シルミドは、2003年公開の韓国映画。1971年に韓国政府が極秘に進めた、朝鮮民主主義人民共和国の金日成首相暗殺計画と、それにかかわった韓国の北派工作員部隊(684部隊)の実話を基にした映画。映画の製作を妨げる動きもあったとされ、この映画の反響を見た韓国政府は2005年1月に事件の真相追及を決定した。韓国では「映画が国を動かした」として再び反響を呼んだ。
シルミド 映画批評・評価・考察
シルミド
脚本:25点
演技・演出:14点
撮影・美術:12点
編集:7点
音響・音楽:7点
合計65点
ここ最近でいう斬首作戦(金正恩だけを暗殺する作戦)のような作戦を実行しようと組織を組んだけど、国政が変わり実行部隊の存在を闇に葬ろうしたのが今作の主な内容。いろんなレビューで絶賛されているわりに、感動なんて気持ちは湧き起らず、犯罪者集団の末路がどうなったかっていう視点で見てしまっている自分がいて、なんかカイジを見ているようだった。准尉(隊長)と主人公を含む班長役の登場人物に多少の感情移入ができるものの後は、基本的に兵士達がクズすぎるなぁ~と、脱走して即強姦とかドン引きですよ!准尉(隊長)の最終的な決断も、全滅への舵取りを切っちゃってて、隊長それはアカン決断やと思った。
結局この映画に登場した部隊がやったことは、民間人を強姦し、民間人を巻き込んだバスジャックだけが残るんです。2003年12月に韓国で上映されると「長らく社会から封印されてきた歴史の事実が明かされた」として反響を呼び、過去の記録を塗り替える1000万人以上の観客動員数を記録したそうなんですけど、見ないといけない風潮が蔓延した結果で、作品の内容と比例した結果ではなかったんではないかと。。。
2005年12月に韓国国防省が発表した調査結果によると、部隊は青瓦台襲撃未遂事件に対する報復計画の実行部隊・684部隊として編成された。31人で編成された部隊は、仁川沖の実尾島で訓練を行ったが、訓練中の事故で7人が死亡した。1971年8月23日、残りの隊員が実尾島を脱出し、乗っ取ったバスでソウルに向かったが、韓国正規軍との銃撃戦になり手榴弾でバスごと自爆した。生存者は6人だったが空軍の病院で2人が死亡、4人が処刑された。
映画では重犯罪人や死刑囚が特赦と引き換えに隊員として動員されたように描かれているが、実際には特別に高額な報酬に惹かれて応募した一般人が大半であった。映画では大道芸人団の団員、実家が漢方薬店のメンバー、ひき逃げのバス運転手、偽僧侶、スリ、闇商人、編物機械工、屋台商人、おかま、ボクシング選手、クラブの歌手、調理師、果実園の作業員、医者、占い師、浮浪者、強姦犯などがメンバーであった。また、女性に対する暴行シーンが不適切であるなど遺族からクレームがあった。部隊の創設はKCIAの指示によるものであり、実際の管理運営は空軍が担当した。正式な部隊名は空軍2325戦隊209派遣隊。映画では乗っ取ったバスの運転手は銃撃戦になったとき弾があたり負傷したが、実際の乗っ取りの際には運転手は逃げ出していた。バスの中で『赤旗の歌』を歌うシーンがあるが実際は歌っていない。
シルミド あらすじ(ネタバレ)
1968年4月、インチョン沖に浮かぶ無人島シルミドに、死刑囚など重罪を犯した31人の男たちが極秘に集められた。彼らは韓国政府により684部隊の訓練兵という身分を与えられ、北朝鮮の金日成暗殺のための特殊部隊に仕立て上げられることに。隊長のチェ・ジェヒョン(アン・ソンギ)の指導の下、壮絶な特訓を課せられる31人。
苛酷な日々の中、第3班班長となったインチャン(ソル・ギョング)は、第1班班長のサンピル(チョン・ジェヨン)とボクシングの試合で対戦、激しい打ち合いの末、勝利する。負けを認めないサンピルはインチャンにさらに喧嘩を吹っかけるが、これをきっかけに二人の間に信頼関係が生まれていく。
一方、訓練は日ごとに厳しさを増し、インチャンの班員が転落死するにも至った。かくして3年以上が経過。いよいよ実行の時が近づくが、しかし直前になって、南北融和の気運が高まり外交路線を急遽変更した韓国政府は、中止命令を下した。今や国にとって邪魔になった684部隊の存在を隠蔽しようと、政府はジェヒョンに訓練兵の抹殺を命じる。悩んだ彼は、抹殺に反対する部下チョ(ホ・ジュノ)の出張中に粛正を行なおうとする。
しかしジェヒョンの特別な計らいで抹殺計画を知ったインチャンは、サンピルたちと相談し、一致団結。訓練兵たちは銃を手に取り蜂起して、指揮官たちと激しい銃撃戦を繰り広げ、ジェヒョンはすべての責任をとって自殺する。
激戦の末に島を脱出した彼らはバスを乗っ取り、ソウルの中心の青瓦台へと向かう。そして手榴弾で全員、バスごと自爆するのだった。
シルミド スタッフ
監督:康祐碩(カン・ウソク)
脚本:キム・ヒジェ
製作:シネマ・サービス
音楽:チェ・ヨンソク,ハン・ジェグオン
撮影:キム・ソンボク
配給:東映
シルミド キャスト
チェ・ジェヒョン(韓国空軍准尉):アン・ソンギ
カン・インチャン(684部隊第3班長):ソル・ギョング
チョ2曹(韓国空軍兵):ホ・ジュノ
ハン・サンピル(684部隊第1班長):チョン・ジェヨン
ウォニ(684部隊第1班員):イム・ウォニ
チョ・クンジェ(684部隊第2班長):カン・シニル
パク2曹(韓国空軍兵):イ・ジョンホン
チャンソク(684部隊炊事係):カン・ソンジン
ウォンサン(684部隊隊員):オム・テウン