リング 83点

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リング 映画批評・備忘録

見た者を1週間後に呪い殺す「呪いのビデオテープ」の謎を追う、鈴木光司の同名小説『リング』を原作とする映画作品。
公開当時は、恐怖のあまり気絶する人も出るなど話題となった今作。僕がこの作品を見たのは20代前半だったので、貞子の動きのモノマネや目を剥きだすようなポーズなど何かとパロディとして楽しんでいた記憶があります。当時はターミネーター2のT1000を初めて見た時のような新キャラクターとの出会いを感じたものです。この映画は、オカルトの面白い要素がふんだんに盛り込まれていて、ホラー好きにもそうでない人にも楽しめる?作品となっています。丁度、真田広之が演者として幅広い役に挑戦している頃でもあり、彼の新しい一面を開拓した作品でもあります。テレビの中から貞子が出てくる演出は、デモンズデモンズ2あたりからインスパイアされた演出なのかな?と個人的には思いますが、オリジナル要素を上手く取り入れたなぁと感心する出来です。この作品は、貞子が怖いのではなく、迫りくる命の期限に慌て苦しむ人の姿が怖くなっています。この作品から飛躍した音楽の川井憲次はジャパーニーズホラーご用達の作曲家になりますし、助監督の李相國、編集の高橋信之などスタッフにも恵まれている作品です。

リング 採点の内訳


脚本:35点
演技・演出:17点
撮影・美術:15点
編集:8点
音響・音楽:8点
合計83点

リング タイトル

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リング あらすじ(ネタバレ)

某テレビ局のディレクターである浅川玲子は、都市伝説にまつわる取材の中で、見た者を1週間後に死に至らしめる「呪いのビデオ」に関わったと噂される男女が、数日前に奇怪な死を遂げた自分の姪、大石智子と同日の同時刻に死亡していることに気づく。調査を進めた玲子は、同時に死んだ智子たち4人の間には交友関係があり、彼らが1週間前に伊豆の貸し別荘「伊豆パシフィックランド」に宿泊していたこと、そしてその際に撮影されたフィルム写真上の4人の顔が不気味に歪んでいることに着目する。彼らの死の謎を突きとめようとして問題の貸し別荘を訪れた玲子は、そこで貸出されていた不審なビデオの映像を見てしまい、直後に不気味な無言電話を受け取る。これを境に、玲子自身の写真もまた死んだ4人と同様に歪んだ顔で写るようになってしまう。

これが本物の「呪いのビデオ」であることを悟った玲子は、離婚した元夫で超能力者である高山竜司に相談を持ちかける。竜司は自分もビデオの映像を実際に確認して内容を調べ、映像に写っていた新聞記事から、これが過去に伊豆大島の噴火を予知したとされる超能力者・山村志津子に関連したものであることを突きとめる。竜司は伊豆大島へと出立するが、そんな中、玲子と竜司の間の子供である陽一までもがビデオを見てしまう。

玲子は竜司を追って伊豆大島へと向かい、宿泊先で志津子の従兄弟である老人、山村敬と出会うが、詳しい話を聞こうとして拒まれる。竜司が超能力を用いて聞き出そうとした際、玲子はそれに巻き込まれて過去の光景を幻視し、志津子の娘である山村貞子には念じるだけで人を殺せる恐るべき超能力が備わっていたことを知る。そして玲子と竜司は、恐らく既に死んでいる貞子こそが呪いのビデオを生み出した怨霊の正体であると確信する。

台風により伊豆大島を出る船便が欠航し、玲子がビデオを見てから1週間の期限が迫る中、玲子は竜司や陽一の元には無言電話がかかってこなかったという事実から、決定的な手がかりは一連の発端である伊豆の貸し別荘近くにあるという可能性に思い至る。貞子の為にと決意を固めた山村老人が自らの漁船を出し、2人を伊豆へと送り届ける。

貸し別荘に到着した2人はその床下から、ビデオの映像に登場した古井戸を発見し、それに触れた玲子は父親によって井戸に突き落とされた貞子の最期を幻視する。期限の時刻が刻々と迫る中、玲子と竜司は死に物狂いで貞子の遺体を探し、ついに井戸の底から貞子の白骨死体を見つけ出す。玲子は期限を迎えても死に至らず、胸を撫で下ろす。

しかし翌日、検証のために玲子から渡された「呪いのビデオ」を見てからちょうど1週間を迎えた竜司は、自宅のテレビが突然点灯するのを目撃し、そこに映し出された井戸から這い上がってくる貞子の姿を目にする。電話が鳴り響く中、長い前髪を揺らし奇怪な動きで歩み寄ってきた映像の中の貞子は、テレビの画面を通り抜けて這い出し、竜司の眼前にその姿を現す。そして恐怖にすくむ竜司へとにじり寄り、前髪の間から覗いた狂気の目で彼を睨み殺す。

