孔雀王(実写版)は、1988年公開の日本・香港合作映画。荻野真の原作コミック『孔雀王』を基に、SFXとカンフー・アクションを融合させたアクションホラー映画の先駆け的作品。香港ではユン・ピョウだけが主人公となるように編集されたバージョンが公開された。実写化された『孔雀王』、『孔雀王 アシュラ伝説』は日本バージョンはVHSのみの販売となっており、DVD化はされていない。ユン・ピョウを主人公とした香港バージョンは購入が可能となっているが中国語のみの音声に限定される。
孔雀王 映画批評・評価・考察
孔雀王(くじゃくおう 英題:The Peacock King)
脚本:29点
演技・演出:15点
撮影・美術:15点
編集:5点
音響・音楽:6点
合計70点
一時代を築いたともいえる孔雀王(くじゃくおう)、最初に漫画を読んだときは怖い面白いエログロいでデビルマンの再来とも思え、ダークファンタジーの世界観に胸がときめいたものです。
実写映画版は原作漫画を素材にした映画オリジナル脚本となっています。ラーガのデザインを『エイリアン』のH・Rギーガーに依頼するなど凝りようは、なかなかのものです。また、スケバン刑事シリーズの脚本家と『帝都大戦』のスタッフで構成されているのも、ユニークですし、配役も日本でも香港でも有名なユン・ピョウ、リュー・チャーフィーを起用してることなど国際市場も視野に入れた国際色豊かなキャストも今作の魅力の一つです。
脚本は、橋本以蔵らしくツメコミ過ぎなんですよね。もっとシンプルにすれば良いのにっていつも思います。
この映画のパンフレットにも詳しく記載のある九字護身法が当時流行って、「臨・兵・闘・者・皆・陣・列・在・前」の印を結ぶ練習をしたものです。
続編は阿部寛の初主演映画ですが、当時は大根役者だったので話題にもなりませんでした。今作も続編も是非、DVD化や配信して欲しいものです。
孔雀王 あらすじ(ネタバレ)
チベットの遺跡発掘現場で、長年封じ込められていたアシュラと妖女羅我が甦った。ラマ寺院では大僧上ジグメが弟子コンチェに再びアシュラを封印するよう命じた。その頃東京のデパートでは祈祷に立ち寄った裏高野の退魔師・孔雀やプランナーの冴子を展示用の恐竜が襲っていた。孔雀と冴子はディスコでコンチェと知り合い、そこにアシュラも現われるが逃がしてしまう。コンチェはアシュラを追って香港へ。孔雀は高野山で慈空からアシュラが地獄門を開き、皆魔障外神を呼び起こすとこの世は闇に閉ざされると教えられた。孔雀とコンチェは香港で再会し、九篭城でアシュラ、羅我と戦う。孔雀が法力でアシュラを倒すと羅我は姿を消した。孔雀らはアシュラを普通の少女に戻すためラマ寺院へ向かった。そこで孔雀とコンチェは自分達の出生の秘密を聞いた。2人は呪われた悪魔の子(双子)として生まれ、ジグメと慈空はそれぞれ運命に打ち勝つように逞しく育てたのだった。しかし、地獄門は開かれ、コンチェは皆魔障外神に取り込まれてしまう。アシュラに助け出されたコンチェは孔雀とオーラを生み出し、逆に皆魔障外神を包み込んで地獄門を爆発させたのだった。
孔雀王 スタッフ
監督:ラン・ナイチョイ
脚本:橋本以蔵,関澄一輝
原作:荻野真
製作:三ツ井康,レイモンド・チョウ
製作総指揮:村上光一,チャイ・ラン
音楽:ミッキー吉野
主題歌:ロクサーヌ「バーニング・スルー・ザ・ナイト」
撮影:奈良一彦,関志勤
編集:神谷信武,姜興隆
製作会社:フジテレビジョン,嘉禾電影有限公司,砂工房
配給:東宝東和
孔雀王 キャスト
孔雀:三上博史
コンチェ:ユン・ピョウ
風間冴子:安田成美
アシュラ:グロリア・イップ
宮毘羅:リュー・チャーフィー
皆魔障外神:季洪
ジグメ:高雄(エディ・コー)(コウ・ホン)
刑事:コント山口君と竹田君
佐藤:左とん平
慈空:緒形拳
慈覚:フィリップ・コク
羅誐:ポーリン・ウォン