ドーベルマン 83点

オランダ出身の映像作家ヤン・クーネンがクエンティン・タランティーノに触発されてメガホンを取ったバイオレンス・コミック・アクション作品。
正気で撮った映画とは思えない。ものすごくぶっ飛んだ映像と演出音楽も素晴らしい
象徴的なのは、警察が赤ん坊を人質にし、ソニアを脅迫するシーン、ドラッグとSEXで完全にトランス状態になったところで警察の突入シーン、警官のヘルメットに手榴弾を放り込んで、頭を吹っ飛ばすシーンやクリスチーニ警視を自動車で顔面引き擦りにしたシーン。
あまりのクリスチーニ警視の非道ぶりから映画途中から善悪が逆転し、警察が悪、銀行強盗のドーベルマンが正義という感覚になってしまう。

今作品の共演後に、主演のヴァンサン・カッセルとモニカ・ベルッチが結婚している。

- この映画ができるまでの背景 -
欧米では銀行強盗犯は、悪人とはいえなぜか英雄扱いされることが多く、ジョン・デリンジャー、ジェシー・ジェイムスなど映画化もされている人もいるほど。日本で言う”ねずみ小僧”のように金持ちから金を奪って、貧乏人に還元する義賊のような場合、英雄扱いされることがある。
警察官=正義の味方ではなく、汚職の横行(腐敗者)や権力者の手先という面がある。
クエンティン・タランティーノが過激なバイオレンス映画の「パルプ・フィクション」でカンヌ映画祭パルム・ドールを受賞し、それに触発されたヤン・クーネンが表現の自由を爆発させたのが今作品。
主人公の仲間は、社会的マイノリティー達であり社会的弱者でもあるが、今作は獰猛な反社会的人物像で彼ら描くという大胆(鬼畜)さ。


ドーベルマン(原題:Dobermann)


脚本:30点
演技・演出:17点
撮影・美術:16点
編集:10点
音響・音楽:10点
合計83点

あらすじ

パリで連続強盗事件が発生。犯人はドーベルマン(演:ヴァンサン・カッセル)と名乗る男が率いる強盗団で、リーダーのドーベルマンことヤン・ルパントレックは生まれながらの強盗である。彼の仲間には、薬に溺れ常に殺人の衝動に駆られているムス(演:アントワーヌ・バズラー)、斧を振り回す犬好きの巨漢ピットビュル(演:チック・オルテガ)、聖書の中に手榴弾を携帯する神父(演:ドミニク・ベテンフェルド)、同性愛者で女装好きのドラッグクイーン・ソニア(演:ステファン・メツガー)、廃車回収業者でありマシンガンの使い手レオ(演:フランソワ・ラヴァンダル)、ヤンの恋人で爆弾の扱いに長けた聾唖の美女ナット(演:モニカ・ベルッチ)、狙撃の名手にしてナットの兄であるマニュ(演:ロマン・デュリス)など、多彩な顔ぶれが揃っていた。
鮮やかな手口で犯行を成功させる一味に対して、追い詰められた警察は目的の為には手段を選ばない非情なクリスチーニ警視(演:チェッキー・カリョ)をドーベルマン一味の壊滅作戦に登用する。

スタッフ

監督:ヤン・クーネン
脚本:ジョエル・ホーサン
製作:フレデリック・デュマ,エリック・ネーヴェ
音楽:スキゾマニアック
撮影:ミシェル・アマテュー
編集:ベネディクテ・ブルネット
配給:コムストック

キャスト

ヴァンサン・カッセル
チェッキー・カリョ
モニカ・ベルッチ
アントワーヌ・バズラー
ドミニク・ベテンフェルド
チック・オルテガ
ロマン・デュリス
フランソワ・ラヴァンダル
ステファン・メツガー
パトリック・ロッカ
マルク・デュレ
イヴァン・メラ=バルボフ
ローラン・アムステュツ

予告編

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