ザ・ロックは、1996年のアメリカ合衆国の映画。ジェリー・ブラッカイマー、マイケル・ベイのコンビによるアクション映画でアメリカ海兵隊員の英雄が起こしたテロ事件との攻防を描いている。アーノルド・シュワルツェネッガーはオファーを断ったことを後悔している映画として、本作を挙げている。
ザ・ロック 映画批評・評価・考察
ザ・ロック(原題:The Rock)
脚本:38点
演技・演出:18点
撮影・美術:17点
編集:10点
音響・音楽:10点
合計93点
ニコラス・ケイジ、ショーン・コネリー、エド・ハリス、トニー・トッド、マイケル・ビーンと名優揃いだが、それぞれの俳優が与えたられた役割をほぼ完ぺきに演じ切っていて作品に魂を与えています。マイケル・ベイ(ベイ・ヘム)は分かりやすい演出が多く薄ぺっらいものになりかねないのですが、俳優が持ち味を生かして味のある個性を持った人物像を築いています。それに加えて作品を盛り上げる音楽が素晴らしかったです!マイケル・ビーンのNavy SEALs役で出演は、恐らく1990年のチャーリー・シーン、マイケル・ビーン出演『ネイビー・シールズ』のオマージュ的要素に思えます。この映画の演出面で今作の影響が明らかに見受けられます。
ベイ・ヘムとは、マイケル・ベイ監督作品の現実では有り得ないような演出・展開を造語で表現しています。
作品の特徴として下記のものが挙げられる。
・斬新でスタイリッシュな映像
・テンポがよく、大胆な物語
・ド迫力のアクション(全ての監督作品にアクションが盛り込まれている)
・1つの作品に5回以上のハプニング
・戦う男たちの描写
・車のCMを手がけており、それらの演出が映画でも活かされていて、スティーヴン・スピルバーグをして「車をカッコよく撮らせたら彼の右に出る者はいない」と言わしめた(ほとんどの監督作でカーチェイスバトルが盛り込まれている)
・映像の色彩表現がカラフル
・カメラアングルが過剰なまでに動き回る演出で「画面酔い」を引き起こす観客が多く、「カメラが動きすぎ」という意見があるが、カメラアングルがよく動く作品は『バッド・ボーイズ2バッド』と『トランスフォーマー』のみ
・米軍が頻繁に登場し、実際の基地や兵士を使って撮影を行うことも多い。作中で軍を格好良く描くことが多いため、撮影許可が下りやすいという。
ザ・ロック あらすじ(ネタバレ)
アメリカ海兵隊武装偵察部隊の伝説的英雄、フランシス・X・ハメル准将(エド・ハリス)は、政府に強い怒りを感じていた。かつて非合法作戦に従事していたハメルの部下たちは、敵に包囲された末に救援も得られずに見殺しにされ、その事実は公表されず、勲章も授与されなければ遺族への恩給や賠償金も支払われず、葬儀もされていない。そしてこうした問題に対する自らの訴えにも、下院議会や政府はまったく耳を傾けなかった。
ハメルは、ついに14人の部下と共に化学兵器VXガスの奪取という実力行使にでる。そしてザ・ロックと呼ばれるかつての刑務所島、アルカトラズ島に観光客・ガイド計81人を人質にとって立てこもったうえ、遺族へ渡す補償金の原資として現金1億ドルを要求。これが受け入れられない場合は、VXガスを積んだロケットをサンフランシスコに撃ち込むとアメリカ国防総省を脅迫する。実行されればサンフランシスコは壊滅する。
