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仁義なき戦い 完結篇|広島抗争を描いたシリーズの完結篇。決着はどうつくか!?覇者攻防30年の総決算

仁義なき戦い 完結篇
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仁義なき戦い 完結篇は、1974年公開の日本映画。『』の最終作。広島抗争を描いたシリーズの完結篇であるが、実際は第四部『仁義なき戦い 頂上作戦』のラストで第二次広島抗争は終焉を迎えていたため、内容は第三次広島抗争を描いている。第四部まで続けてヒットしてきたため、東映は続編製作を構想するが、脚本を担当した笠原和夫は第四部で終了した事を主張し、執筆を拒否。そのため本作の脚本は東映で笠原とともに数々のヤクザ映画を担当してきた高田宏治が執筆している。1974年(昭和49年)の邦画配給収入ランキングの第8位となり、シリーズ最大のヒットを記録した。

仁義なき戦い 完結篇 映画批評・評価・考察


仁義なき戦い 完結篇

脚本:33点
演技・演出:15点
撮影・美術:15点
編集:8点
音響・音楽:8点
合計79点

シリーズ5作目にもなると、役者の再出演もこのシリーズらしさと受け入れる感じですが、脚本が常に良いだけに感情移入がしにくいのが残念です。今作は2作目で素晴らしい演技を魅せた北大路欣也が再出演し、これまた見事な演技を披露しています。今作だけ見ていればもっと評価できると思うだけにもったいないです。ほんと。
シリーズを通して嫌な奴だった田中邦衛演じる槇原がやっと死んでくれて安堵感に浸る感じですが、現在は出演者の大半が善人役を演じることが多いので現代とのギャップも見所のひとつです。

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仁義なき戦い 完結篇 あらすじ(ネタバレ)

広能組・打本会の連合と山守組との広島抗争は、警察による組長クラスの一斉検挙、いわゆる「頂上作戦」によって終息に向かう。打本会は解散し、広能組長・広能昌三は網走刑務所に収監された。一方、山守組側では最高幹部・武田明が広島に散在するやくざ組織に大同団結を呼びかけ、市民社会からの厳しい視線をかわすため政治結社「天政会」として統一組織を立ち上げた。

しかし天政会は、武田会長のヤクザ色を薄める運営に、副会長の大友勝利や幹事長の早川英男ら守旧派が反発し一枚岩ではなかった。そんな折、広能の兄弟分の市岡輝吉が天政会参与・杉田佐吉を暗殺する。報復を主張する大友と自重を厳命する武田との対立は深くなる。

1966年(昭和41年)6月、広島県警は天政会壊滅のため武田を検挙する方針を立てた。武田は逮捕直前に先手を打ち、自分の子分で天政会の理事長を務める松村保を強引に次期会長候補に決め、武田不在時の会運営を託す。武田の逮捕で天政会は混乱するが、松村は天政会理事の江田省一や各組の若手実力者の協力と豊富な資金力で危機を乗り切ろうとする。一方、大友はこの機に乗じて松村を殺害し天政会を牛耳ることを企てる。

松村の殺害は未遂に終わるが、天政会の各組は松村を弱腰とみなし、大友や早川らの反松村派は増長する。大友は天政会の敵であるはずの市岡と義兄弟の盃を交わし、市岡は大友を後ろ盾として松村組の縄張りを荒らして松村を挑発した。ここに至って松村は市岡を殺害。反松村派は震撼し、大友は有力子分から離反された上、警察に逮捕される。さらに松村は天政会傘下の全組長に盃直しを要求して自分の傘下に収め、不服の早川は引退する。こうして反松村派勢力は壊滅し、松村は天政会で強大な権力を得た。

1970年(昭和45年)6月、武田が出所すると松村は大人しく理事長に戻り、武田を会長とする。しかし、一度起きた松村への世代交代は2人の力関係を変化させており、3ヶ月後に出所する広能への対応を巡って対立が顕然化し始める。そんな折、天政会重鎮の槙原政吉が広能組の組員に暗殺され、穏健な対応を主張する武田は孤立し、天政会では広能への強硬論が支配的になった。

