シュリ 92点

シュリ

この映画が公開され、韓国映画がすごい!と話題を呼ぶ。思えば、この映画を皮切りに次々と韓国映画が国内で上映されるようになったように思う。シュリは、分断された祖国が背景にあるため語らずともリアルであり、現在の北朝鮮を見る限りでも映画に登場する工作員が存在しても全く不思議ではない。カン・ジェギュ監督がすごいと思えるのは、北朝鮮VS韓国という構図の描き方ではなく、それぞれ分断された国家に属す同じ朝鮮人同士の悲運という形で描いていること。そして分断国家の男女の悲恋の物語を中心に描くことで、国内外を問わず共感できる普遍的な表現に成功している。

※韓国では1999年2月13日に公開され、韓国国内で観客動員数621万人(うちソウルで244万人)という当時の記録を樹立、一種の社会現象を巻き起こした。日本では、1999年秋の東京国際映画祭にて主演のハン・ソッキュの舞台挨拶つきで渋谷公会堂で上映されたのち、2000年1月22日に公開され18億円の興行収入をあげた。

※カン・ジェギュ監督の考え方についての興味深い話。

監督のカン・シュギュは「既存の韓国映画の銃撃戦の限界を我々はよく知っていた。それをどう克服するのか」とし、「『シュリ』で視覚的に楽しめるような銃撃戦を作り観客に満足してもらえるのかが課題だった」と語っている。劇中で使われたステージガンは、アメリカのGIBBONS社から取り寄せたものである。一部は東京マルイなど日本のモデルガンメーカーのものも使用されている。貸与料の2万ドルは製作費のウェイトを大きく占めたが、質感を高めるために実行に踏み切ったとプロデューサーのピョン・ムリムは語っている。
芸能ジャーナリストの麻生香太郎は、2005年に韓国でカンと会食した時、「日本人である私たちは、いつまで(過去の戦争にまつわることに関して)謝り続ければ、韓国の人たちは許してくれるのですか?」と質問したという。これに対してカンは、「ボクたち若い世代は、現代の日本の人たちに何の悪感情も抱いていません。友達も多いし、みないい人たちばかりだと思います。ただ韓国は儒教の国です。年長の人には無条件で従うのが美徳とされています。韓国の年寄りには、戦争中、痛めつけられた記憶に苦しむ人もまだ多いのです。彼らは朝鮮語を禁じられ、日本語の教科書で勉強させられ、神社や鳥居を建てた場所で信仰を強制させられました。そんな祖父、祖母たちが『日本の過去の過ちを許してはならない』というのです。私たちはその教えを守り、実践しなければ、親孝行とはいえません。親孝行こそが儒教の根本の教えだからです。その辺をどうかご理解ください」と答えたという。

シュリ(英題:Shiri)


脚本:38点
演技・演出:18点
撮影・美術:18点
編集:9点
音響・音楽:9点
合計92点

あらすじ

秘密情報機関OPの特殊要員ユ・ジュンウォン(演:ハン・ソッキュ)とイ・ジャンギル(演:ソン・ガンホ)は、最近相次ぐ要人暗殺事件の捜査中である。彼らに情報を提供する予定であった武器密売商が射殺されることによって、ジュンウォンはこの事件に北朝鮮の特殊第8軍団が関係している事を知る。そして、ジュンウォンとジャンギルは暗殺犯の行跡を追跡する中で、特殊第8軍団が国防科学技術研究所の開発した新素材液体爆弾CTXを奪取しようと画策していることが分かった。彼らはCTXの移送現場に急行するが、現場に着いたときには、既にCTXが強奪された後であった。おまけに、武器密売商と関係が有ったと思われる国防科学研究所の主任も殺される。ジュンウォンはその奪取犯がかつて航空機テロ鎮圧作戦の際にすれ違ったことのある、パク・ムヨン(演:チェ・ミンシク)が率いる特殊第8軍団の工作員チームであることに気が付く。
CTXの恐ろしい破壊力でOPは非常事態に突入するが、特殊第8軍団の目標が一体なんであるかは分かってはいない。ムヨンの行跡を追っていたジュンウォンとジャンギルは何回も目の前で敵を逃してしまい、OP内部から情報が漏れていることに気が付く。
一体誰が裏切り者であるか。どこから情報が漏れているのか。それは意外なところからであった。

スタッフ

監督:カン・ジェギュ
脚本:カン・ジェギュ
製作:イ・グァナクピョン・ムリム
音楽:イ・ドンジュン
撮影:キム・ソンボク
編集:パク・コクチ
配給:シネカノンアミューズ

キャスト

ハン・ソッキュ
キム・ユンジン
チェ・ミンシク
ソン・ガンホ
パク・ヨンウ
キム・スロ

予告編

商品情報