パシフィック・リム 90点

パシフィック・リム

映画批評・備忘録

太平洋の海底から次々と現れる巨大怪獣に、兵士2人がペアとなって操縦する巨大ロボットで立ち向かう姿を描いている。

日本のロボットアニメや特撮シリーズの美味しいところを、ギレルモ・デル・トロ監督がセンス溢れる映像と脚本に反映させた新しいSF怪獣映画。モンスターやエイリアンではなく、カイジューと呼んでいることやロボットの造形など監督の日本作品への愛を感じるところが随所にある。

音楽や編集もテンポが良く、快作の仕上がりに大きく貢献している。

※本作は、押井守監督による『機動警察パトレイバー』に大きな影響を受けており、ロボットが製造される過程ではなく、戦っている最中から始まる描写や、実在しそうなメカデザインなどに反映されている。
英語の作品だが、怪獣は日本語由来の「Kaiju」(カイジュー)と呼ばれる。ラストには「この映画をモンスターマスター、レイ・ハリーハウゼンと本多猪四郎に捧ぐ」と献辞が表示される。デル・トロは、「日本の怪獣モノの単なるパスティーシュやオマージュではなく、新しいことができると感じた」と語ったうえで、「日本の漫画、ロボット、怪獣映画の伝統を尊重している」とも答えている。また、今作は「巨大怪物への美しい詩である」と語っている。

採点の内訳

脚本:36点
演技・演出:17点
撮影・美術:17点
編集:10点
音響・音楽:10点

合計90点

タイトル

パシフィック・リム(原題:Pacific Rim)

あらすじ

2013年8月、太平洋グアム沖の深海に異世界と繋がる割れ目が生じ、そこから現れた怪獣「アックスヘッド」がサンフランシスコを襲撃。米国は陸海空軍の総攻撃で6日かけてこれを撃破することに成功するが、その後も別の怪獣が次々と出現し太平洋沿岸都市を襲うようになったため、沿岸諸国は環太平洋防衛軍 (PPDC) を設立し、怪獣迎撃用の巨人兵器イェーガーを建造して立ち向かう。これによって人類は一時的に優位に立ったが、怪獣の出現ペースは少しずつ早まっていき、再び人類は劣勢に追いやられていった。
2020年2月、米国アンカレッジを怪獣「ナイフヘッド」が襲撃。イェーガーのパイロットであるローリー・ベケットは、同じくパイロットの兄ヤンシーとともにイェーガー「ジプシー・デンジャー」に乗ってこれを迎撃するが、戦闘で機体が大破し、更にヤンシーが戦死する。ローリーは兄の死というショックと、脳への負担に耐えて単独でイェーガーを操縦し、ナイフヘッドを撃破することに成功する。しかし世界各国の政府首脳陣は、怪獣の襲撃によってイェーガーが失われるペースが加速し、生産が追いつかないことを問題視しており、イェーガー計画を中断することをPPDCの司令官、スタッカー・ペントコストに告げる。それと同時に、世界各国に巨大防護壁を建造する「命の壁計画」によって、徹底した防御策に出ることを決定した。しかしその壁も怪獣の侵攻の前では全く意味をなさず、人類は滅亡の危機に瀕していた。
2024年、パイロットを辞めて壁の建造に携わっていたローリーの元にペントコストが現れ、異世界と繋がる深海の割れ目を破壊する計画に参加するよう求める。ローリーはペントコストとともに香港のPPDCの基地(シャッタードーム)へ向かい、破棄されていたはずのかつての乗機ジプシー・デンジャーと、そして機体の修復やパイロットの選定を担当する研究者・森マコと出会う。マコは研究者でありながら戦闘能力も高く、イェーガーの搭乗者に選ばれてもおかしくないほどだったが、過去のトラウマを知るペントコストから搭乗を止められていた。訓練を通してマコの高い実力を見抜いたローリーは、彼女とペアを組みたいとペントコストに進言し、それを受けて実験的にローリーとマコを組ませて操縦テストが行われた。しかし、マコの不慣れもあって危うく事故を起こしかけてしまい、ペントコストはローリーのパートナーを別の人間にすることを決める。
2025年1月、香港を、初の2体同時出現にして過去最大級・カテゴリー4の怪獣「オオタチ[8]」と「レザーバック」が襲撃する。ペントコストは、残存する4機のイェーガーのうち「チェルノ・アルファ」「クリムゾン・タイフーン」「ストライカー・エウレカ」の3機を出撃させるが、チェルノ・アルファとクリムゾン・タイフーンが破壊され、ストライカー・エウレカもレザーバックの電磁衝撃波で機能停止に陥り、パイロットの1人であるハーク・ハンセンが腕を骨折する怪我を負ってしまう。そこで待機していたローリーとマコがペントコストの反対を押し切り、回路がアナログ式のため電磁衝撃波の影響を受けないジプシー・デンジャーで出撃。このコンビでの実戦は初めてながら、怪獣を2体とも撃破することに成功する。
しかし喜ぶ間もなく、巨大なカテゴリー4の怪獣2体「ライジュウ」「スカナー」が出現。ペントコストは、残る2体のイェーガーで割れ目の破壊作戦を実行することを決断し、負傷したハークの代わりに自らがストライカー・エウレカに乗り込み、ハークの息子のチャックとペアで出撃する。2機が海底の割れ目に到着すると、さらに巨大な初のカテゴリー5となる怪獣「スラターン」も出現。また怪獣の死骸を調査した結果、割れ目を通り抜ける事ができるのは怪獣のみで機械や兵器などは不通であると判明した。ジプシー・デンジャーは右腕と右脚を損壊したもののライジュウの撃破に成功。一方のストライカー・エウレカはスラターンとの格闘で深刻なダメージを負ったため、ジプシー・デンジャーの道を切り開くべく、割れ目の破壊用に搭載されていた核爆弾を使用し、残る2体を巻き添えに自爆する。
スラターンは自爆攻撃にも耐え再び襲いかかるがジプシー・デンジャーはそれを倒し、スラターンの死骸を利用し異世界へと繋がる割れ目へと飛び込む。ゲートを破壊するための核兵器はストライカー・エウレカが使ってしまったため、ローリーたちはジプシー・デンジャーの原子炉を爆発させることにするが、手動で起爆しなければならず、ローリーは先にマコを脱出させて起爆スイッチを入れ、脱出ポッドに乗り込む。怪獣を操る異種族「プリカーサー」諸共、ゲートは計画通り破壊され、先に海上へと浮上してきたマコやPPDCの皆が見守る中、ローリーも無事帰還する。

スタッフ

監督:ギレルモ・デル・トロ
脚本:トラヴィス・ビーチャム,ギレルモ・デル・トロ
原案:トラヴィス・ビーチャム
製作:ジョン・ジャッシニ,メアリー・ペアレント,トーマス・タル
製作総指揮:カラム・グリーン
音楽:ラミン・ジャヴァディ
撮影:ギレルモ・ナヴァロ
編集:ピーター・アムンドソン
製作会社:レジェンダリー・ピクチャーズ
配給:ワーナー・ブラザース

キャスト

チャーリー・ハナム
菊地凛子
イドリス・エルバ
チャーリー・デイ
ロバート・カジンスキー
マックス・マーティーニ
ロン・パールマン
芦田愛菜
バーン・ゴーマン
クリフトン・コリンズ・Jr
ロバート・マイエ
ヘザー・ドークセン
ディエゴ・クラテンホフ

予告編

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