9月、長期刑期を終え出所した広能に武田が面会を求めてくる。あくまで穏便に解決したい武田は、世代交代を説いて一緒に引退するよう求める。その数日後、今度は松村が広能に面会を求め、武田が引退し自分を後継に指名した事を伝える。そして、広島と呉の全ての組織が1つにまとまる意義を話し、広能組を天政会で厚遇することと引き換えに広能自身の引退を迫った。広能は武田の引退に衝撃を受けるが、対応を保留する。

同月、松村は会長就任の挨拶のため腹心と共に関西に赴くが、その道中、反松村派の残党から襲撃され、瀕死の重傷を負う。反松村派は勢いづき、広能を自陣営に引き込むことを図る。

松村は重体にもかかわらず、決死の覚悟で会長襲名披露を行う。そこに広能は若頭・氏家厚司を伴って現れ、松村に組員たちを託す。広能組の天政会への参加で、浮き上がった槙原組員は呉市街で広能組員を襲撃、広能組員が死亡。広能は自分が知らない若い世代の組員の死をみて新旧交代を悟り、長年のやくざ人生からの引退を決意した。

仁義なき戦い 完結篇 スタッフ

企画:
原作:
脚本:
監督:
撮影:
照明:
録音:
美術:
音楽:
編集:
助監督:
記録:
装置:
装飾:
背景:
美粧結髪:
スチール:
衣装:
演技事務:
擬斗:
進行主任:

仁義なき戦い 完結篇 キャスト

広能組(モデル・美能組)
広能昌三 – :広能組組長。長い刑期を勤め出所。天政会不参加。シリーズの主人公。美能幸三がモデルとなった。
氏家厚司 – :広能組若衆頭。薮内威佐夫がモデルとなった。
水本登 – :広能組若衆。何も動こうとしない広能に不満を持つ。最後に呉市中通りで槙原組の襲撃に会い、守谷に射殺される。シリーズ5作全てで広能の若者。
清元忠 – :広能組若衆。佐伯とコンビで共に行動する。槇原組長を射殺。モデルは木元敏治。
佐伯明夫 – :広能組若衆。襲撃用水中銃の暴発により自らの脚を誤射。槇原組長射殺の報復で映画館前で射殺された。モデルは田島重徳。
村田静子 – :佐伯の姉。拳銃を買うために佐伯に睡眠薬入りコーラを飲まされ、店の売り上げを盗まれる。
弓野修 – :広能組若衆。ギターの流し。武田と槙原が会合している事を組員に知らせる。
関谷徹 – :広能組若衆。店で遭遇した天政会の組員の挑発に腹を立て、天政会の旗竿を蹴っ飛ばす。
岩見益夫 – :広能組若衆。アニキ分。水中銃を持ってきた佐伯に襲撃するよう要請する。

天政会(モデル・共政会)
山守義雄 – :天政会初代会長。山守組を政治結社天政会に改める。武田に会長の座を譲ったあとは表舞台からは消えるも、再び会長の座を狙い暗躍する。山村辰雄がモデルとなった。
武田明 – :天政会二代目会長。ヤクザ撲滅運動をかわすため山守組等広島ヤクザ組織を政治結社へ改組。服部武がモデルとなった。
松村保 – :天政会理事長。武田が刑務所に服役中には会長代行。武田出所後理事長に復任するが、武田引退に伴い三代目会長となる。武田組若頭。モデルの山田久は十七年に渡り会長を務め、共政会の礎を築いた。
江田省一 – :天政会常任理事。のちに副会長となり松村の三代目就任を支援する。松村の就任挨拶に訪れた大阪西成の車上で、松村とともに早川組の残党から銃撃を受け惨殺された。江田組組長。原田昭三がモデルとなった。
杉田佐吉 – :天政会参与。金融屋。武田の経済顧問。市岡組に殺される。住吉辰三がモデルとなった。
かおる – :杉田の娘。のちに松村の妻。モデルは山田久の妻、山田多美子。
常岡元次 – :宇品天政会参与。松村派。
織田英士 – :武田組若衆。松村の側近。
大久保憲一 – :呉の長老。天政会三代目を松村にする事を画策する。海生逸一がモデルとなった。
江里 – :ホステス。市岡組が暴れている事を松村組に知らせようとする。
光子 – :山守の女。
藤村勇吉 – :武田組組員。坊主頭。市岡を襲撃して返り討ちされるも駐車場に誘い込んで殺害する。
丸山勝 – 成瀬正):武田組組員。店で遭遇した広能組組員の一人が天政会の旗を蹴飛ばした事に怒り、ヤキを入れる。
友田孝 – :武田組組員
金田守 – :江田組組員
時正夫 – :武田組組員
天政会幹部 –
武田組組員 –

