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帝都物語|明治45年から昭和3年にかけて帝都・東京を壊滅しようと企む超能力者・加藤保憲と当時の著名人、渋沢栄一、寺田寅彦、幸田露伴らの戦いを描く。

帝都物語
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帝都物語(ていとものがたり)は、1988年公開の日本映画。荒俣宏の長編小説を原作に、TNV「ウルトラマン」シリーズや実験的な作品で知られる奇才・実相寺昭雄が映画化。製作費は10億円の大作で、出演者にも勝新太郎・平幹二朗らを起用。東京グランギニョルの演劇『ガラチア帝都物語』に出演したことがきっかけで加藤役に抜擢された嶋田久作はこれが映画デビュー作であったが、その強烈なキャラクターも評判となった。

帝都物語 映画批評・評価・考察


帝都物語

脚本:25点
演技・演出:12点
撮影・美術:14点
編集:5点
音響・音楽:7点
合計63点

原作も映画も圧倒的なマニアックさが魅力な作品だと思うんですが、魔人加藤保憲役の嶋田久作のインパクトが絶大なものの、映画上の主人公である辰宮洋一郎役の石田純一が魅力不足に映りました、それもそのはず今作品は登場人物が多く大物であり曲者でもある豪華な俳優が揃いすぎていることもあり、辰宮洋一郎の人物像を掘り下げる時間も描写もありませんでした。
一方の加藤保憲役を演じた嶋田久作は原作のイメージ通りで、彼の個性的な顔立ちといい背格好といい、独特の声質も良く、まさにはまり役でした。

作品全体としては、もともとマニアックで一般的に馴染みが薄いものを取り扱っているのに、それらを詰め込み過ぎてしまってストーリーがまったく入ってこない、見てるだけ映画になってしまいました。その中で関東大震災を引き起こす加藤保憲のシーンが印象的でした。

この映画の魔力というかなんというか、正直つまらない作品だと思うんですけど、一定の時間が過ぎると見返したくなるんですよね。

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帝都物語 あらすじ(ネタバレ)

明治45年。実業家・渋沢栄一は土御門家の陰陽師・平井保昌や物理学者・寺田寅彦らに協力を求め、ある計画を進めていた。それは「東京改造計画」といい、帝都・東京を軍事的にだけでなく霊的にも守護しようとするものだった。しかし、謎の魔人・加藤保憲がその計画の前に立ちふさがっていた。加藤は1000年前関東に独立国を築こうとして失敗し、謀反人として討伐された平将門の霊を呼び醒まし、東京を壊滅させようと企んでいた。そして加藤は将門の末裔・辰宮由佳理を霊媒として選んだ。平井や文豪・幸田露伴の努力により加藤の企みは潰えたかに見えたが、由佳里の胎内には恐るべきサイキック・パワーを秘めた生命が宿っていた。加藤との闘いに敗れた平井は大正12年9月1日を帝都壊滅の日と予言し、明治天皇崩御の日、自刃する。大正12年9月1日。大地震は起こったが幸田は死闘の末、加藤に傷を負わせた。結局、将門の怨霊は目醒めず、帝都破壊は不完全に終わった。そして東京は渋沢らの手により急速に復興していった。昭和2年。日本初の地下鉄道が開通しようとしていたが、加藤の放った魔物が妨害していた。寺田はその解決策として西村真琴が作った日本で最初のロボット“学天則”を利用。加藤は力を回復し再び帝都破壊を企むが、新たな宿敵が現われた。将門の命を受け、由佳里の兄・辰宮洋一郎へ嫁いで来た目方恵子である。加藤は由佳里に産ませた雪子を銀座の雑踏で誘拐し、将門の霊を呼び戻そうとする。しかし、実は雪子は加藤の子ではなく洋一郎と由佳里の間に産まれた子だった。洋一郎は自らの霊力で将門の霊を封じ、恵子はサイキック・パワーで加藤と死闘を繰りひろげた。春。銀座では“帝都復興式典”が開かれ、賑わっている。花見客のあふれる神田明神では易者姿の泉鏡花が加藤に似た軍服姿の男を見つけドキッとするが、人ごみにまぎれて行った。…

帝都物語 スタッフ

製作:堤康二
エグゼクティブ・プロデューサー:一瀬隆重
原作:荒俣宏「帝都物語」
脚本:林海象
監督:実相寺昭雄
撮影:中堀正夫
録音:瀬川徹夫
編集:浦岡敬一
音楽監督:石井眞木
サウンドトラック演奏:新日本フィルハーモニー交響楽団,指揮・大友直人
美術監督:木村威夫
特殊美術:池谷仙克(特殊美術デザイナー:大澤哲三,丸尾知行,藤田泰男
音響アドバイザー:斯波重治オムニバスプロモーション
音響効果:小島良雄(東洋音響)、佐藤一俊(E&M)
コンセプチュアルデザイナー:H・R・ギーガー
イメージ・デザイン:椋尾篁
コンテ作画:樋口真嗣
スペシャルメーキャップ:原口智生
ミニチュア造形:高屋文治(マーブリング・ファインアーツ) 緒賀由彦(シード) 小川正晴(オガワモデリング)
撮影協力:神田神社,外神田文化体育会,昭和飛行機工業,サッポロライオン(銀座ライオン七丁目店),東野高等学校,地下鉄博物館,丸善,細倉鉱業
製作:株式会社エクゼ
配給:東宝

帝都物語 キャスト

渋沢栄一 – 勝新太郎
加藤保憲 – 嶋田久作(第3回高崎映画祭新人賞)
辰宮洋一郎 – 石田純一
辰宮恵子 – 原田美枝子
辰宮由佳理 – 姿晴香
辰宮雪子 – 山本清美
寺田寅彦 – 寺泉憲
鳴滝順一 – 佐野史郎
西村あずさ – 安永亜衣
今和次郎 – いとうせいこう
黒田茂丸 – 桂三枝
泉鏡花 – 坂東玉三郎(松竹/特別出演)
早川徳次 – 宍戸錠
大河内正敏 – 寺田農
森鴎外 – 中村嘉葎雄
織田完之 – 大滝秀治
工藤 – 峰岸徹
田上亮吉 – 井川比佐志
陰陽師1 – 日野利彦
陰陽師2 – 長江英和
江戸っ子1 – ルイス
江戸っ子2 – 三遊亭好楽
江戸っ子3 – 三遊亭円橘
口上1 – 今井重美
口上2 – 高橋令子
口上3 – 岸芳生
紅巾の女 – 中川比佐子
紅巾の男 – 修建
ビヤホールの客 – 荒俣宏(クレジットなし)
声:飯塚昭三,山田栄子,千葉繁,立木文彦,龍田直樹,西村智博,大塚芳忠,古田信幸,中村大樹,松本保典
西村真琴 – 西村晃
目方新 – 島田正吾
幸田露伴 – 高橋幸治
平井保昌 – 平幹二朗

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