プラットフォームは、2019年公開のスペイン映画。現実の階層社会を暗喩するような建物を舞台にした不条理シチュエーションスリラー。ゴレンが目を覚ますと、部屋の真ん中に穴が開いた建物にいた。食事は上の階層からプラットフォームと呼ばれる台座に乗って運ばれてくる。彼は生きてここから出られるのか? 2019年シッチェス・カタロニア国際映画祭最優秀作品賞を含む4冠、2020年ゴヤ賞特殊効果賞受賞。
プラットフォーム 映画批評・評価・考察
プラットフォーム(原題:El hoyo)
脚本:32点
演技・演出:17点
撮影・美術:15点
編集:8点
音響・音楽:6点
合計78点
『キューブ』を彷彿とさせるシチュエーション・スリラー映画ですが、キューブに比べて強いメッセージ性のある作品です。単に謎解き映画というわけではなく、世界の縮図を表現しています。これがすごく分かりやすいと個人的には思うのですが、分かりにくいという感想もありますね。下層に行けば行くほど、醜く野蛮な世界が広がっていますが、上層階がそうでないかというとそんなことはなく、自分さえよければ良い、自己満足で満たされています。その中にあって、最善と思われる方法、皆が生き残れる方法を説く人が現れます。ですが、その話を聞く人間も限られていました。上層階にいながらもこの世界に絶望し、自ら命を絶つ人もいます。これがすごくリアルだなと思えるんです。序盤から中盤にかけて、答えを求めてサバイバルを続ける主人公、いかなる答えが導きだされるのだろうか?
個人的には、消化不良のラストでしたね。ただ、着眼点だとか世界観といったものはすごいと思います。
プラットフォーム あらすじ
ある日、目覚めたゴレン(イバン・マサゲ)は、部屋の真ん中に穴が開いた階層が遥か下の方にまで伸びる塔のような建物の48階層にいた。そこでは、上の階層から順に食事が“プラットフォーム”と呼ばれる巨大な台座に乗って運ばれてくる。食事は上からの残飯を摂るしかない。同じ階層にいた、この建物のベテランの老人トリマカシ(ゾリオン・エギレオール)から、1ヶ月ごとに階層が入れ替わる、何でも1つだけ建物内に持ち込める、食事が摂れるのはプラットフォームが自分の階層にある間だけというここでのルールを聞かされる。1ヶ月後、ゴレンが目を覚ますと、171階層でベッドに縛り付けられて、身動きが取れなくなっていた……。
プラットフォーム スタッフ
監督:ガルデル・ガステル=ウルティア
脚本:ダビド・デソーラ,ペドロ・リベロ
原案:ダビド・デソーラ
製作:カルロス・フアレス
製作総指揮:ラクエル・ペレア,カルロス・フアレス
音楽:アランサス・カジェハ
撮影:ジョン・D・ドミンゲス
編集:アリッツ・ズビリャガ,エレーナ・ルイス
配給:クロックワークス
プラットフォーム キャスト
ゴレン:イバン・マサゲ
イモギリ:アントニア・サン・フアン
トリマガシ:ソリオン・エギレオル
バハラト:エミリオ・ブアレ
ミハル:アレクサンドラ・マサンカイ