博奕打ち外伝は、1972年公開の日本映画。明治の中期、北九州若松を舞台に、重たい一家一門の代紋をめぐって義理に生き、情に耐え、心で涙する男たちを描く。鶴田浩二、高倉健、菅原文太ら東映任侠オールスター競演!男五人五色、それぞれの意地を賭けて相争う激しい生きざまを描いた『博奕打ちシリーズ』の第10作目。鶴田浩二と高倉健が共演した最後の映画作品でもある。
博奕打ち外伝 映画批評・評価・考察
博奕打ち外伝
脚本:33点
演技・演出:17点
撮影・美術:16点
編集:7点
音響・音楽:7点
合計80点
喧嘩と博奕に明け暮れる明治中期の北九州・若松。この一帯を縄張りに持つ睦会宗家の総長・浦田が引退し、その跡目を大室一家の組長・大室弥八(若山富三郎)に譲った。だが、この表明により、跡目をめぐる抗争が勃発。九州一の大勢力を誇る一家の二代目争いだけに、その闘いは壮絶を極めた。任侠道一筋に生きる一匹狼の川船頭組頭・周吉(鶴田浩二)、掟を重んじ仁義を貫く総長の実子・栄次(高倉健)、暴れん坊の一匹狼・鉄次(菅原文太)、組のため一家のため悪を承知で突き進む大室の代貸・滝(松方弘樹)、一家と子分のために心ならずも滝とともに地獄を歩む組長・大室(若山富三郎)。男五人五色、それぞれの意地を賭けて相争う激しい生きざまを、東映任侠オールスター大競演で描いた火花散る迫力編。
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博奕打ち外伝 あらすじ(ネタバレ)
明治中期の北九州・若松では、北九州睦会系大室一家組長大室弥八と江川組組長江川周吉とは何かにつけて対立していた。睦会宗家浦田組組長常五郎の後継者は代貸の花井栄次だと衆目の一致するところであったが、常五郎は弥八を二代目に命名した。栄次は常五郎の隠し子で栄次の二代目襲名による内紛を恐れた常五郎の配慮であった。事情を知っている周吉は、神尾鉱山の納屋頭として田川行を決意した栄次を見送り、弥八との喧嘩をさけることを誓った。若松に帰った周吉を待っていたのは夫婦気どりの芸者秀子と大室一家のいやがらせだった。大室一家代貸の滝は、弥八に無断で江川組の縄張りを荒していった。栄次との約束を守り耐える周吉。そんなある日、周吉の弟鉄次が若松に戻って来た。現在の組の状態を知った鉄次は単身大室一家に乗り込み騒ぎを引き起こす。周吉は鉄次を殴り倒し自ら指をつめて弥八に詫びを入れるのだった。しかし滝の暴走は止まらなかった。まず鉄次を闇打ちにし、仲裁に立った浦田、栄次までも惨殺してしまったのだ。“滝が親分、兄弟分までも殺してしまった”弥人は唖然とするが、滝の親を思う心が弥八の心を動かし“滝よ共に地獄まで落ちよう--”と二人は涙の内に手を握りあった。弟たちの墓前にドスを突き立て、大室一家に殴り込む決意をした周吉は、弟、組長、兄弟分の弔い合戦に胸中は激しく燃えていた。
博奕打ち外伝 スタッフ
監督:山下耕作
脚本:野上龍雄
原案:島村喬
製作:俊藤浩滋,橋本慶一 (企画)
音楽:木下忠司
撮影:古谷伸
編集:堀池幸三
製作会社:東映
博奕打ち外伝 キャスト
花井栄次:高倉健
大室弥八:若山富三郎
江川鉄次:菅原文太
滝松蔵:松方弘樹
秀子:浜木綿子
江川政和:伊吹吾郎
駒子:松平純子
福地逸太郎:金子信雄
松木:内田朝雄
抜天吉:潮健児
岩亀:汐路章
源爺:遠藤辰雄
トメ:石井富子
浦田千代:東竜子
庄太:久保浩
鉄砲松:有川正治
半田:楠本健二
佐島:小田部通麿
安造:野口貴史
善八:高並功
徳次:鈴木康弘
嘉助:北川恵一
登:藤浩
村井:島田秀雄
槍七:岩尾正隆
雁十:川谷拓三
仲士:西田良、志賀勝
浜野:疋田泰盛
江川組子分:小峰一男
車夫:青木卓司
署長:那須伸太朗
江川組子分:木谷邦臣
江川組子分:藤長照夫
大村一家子分:北川俊夫
江川組子分:矢野幸男
大村一家子分:池田謙治、松田利夫
浦田常五郎:辰巳柳太郎
江川周吉:鶴田浩二(特別出演)*クレジット上では特別出演記載なし
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