河野組(モデル・浅野組)
河野幸二郎 – :河野組組長。松村の後見人的存在。浅野眞一がモデルとなった。

槇原組(モデル・樋上組)
槙原政吉 – :天政会常任理事。槇原組組長。呉で広能と対立。呉の露店巡回中に広能組の若衆により射殺される。樋上実がモデルとなった。
守谷等 – :槇原組若衆。店で遭遇した広能組若衆を挑発する。呉市中通りで氏家ら広能組若衆を襲撃する。
鶴達男 – :槇原組若頭。呉市中通りで守谷とともに氏家ら広能組若衆を襲撃する。
的場文夫 – :槇原組組員
槇原組組員 –

大友組(モデル・村上組)
大友勝利 – :天政会副会長。大友組組長。第二部の大友勝利と同一人物の設定。敵対する市岡と掟破りの兄舎弟盃を交わす。松村との天政会内の勢力争いに破れ、最後は拳銃2丁をズボンに挟み、タクシーを止めようとしたところを警察に銃刀法違反の現行犯でパクられ、6年の刑を打たれる。村上正明がモデルとなった。
間野豊明 – :大友組若衆頭。のちに「ついてゆけぬ」と逆破門状を勝利に叩きつけ松村の右腕に。モデルは村上組幹部平野一明。
金沢茂久 – :大友組若衆。明け方、宿泊中の松村を襲撃する。
阿木翁 – :大友組若衆。金沢とともに宿泊中の松村を襲撃する。

早川組(モデル・山口(英)組)および百人会(モデル・十一会)
早川英男 – :天政会幹事長。早川組組長。大友を立てて松村と対立。山口英弘がモデルとなった。
久保田市松 – :早川組若衆頭。早川の親・松村要員。十一会会長竹野博士がモデルとなった。
加賀亮助 – :早川組若衆頭補佐。早川の反・松村要員。就任挨拶回りの松村らを大阪で襲撃。十一会副会長梶山慧がモデルとなった。
千野巳代次 – :旅人。就任の挨拶回りで大阪を訪れていた松村、江田らの乗った車を襲撃。モデルは萱野正昭。
楠田時夫 – :早川組組員。加賀たちとともに松村を襲撃。運転手。
近藤新一 – :早川組組員。加賀たちとともに松村を襲撃。

市岡組(モデル・宮岡組)
市岡輝吉 – :広能の舎弟。天政会不参加。天政会参与の杉田を射殺、大友の舎弟となるなど、松村ら天政会と抗争。宮岡輝雄がモデルとなった。
寿美子 – :市岡の女。
神戸泰男 – :市岡組組員
宗方良三 – :市岡組組員 
野地進一 – :市岡組組員。天政会参与の杉田佐吉を殺害する。
遠井銀之助 – :市岡組組員。赤帽男。天政会参与の杉田佐吉を射殺する。
末長博 – :市岡組組員
国松吉郎 – :市岡組組員

その他
村田富雄 – :静子の亭主。佐伯の事を煙たがる。
平手君郎 – :刑事。市岡の殺害容疑に対する松村の取り調べ。
広島県警第四課長 –
久野看守 – :札幌刑務所看守。市岡から煙草(賄賂)を受け取り、広能の面会を許可する。市岡のハト。
真弓 –
若い娘 –
清美 –
丸本貫一 – :大阪のやくざ。加賀の旧友。松村襲撃のための道案内をする。
工員 –
捜査員 –
新聞記者 –    
吉田 –
ナレーター…

ノンクレジット

天政会幹部 –
天政会幹部、捜査員 –
警察幹部 –
市岡組組員 –
大阪のヤクザ –

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