バタリアンは、1985年にアメリカで製作されたホラー映画で、笑いの要素を加えた元祖ゾンビ・コメディ。『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』へのオマージュが随所に見られ、ゾンビ映画好きにとって笑えるパロディが盛り込まれている。68年のジョージ・A・ロメロ作品Night of the Living Deadの脚本を書いたジョン・ルッソ、それにルディ・リッチ、ラッセル・スタイナーの原案に基づき、ダン・オバノンが脚色し、監督としてデビュー。撮影はジュールス・ブレンナー、音楽はマット・クリフォードが担当。アメリカでの題名はThe Return of the Living Dead。出演はクルー・ギャラガー、ジェームズ・カレンなど。
バタリアン 映画批評・評価・考察
バタリアン(Battalion、原題:The Return of the Living Dead)
脚本:39点
演技・演出:16点
撮影・美術:17点
編集:10点
音響・音楽:8点
合計90点
監督・脚本がエイリアン脚本のダン・オバノン、期待通り、面白い!ナイト・オブ・ザ・リビングデッドのパロディといっても、この作品の方が後のゾンビ映画やゲームへ(バイオハザード等)の影響は大きかった作品。タールマンやオバンバのキャラクターは画期的だった。
本作は、ゾンビ映画の礎的な作品である『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』のパロディとなっています。「ホラー映画」というジャンルに分類されていますが、コメディ要素が盛り込まれています。
邦題の「バタリアン(Battalion)」は、日本の配給会社の東宝東和による日本の独自もので、英語で「大隊」や「大群」の意味です。この映画タイトルを元に、「オバタリアン」という流行語も生ました。
本作においては“『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド』で描かれている出来事は事実だった”と設定されています。本シリーズのゾンビは、トライオキシン245という物質により死体が蘇生しゾンビ化するというもので、頭を破壊したり、燃やすことで撃退できるという従来の方法論は通用しない(ただし、作品によって微妙に設定が異なる)上に会話が可能であり、無線機を使用して人を誘き出すなどある程度の知能が残されているのが特徴です。
登場するゾンビにはそれぞれ個性があり、コールタール漬けにされていた「タールマン」、上半身だけの老女ゾンビ「オバンバ」など、そのキャラクター性が強く描かれています。
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バタリアン あらすじ(ネタバレ)
ケンタッキー州ルイヴィル。フレディはユニーダ医療会社で働くことになり、倉庫長のフランクに説明を受けた。フランクは、「Night of the Living Deadって映画を見たか?あれは実話なんだぜ」という。軍の細菌兵器が誤って死体を蘇生させ、しかもそのゾンビが秘密裡に処理される途中に移送ミスで、ここに運ばれたのだそうだ。地下室でフランクがゾンビの入ったケースを叩いてみせた時、突然ガスが吹き出した。一方、フレディの悪友たちは倉庫の隣りにある墓地で乱痴気パーティを始めた。ガスのために医学用の死体が雌った。
フランクの電話でかけつけた社長のバートは秘密裡に処理しようと映画の通り脳を破壊するが、死体は死なない。そこで火葬場をやってるアーニーに頼んで焼いてもらった。煙は空へのぼる。雨が降り出し煙は墓地の地面にしみこんでいき、死体が生き返り始める。
フランクとフレディの様子がおかしい。駆けつけた救急隊の診察では2人は血圧ゼロ、体温は室温と同じ、脈拍数もゼロ、つまり理論上は死人と同じであった。恋人フレディを迎えに倉庫に入ったティナは、蘇生した死人に襲われた。墓地でもゾンビが若者たちに襲いかかった。ゾンビの求めるのは人間の脳ミソ。しかも、ゾンビにくわれた者もゾンビになってしまう。ゾンビは救急隊員、警察官を襲い、その肉体をくいちぎる。火葬場にもゾンビがおし寄せ、フレディの仲間もやられ、そのフレディまでゾンビになって恋人のティナに迫ってきた。
バートは一縷の望みを託して、ゾンビの入れられていたケースに記されている電話番号を回した。国防省のグローヴァー大佐につながった。長年、この連絡を待っていた大佐はルイヴィルに核ミサイルを発射し、ゾンビを一掃するのだった。
バタリアン スタッフ
監督:ダン・オバノン
脚本:ダン・オバノン
製作:トム・フォックス
製作総指揮:ジョン・デイリー 、デレク・ギブソン
音楽:マット・クリフォード
撮影:ジュールス・ブレンナー
配給:東宝東和
バタリアン キャスト
バート:クルー・ギャラガー
フランク:ジェームズ・カレン
アーニー:ドン・カルファ
フレディ:トム・マシューズ
ティーナ:ビバリー・ランドルフ
チャック:ジョン・フィルビン
ケーシー:ジュエル・シェパード
スパイダー:ミゲル・ヌニェス
スクーズ:ブライアン・ペック
トラッシュ:リネア・クイグリー
スーサイド:マーク・ヴェンチュリニ
グローバー大佐:ジョナサン・テリー
大佐の妻:キャスリーン・コーデル
タールマン:アラン・トラウトマン,ロバート・ベネット