き、ヒトラーがモノマネ芸人ではなく本物の「アドルフ・ヒトラー」だと確信する。ザヴァツキはベリーニに真実を伝えるが相手にされず、取り乱した様子から「精神を病んだ」と判断されたザヴァツキは精神病棟に隔離されてしまう。映画がクランクアップした頃、ヒトラーは自身を支持する若者を集めて新しい親衛隊を組織し、再び野望の実現のために動き出す。
帰ってきたヒトラー スタッフ
監督:ダーヴィト・ヴネント
脚本:ダーヴィト・ヴネント,ミッツィ・マイヤー
原作:ティムール・ヴェルメシュ
製作:ラース・ディトリッヒ,クリストフ・ムーラー
製作総指揮:オリヴァー・ベルビン,マルティン・モスコヴィッツ
音楽:エニス・ロトホフ
撮影:ハンノ・レンツ
編集:アンドレアス・ヴォドラシュケ
制作会社:コンスタンティン・フィルム,ミトス・フィルム
配給:コンスタンティン・フィルム,ギャガ
帰ってきたヒトラー キャスト
アドルフ・ヒトラー – オリヴァー・マスッチ
ファビアン・ザヴァツキ – ファビアン・ブッシュ
カッチャ・ベリーニ – カッチャ・リーマン
クリストフ・ゼンゼンブリンク – クリストフ・マリア・ヘルプスト
フランツィスカ・クレマイヤー – フランツィスカ・ウルフ
ミヒャエル・ヴィツィヒマン – ミヒャエル・ケスラー
リコ・マンチェロ – ミヒャエル・オストロウスキ
ザヴァツキの母 – ロマナ・クンツェ=リブノウ
キオスクの主人 – ラース・ルドルフ
クレマイヤーの祖母 – グドルーン・リッター
ゲッヒリヒター – ステファン・グロスマン
テレビ局社長 – トーマス・ティーメ
ゲアハルト・レムリッヒ – クリストフ・ツェマー
ウルフ・ビルネ – マクシミリアン・ストレシク
ウーテ・カスラー – ニナ・プロール
本人役 – クラース・ハウファー=ウムラウフ
本人役 – ヨーコ・ヴィンターシャイト
本人役 – ダニエル・アミナチ
本人役 – イェルク・タデウツ
本人役 – ロベルト・ブランコ
本人役 – ミヒャエラ・シェーファー
本人役 – ダギ・ビー
本人役 – フレシュタージ
本人役 – ロベルト・ホフマン
本人役 – ヨイス・イルク
本人役 – フランク・プラスベルク