竜司の死を知った玲子は、陽一にかけられた呪いが解けていないことに気づく。玲子は竜司の部屋から持ち出した「呪いのビデオ」のコピーと、都市伝説の取材で耳にした話から、自分だけが助かったのは「呪いのビデオをダビングして他人に見せた」からであるという結論に至る。物語は、最愛の息子・陽一を救うための犠牲として、自分の両親にビデオを見せることを決意した玲子が、暗雲たちこめる暗い空の下、車を走らせる場面で終わる。

リング スタッフ

監督:中田秀夫
原作:鈴木光司
脚本:高橋洋
音楽:川井憲次
主題歌:HIIH 「feels like “HEAVEN”」
音楽プロデューサー:長岡和弘
撮影:林淳一郎
美術:斎藤岩男
照明:前原信雄
編集:高橋信之
助監督:李相國安達正軌佐伯竜一宮崎紀彦
製作担当:中村哲也
サウンドエフェクト:柴崎憲治
ビジュアルエフェクトスーパーバイザー:松本肇
デジタルマットペイント:木村俊幸
ビジュアルエフェクト:日本エフェクトセンター日本映像クリエイティブ
スペシャルメイクアップ:松井祐一
ポスプロスーパーバイザー:掛須秀一
スタジオ:東映東京撮影所
MA:東京テレビセンター
タイトル:マリンポスト
現像:IMAGICA
特別協力:WOWOW
アソシエイトプロデューサー:石原真
ラインプロデューサー:磯村達也
プロデュース:河井真也一瀬隆重仙頭武則
エグゼクティブ・プロデューサー:原正人
「リング」「らせん」製作委員会メンバー:角川書店ポニーキャニオン東宝IMAGICAアスミックオメガ・プロジェクト

リング キャスト

主人公の身辺

浅川 玲子
演 – 松嶋菜々子
主人公。一人息子の陽一と暮らすシングルマザー。姪である智子の不審な死に興味を持ったことがきっかけで息子ともども「呪いのビデオ」を見てしまい、息子と自分の呪いを解くために呪いのビデオの真実へと迫っていく。原作の浅川和行と同様の役回りを演じる登場人物だが、映画版では性別が女性と変更されており、職業もテレビ局のディレクターという肩書きに変更されている。また原作の近視という設定もなくメガネを掛けてはいない。
高山 竜司
演 – 真田広之
もう一人の主人公。大学で非常勤講師をしている。主人公の協力者として終盤まで行動を共にし、物語の結末で貞子に呪い殺されて死ぬ。映画版独自の設定として、玲子の元夫であり陽一の父親で、超能力者であるという設定が与えられている。また原作では楽観的で冗談を言う事が多い軽率な面が目立つが、映画版では終始シリアスで物事を深刻に考える人物へとなっている。
高野 舞
演 – 中谷美紀
竜司の勤める大学の教え子であり恋人で、映画版の結末では竜司の遺体の第一発見者となる。本作では顔見せ程度の登場だが、続編『らせん』と『リング2』では主要登場人物となり、それぞれ異なる運命を辿る。
原作小説では白で統一した衣装が印象的な女性として登場するのに対し、映画版では白い衣装をまとった貞子と区別するため、黒いコートに黒いタイツ、黒い靴という黒ずくめの衣装で登場する。
大石 智子
演 – 竹内結子
玲子の姪で、陽一のいとこ。原作同様に物語冒頭において「呪いのビデオ」の最初の犠牲者として登場し、その後口を大きく開き白目を剥いた苦悶の表情で死んでいるところを発見される。映画版では遺体の死に顔の描写が、序盤における特に衝撃的な場面の一つとして演出された。また、死後には眠っている玲子の夢枕で「叔母さん」と一言ささやき陽一がビデオを見ている事を教えるが、一方では陽一の夢枕にも現れ、ビデオを見るようにと言ったとされる。
倉橋 雅美
演 – 佐藤仁美
智子の友人。物語冒頭で「呪いのビデオ」の都市伝説を智子に語るが、その際に智子からビデオを見たことを打ち明けられ、その直後に智子の最期を目撃してしまう。続編『リング2』では、その時に貞子の姿を目撃していたとされ、ショックから立ち直れないまま精神病院に入院している様子が描かれる。映画版オリジナルの登場人物。
大石 良美
演 – しみず霧子
智子の母で、玲子の姉。智子の死に大きなショックを受けており、遺体を目撃した時の様子を玲子に話す。
玲子の叔母
演 – 大島蓉子
智子の葬儀の参列者。棺の中を見せようとしない葬儀に不信感を抱く。
浅川 陽一
演 – 大高力也
玲子と竜司の間に生まれた子供で、小学生。親権は玲子の側にある。智子の霊を目撃し、誘われるままに「呪いのビデオ」を見てしまう。原作の浅川陽子に相当する立ち位置の人物で、続編『らせん』では浅川陽子と同様の結末を辿るが、『リング2』では主要登場人物として異なる運命を辿る。
浅川 浩一
演 – 村松克己
玲子の父で、陽一の祖父。遊びに来た陽一を預かり遊び相手をする。ラストシーンでは陽一の死を回避するため、玲子から「呪いのビデオ」を見せられることになり、続編では遺書を残して死亡したことが語られている。
吉野 賢三
演 – 松重豊
玲子が務めるテレビ局の報道局に勤める人物。物語冒頭で玲子の調査に協力する。原作小説と異なり本作では端役だが、映画版の『らせん』にも登場する。主人公と同様、彼もまた肩書きが原作小説から変更されている。
岡崎
演 – 柳ユーレイ柳憂怜
玲子の同僚であるアシスタントディレクター。物語冒頭で玲子の調査に協力するほか、伊豆大島へと出立した玲子に代わって東京で貞子について調べるなど、原作小説における吉野の役割を一部引き継ぐ。映画版オリジナルの登場人物で、役を演じた柳ユーレイは友情出演としてクレジットされている。本作では端役だが、続編『リング2』では主要登場人物として再登場する。
小宮
演 – 李鐘浩
玲子の同僚であるカメラマン。物語冒頭において、「呪いのビデオ」にまつわる都市伝説の取材で玲子に同行する。映画版オリジナルの登場人物。
早津
演 – 田辺博之
原作小説と同様、伊豆大島を訪れた玲子と竜司を出迎え、山村家が運営する旅館を手配する。玲子と竜司が伊豆に戻ろうとした際には、嵐で海が荒れていることを説明して2人を制止しようとした。

