スキャナーズ 87点

スキャナーズ

1981年のカナダの映画。デヴィッド・クローネンバーグ監督・脚本によって超能力者達の闘いを描いた SFホラー映画。
レボック(演:マイケル・アイアンサイド)がスキャンによって相手の頭部を血しぶきを飛び散らせながら内側から破裂させるという斬新で残虐なシーンは多方面に衝撃を与え、日本での本作公開後に『AKIRA』(原作:大友克洋、1982年 – 1990年)や『北斗の拳』(原作:武論尊、作画:原哲夫、1983年 – 1988年)などの作品で同様の表現で相手を殺害するシーンが描かれている。

スキャナーズ 映画批評・備忘録


スキャナーズ(原題:Scanners)

脚本:37点
演技・演出:17点
撮影・美術:18点
編集:8点
音響・音楽:7点
合計87点


クローネンバーグの出世作で、ディック・スミスの特殊メイクは各方面で賞賛された。
ストーリー序盤の頭部を破裂させるシーンは、全世界に恐怖と衝撃を与え、公開後のさまざまな分野の作品に多大な影響を与えたのは有名な話。また、“カナダのジャック・ニコルソン”とも呼ばれたマイケル・アイアンサイドが、狂気に満ちた悪役を演じ、当たり役となった。能力を使う時の表情や鼻血、血管の膨張など細かな演出も超能力者を描く際の定番となった。当時と遜色なく新しさを感じられる作品なので若い人にも見てもらいたい作品。

スキャナーズとは?
スキャナーズとは、本作に登場する超能力者達の総称で、登場人物のルース博士曰く「生来の能力奇型で、 ESPの一種」「神経細胞をかく乱するテレパシーの持ち主」である。相手の神経系統と結合し行動や身体機能をコントロールすることが可能で、この事をスキャン(走査)するという。スキャンされた人間は鼻血が出るといった初期症状が見られる。スキャンすることにより相手の行動や自律神経系などのコントロールや、感覚器を混乱させ幻影や錯覚を見せることもできる。その他、発火やコンピュータをスキャンすることも可能。スキャナーはテレパシーによって相手の頭の中の考えが自分の頭の中に入ってくる感覚を覚え、しばしば混乱をきたす。その場合、エフェメロルという走査鎮静剤を注射で体内に投与すると一時的にテレパシーは止まる。
レボックがベイルに明かした話によると、1946年に発売された妊婦用睡眠薬(エフェメロル)が胎児に副作用を及ぼし、その結果突然変異でスキャナーが世に誕生した。この事実に興味を抱いたのが研究者のルース博士とコンセック社であり、発売前の実験段階でルース博士の妻に投与して生まれたのがレボックとベイルである。

ライプ計画 (Ripe Program) とは、生化学研究所で生産されたエフェメロルをコンセック社でコンピュータ管理し産婦人科医院に提供、秘密裏に妊婦に投与することでスキャナーを地下で増殖させる計画である。エフェメロルが発売された1946年以降相当数のスキャナーが誕生しているが、それ以前の実験段階で生まれたレボックとベイルは他のスキャナーを圧倒する力量の持ち主として描かれている。

上記のような設定も、様々な分野の作品に影響与えており、特撮や演出だけでなく、優れた脚本も評価されている。


スキャナーズ あらすじ

無口な放浪者ベイル(スティーヴン・ラック)は、ある日ショッピングセンターで客の食べ残したハンバーガーを食べているところを婦人客に蔑まれ、悪意の目で彼女を睨んだ。すると、女性はもがき苦しみだし卒倒してしまう。ベイルはコート姿の男達に麻酔銃を撃たれて捕まり、ある施設のベッドで目を覚ます。そこは要人警護の国際的警備保障会社コンセック社が設立した超能力者(スキャナー)の研究所で、研究者のルース博士(パトリック・マクグーハン)から、ベイル自身がスキャナーであると告げられ、スキャナー達を地下組織で集結させ世界征服を企てる破壊的スキャナーのレボック(マイケル・アイアンサイド)殺害を要請される。
レボックは、かつて混乱から自己破壊的になり自ら眉間に穴を開け、その傷跡が残っているのが特徴の男である。その後、更に破壊的になった彼はコンセック社のスキャナー公開実験に単身潜入し、その席上でレボックにスキャンを試みたスキャナーに対し、逆にスキャンし返して相手の頭部を内部から破裂させて吹き飛ばし、取り押さえにかかった銃装備の屈強なガードマン達をも次々と行動をコントロールして易々と現場から逃走し、他を圧倒する強大な力量を持つスキャナーであった。
ルース博士によってスキャナーとしての能力を覚醒させたベイルは、各地のスキャナー達に会いに出かけるが、レボックの意に従わない者には既に魔の手が伸びていた。レボックの手下によって続々とスキャナー達は殺害され、難を逃れたベイルは若い女性スキャナーのキム(ジェニファー・オニール)と逃走する。ベイルとキムの元へ現れた刺客が携帯していた薬物(エフェメロル)から、レボック追求の手がかりが生化学研究所にあると突き止めたベイルは工場に潜入する。そこではレボック指揮のもとコンピュータ管理で大量のエフェメロルが生産され、コンセック社とつながりがあることを知る。キムと共にコンセック社へ駆けつけたベイルはルース博士にその事を語りコンセック社の中に裏切り者がいると告げるのだが、ルース博士は裏切り者によって銃殺される。コンセック社からも命を狙われるはめになった2人は逃走し、公衆電話から電話回線を通じてコンセック社のコンピュータをスキャンしてシステムの破壊に成功したものの、突如現れたレボックによって捕獲されてしまう。
レボックの拠点で「レボックはベイルの兄である」ことと「ルース博士は2人の父親で、スキャナーを生み出した張本人である」ことを告げられたベイルは共闘を持ちかけられるが、これを拒否。共闘を断念し、ベイルをスキャンして己の身体に取り込もうとするレボックとの間で壮絶なスキャン対決が展開される。目を覚ましベイルを捜すキムが見たものは、苦悶の表情を浮かべながら横たわる灰と化した一体の焼死体であった。呆然とするキムに部屋の隅で外套に身を包む男から声がかかる。外套を取ったその男の姿は眉間の傷が消えたレボックで、その男は「僕達は勝ったんだ」と訝しがるキムに語るのだった。

スキャナーズ スタッフ

監督、脚本:デヴィッド・クローネンバーグ
製作総指揮:ピエール・デヴィッドヴィクター・ソルニッキ
製作:クロード・エロー
撮影:マーク・アーウィン
特撮:ゲイリー・ゼラー
特殊メイク:ディック・スミス
音楽:ハワード・ショア

スキャナーズ キャスト

スティーヴン・ラック
ジェニファー・オニール
マイケル・アイアンサイド
パトリック・マクグーハン
ローレンス・デイン
ロバート・シルヴァーマン

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