仁義なき戦い 広島死闘篇 93点

仁義なき戦い 広島死闘篇

1973年公開の日本映画。『』の第二部。日本のヤクザ社会でも他に類を見ない壮絶をきわめた“広島ヤクザ抗争”を描くバイオレンス・アクション・ヤクザ映画。配役はもともと千葉真一が山中正治、北大路欣也が大友勝利でクランクインするはずだったが、北大路が「山中の方が自分のキャラクターに合っているのでは? それにセリフがどぎつすぎる大友はできない」、「大友は粗暴で下品すぎて、どうしても自分では演じられない。山中のほうをやらせてくれないかなどと言い出し、配役の入れ替えを要求した。そのためプロデューサーの日下部五朗と宣伝担当者らは千葉を突然訪ね、「山中と大友を交代してもらえないか」と依頼。セリフを全て覚えて撮影に入る直前だった千葉は、東映と笠原が「小沼を好演して、京都市民映画祭の演技賞を獲得した千葉に、山中を演じさせよう」というキャスティング経緯から、初めは交代に難色を示した。ほどなくして深作欣二が交代に反対していないことを知った千葉は、似たような役を再び演じることは俳優として停滞するのではないかと再考。「役作りし直すから、出番を少し後にずらしてほしい」と最終的に交代を了承し、千葉を大友、北大路を山中に入れ換えることとなった。深作は唯一人キャスティング会議で、「千葉に大友を演じさせたほうが、絶対おもしろくなると主張していた。

仁義なき戦い 広島死闘篇 映画批評・備忘録



仁義なき戦い 広島死闘篇

脚本:38点
演技・演出:19点
撮影・美術:18点
編集:9点
音響・音楽:9点
合計93点


シリーズ最高傑作と名高い、今作。僕もそう思える内容で素晴らしかったです。一作目と異なり、今作の主人公は北大路欣也演じる山中正治です。ヒロインは梶芽衣子となっており、今作だけシリーズでは異色の恋愛ドラマが描かれています。山中正治という人物像を掘り下げるため、そのような演出に重点が置かれています。一方で、千葉真一演じる大友勝利のインパクトが強烈で破天荒に銀幕の中で暴れまわります。これは深作監督の思惑どおりで、共演者も視聴者も度肝を抜かれた見事な大立ち回りをやってのけます。北大路欣也の魂がこもった演技も素晴らしく最後のシーンは、手を合わせてしまいました。本当に切なく悲しい若者の最後を演じきっています。



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仁義なき戦い 広島死闘篇 あらすじ


1950年(昭和25年)、広島市。帰国直後に傷害事件で服役し出所した復員兵の山中正治は、村岡組組長・村岡常夫の姪で未亡人である上原靖子が働く食堂で無銭飲食を働き、大友連合会会長の大友長次の息子で愚連隊を率いる大友勝利のリンチを受ける。勝利の狙いは村岡のショバ荒らしだったこともあり、長次が山中に詫び、その紹介で山中は村岡組組員となる。ふとした事から靖子と男女の関係となった山中は村岡の逆鱗に触れ、若頭・松永の指示で九州へ逃れる。そこで山中は滞在先の組の対立者だった和田組組長を射殺したことから、裏社会で大きく名が轟くこととなり、山中は広島への帰参を許され、靖子との交際も村岡の認める所となった。

一方、それぞれ博徒と的屋上がりで、かつては友好関係にあった村岡組と大友組であったが、村岡組は広島競輪場の警備を請け負うなど日に日に資金力・組織力の差が広がりつつあった。これに不満を持つ勝利は、博徒と的屋の縄張りを頑なに守る長次を無視し、競輪場のトイレをダイナマイトで爆破するなど行動を起こす。そして父と完全に袂を分かった勝利は、村岡の兄弟分の時森勘市を抱き込んで彼の跡目を受けるという形で博徒大友組を結成すると、自ら村岡組に乗り込んで村岡の命を狙い、失敗する。

村岡組に命を狙われることとなった時森は呉の山守を頼り、これを利用して広島に顔を立てたい山守は今は無関係の広能に時森の身柄を預けようとする。最初は断る広能であったが、組の資金が乏しいことから渋々引き受ける。しばらくすると時森の命を狙う山中が広能の元を訪れる。山中は刑務所時代に広能に目をかけられた恩義があるため強引には動かず、広能も広島の争いに呉や自分が巻き込まれることに嫌気がさし、時森を広島で引き渡すことで穏便に片付けようとする。ところが時森がこの動きを事前に察知して広能と距離を置き、また大友にも知られてしまったため、広能は配下の島田に時森を殺させることで広島の抗争が呉に飛び火するのを未然に防ぐ。

時森の死により、後ろ盾を失くした勝利は広島から追放されることとなったが、寺田啓一ら3人を密かに留め置き、村岡組襲撃の計画を立てていた。しかし、計画を事前に察知した村岡は山中をヒットマンとして差し向け、山中は寺田ら3名を射殺する。だが、事件直後に山中は警察に逮捕され、無期懲役の判決を受け服役することとなる。それを見届けた村岡は、靖子を元の婚家に戻し、死んだ亭主の弟と再婚させようとする。刑務所で叔父貴にあたる高梨国松からこの事を聞いた山中は騙されたことを知り、村岡に復讐するために脱獄する。