山村家

山村 貞子
演 – 白井ちひろ(少女期)、伊野尾理枝(成人期)、宮崎紀彦(目のアップ)
「呪いのビデオ」を生み出した、リングシリーズを通してのすべての元凶。故人。強力な超能力を持つ女性であったが、殺害され井戸に遺棄され怨霊と化す。映画版では長い前髪で顔を隠し割れた爪を持つ、白い服の女性として幾度か映像に登場し、クライマックスではテレビの映像の中から這い出て竜司の元に現れる。本作中では素顔をはっきりと見せない描写がされており、クライマックスでも片目のみを大写しにして顔全体を描写しないという演出がなされた。
山村 志津子
演 – 雅子
貞子の母親。故人。原作同様に三原山の火口に身を投げて自殺したとされる。映画版では過去に伊豆大島の噴火を千里眼により的中させたことが新聞に紹介されており、そのことが「呪いのビデオ」の来歴を玲子や竜司が調べる上でのヒントとなる。また原作と異なり衆目の前での超能力公開実験を成功させるが、それを手品であると非難され、その際に彼女を批判した記者を幼少期の貞子が呪い殺してしまうという経緯が描かれている。
伊熊 平八郎
演 – 伴大介
妻子を持ちながら志津子と不倫し貞子の父親でもあるとされる人物で、超能力の研究者として山村志津子の実験に立ち会うのは原作と同様。映画版では生前の貞子を井戸に突き落として殺害する。
山村 敬
演 – 沼田曜一武田敏彦(青年時代)
志津子のいとこ。伊豆大島の差木地で漁師の仕事をしており、息子夫婦が経営する旅館の宿泊客として山村家を訪れた玲子や竜司と遭遇する。原作では端役として登場する人物だが、映画版では貞子の過去を知る唯一の手がかりとしての役割を担い、また過去に志津子の能力を金儲けに使えると考えてマスコミに紹介したことを負い目に感じているなど、志津子や貞子に対する複雑な感情が描かれる。当初は玲子と竜司に反発していたが、台風の中、貞子が待っているならばと決意し、彼らを漁船で伊豆まで送り届ける。『リング2』でも主要登場人物として再登場する。
山村 和枝
演 – 梶三和子
山村家が伊豆大島の差木地で営んでいる旅館の女将。山村家に嫁入りしたのは後年になってからであり、貞子との面識はない。玲子と竜司に志津子の写真を見せる。

リング 予告編

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