FBI長官は特別捜査官で化学兵器のスペシャリスト、スタンリー・グッドスピード(ニコラス・ケイジ)に、アメリカ海軍特殊部隊SEALsへ同行して島に潜入し、毒ガスを処理するよう命じる。しかし、ザ・ロックに潜入するためには、二つの重警備刑務所およびアルカトラズ島から唯一脱獄し、現在は刑務所に幽閉中の元イギリス情報局秘密情報部部員・兼SAS大尉、ジョン・パトリック・メイソン(ショーン・コネリー)の協力が必要だった。FBIに陥れられた過去を持つメイソンは当初協力を拒んで逃走をはかるが、グッドスピードは度重なるやり取りの中でなんとかメイソンの信頼を勝ち取り、2人はSEALsと共にザ・ロックへと潜入する。
作戦が決行され、Navy SEALsは水中からの潜入に成功する。しかし待ち伏せしていた海兵隊員たちに包囲され降伏を迫られるが、SEALs隊長のアンダーソン中佐はこれを拒否、銃撃戦の末SEALs隊員は全滅する。生き残ったグットスピードとメイソンは、たった2人で海兵隊員と戦いながらVXガスの無効化に挑む。
潜入部隊が全滅したと判断したウォマックは、アルカトラズ島への空爆を大統領に要請する。多くの人質を殺すことになるが、サンフランシスコを守るため、大統領は苦渋の選択の末、空爆を許可する。一方、空爆を悟った海兵隊員たちはVXガスミサイルを発射しようとするが、本気でテロを行うつもりがなかったハメルはこれを許可せず、海兵隊員と同士討ちの銃撃戦となり部下に撃ち殺されてしまう。空母から発艦したF/A-18戦闘機がアルカトラズを空爆する直前、生き残った海兵隊員をメイソンが殲滅し、VXガスの無効化に成功したグットスピードが発煙筒を上げ空爆は中止された。
後日、グッドスピードは平和な街中で事件後に消息を絶ったメイソンと密かに会う。メイソンはJFK暗殺の証拠などの国家機密を収めたフィルムをグッドスピードに手渡し、どこかへと消えて行った。
ザ・ロック スタッフ
監督:マイケル・ベイ
脚本:デヴィッド・ウェイスバーグ,ダグラス・S・クック,マーク・ロスナー,クエンティン・タランティーノ (リライトクレジットなし)
製作:ドン・シンプソン,ジェリー・ブラッカイマー
製作総指揮:ウィリアム・スチュアート,ショーン・コネリー,ルイス・A・ストローラー
音楽:ニック・グレニー=スミス,ハンス・ジマー,ハリー・グレッグソン=ウィリアムズ
撮影:ジョン・シュワルツマン
編集:リチャード・フランシス=ブルース
製作会社:ジェリー・ブラッカイマー・フィルムズ
配給:ブエナ・ビスタ・ピクチャーズ
ザ・ロック キャスト
ジョン・パトリック・メイソン:ショーン・コネリー
スタンリー・グッドスピード:ニコラス・ケイジ
“フランク”フランシス・X・ハメル准将:エド・ハリス
ジェームズ・ウォマックFBI長官:ジョン・スペンサー
アーネスト・パクストンFBIサンフランシスコ支局長:ウィリアム・フォーサイス
トム・バクスター少佐:デヴィッド・モース
チャールズ・アンダーソン中佐:マイケル・ビーン
ロンナー:ザンダー・バークレー
リン博士:デイビット・ボウ
カーラ:ヴァネッサ・マーシル
ジェイド・アンジェルー:クレア・フォーラニ
F/A-18パイロット:ジェームズ・カヴィーゼル
ヘンドリックス大尉:ジョン・C・マッギンリー
ポール・ザ・ホテル・バーバー:アンソニー・クラーク
ダロウ大尉:トニー・トッド
クリスプ軍曹:ボキーム・ウッドバイン
シェパード:ダニー・ヌッチ
マッコイ:スティーヴ・ハリス
ロジャース軍曹:レイモンド・クルス
レイガート隊員:マーシャル・R・ティーグ
連邦最高裁長官:フィリップ・ベイカー・ホール
アル・クレイマー大将:スチュアート・ウィルソン