山中の脱獄を知った村岡は即座に松永に指示し、靖子を婚家から連れ戻させ、何食わぬ顔をして山中と対面する。靖子が広島にいるのを見て高梨の話は嘘だったと思い、山中は村岡を疑ったことを恥じる。松永は山中に自首するよう進めるが、そこに広島に舞い戻った大友が村岡の組員を襲ったという連絡が届き、山中は汚名を返上するべく姿を消すと単身で大友の命を狙い始める。大友による村岡を狙った抗争が激化する中、山中は大友の居所を見つけ出して襲撃するが、左足を撃ち抜くも命まで奪えずに失敗する。しかし、この傷が元で大友組の若衆である中原敬助が村岡組に和解を持ちかけたところから大友の居場所が村岡組にばれ、密告により大友は警察に検挙され、抗争は村岡組の勝利で終わる。

全国指名手配の身で、呉の広能の元に身を寄せていた山中は、村岡から脱獄のきっかけとなった高梨が仮出所したことを知らされる。広島に戻って高梨を射殺し、松永の家に逃げ込んだ山中であったが、そこで松永より高梨の話が事実で、村岡はずっと山中を騙していたことを打ち明けられる。松永の家を飛び出し、再び逃走しようとする山中であったが、警察の包囲網を抜けることはできず、最後は誰も信じられなくなり、独り拳銃自殺をする。

後日、山中の葬儀が村岡組長によって大々的に営まれる。弔問に訪れた広能は、山中を「任侠の鑑」と褒め称えて高笑いする村岡や山守を醜く感じ、悲しく死んでいった山中を偲ぶのであった。

仁義なき戦い 広島死闘篇 スタッフ


企画:
原作:
脚本:
監督:
撮影:
音楽:
録音:
照明:
美術:
編集:
助監督:
スチル:
進行:

仁義なき戦い 広島死闘篇 キャスト


広能組(モデル・美能組)
広能昌三 – :広能組組長。山守組を離縁(正式な破門ではない)。山中とは刑務所で懇意に。野良犬の肉で晩酌させられる。美能幸三がモデルとなった。
島田幸一 – :広能組若衆。広能組長晩酌用の肉を調達。時森を射殺。村岡組長からビールを1杯ご馳走になった後に自首。
岩見益夫 – :広能組若衆。島田とともに広能組長晩酌用の肉を調達。
弓野修 – :広能組若衆。

山守組(モデル・山村組)
山守義雄 – :山守組組長。山村辰雄がモデルとなった。
山守利香 – :山守義雄の妻。山村邦香がモデルとなった。
山守の部下 –

村岡組(モデル・岡組)
山中正治 – :村岡組若衆。物語の主人公。”殺人鬼”と呼ばれた山上光治がモデルとなった。
村岡常夫 – :村岡組組長。岡敏夫がモデルとなった。
高梨国松 – :村岡組長の舎弟。愛人と同衾中に山中によって射殺される。高橋国穂がモデルとみられる。
松永弘 – :村岡組若衆頭。網野光三郎がモデルとなった。
江田省三 – :村岡組若衆(幹部)。原田昭三がモデルとなった。
岩下光男 – :村岡組若衆。大友組に凄惨なリンチを受けて死亡。吉兼悟がモデルとなった。
上原靖子 – :村岡組組長の姪。未亡人。のちに山中の女。
野中雄二郎 – :村岡組若衆
助藤信之 – :村岡組若衆
友田孝 – :村岡組若衆
下条章一 – :村岡組若衆
片倉克己 – :村岡組若衆
村岡組組員 –
上原美代 – :靖子の娘

大友連合会(モデル・村上組)
大友長次 – :テキヤ大友連合会会長。村上三次がモデルとなった。
倉光俊男 – :大友連合会二代目会長。のちに村岡組の盃を受けて傘下に。

大友組(モデル・村上組)
大友勝利 – :大友組組長。長次の息子。物語のもう一人の主人公。大友連合会を破門され時森のノレンを継いで博徒大友組を結成。村岡組と抗争。村上正明がモデルとなった。
中原敬助 – :大友組若衆(幹部)。指を詰めて村岡組若衆頭の松永へ和解を申し入れるが、松永の指示によって村岡組組員に刺殺される。中本敬造がモデルとなった。
池野卓也 – :大友組若衆。
寺田啓一 – :大友組若衆。山中に襲われ死亡。
須賀政男 – :大友組幹部
神谷英司 – :大友組幹部  
三上善輝 – :大友組幹部
国貞清次 – :大友組組員    
川口芳夫 – :大友組組員。山中に襲われ死亡。
組員 – :山中に襲われ死亡。
博打場の組員:

その他
景浦辰次郎 – :広島の大親分。大友組組員によって電車内で刺殺される。清岡吉五郎がモデルとなった。
竹原 – :九州竹原一家親分
植木 – :竹原一家子分
竹原一家子分 –
時森勘市 – :景浦の舎弟。村岡に対抗して大友に跡目を譲る。島田に狙撃され死亡。
南良坂誠 – :広島市会議員。公安委員。競輪場の理事。
石田栄輔 – :広島県警。
和田 – :九州和田組組長。山中に狙撃され死亡。
バーのホステス –
佐野刑事 –
浜田隆吉 – :時森の若衆
景浦長次郎 – :(広島の長老親分)
壺振り –
壺振り –
お灸をする坊さん –
弔問客 –
競輪場職員 –
看守 –
刑事 –
記者 –
高梨の女 –
ホステス –
キャバレーのホステス –
囚人 –
警官-
ナレーター –

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