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ザ・グリード|90分で3000人。喰って、喰って、喰いまくれ!未知の深海生物との死闘を描く!

ザ・グリード
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ザ・グリードは、1998年公開のアメリカ合衆国の映画。豪華客船を舞台に未知の深海生物との死闘を描いたSFXアクション・アドベンチャー。クリーチャーデザインは「トータル・リコール」でアカデミー視覚効果賞を獲得したロブ・ボッティン。視覚効果は「アビス」のドリームクエスト・イメージズ社と「ディープ・インパクト」のインダストリアル・ライト・アンド・マジック社が担当。

ザ・グリード 映画批評・評価・考察


ザ・グリード (原題:Deep Rising)

脚本:35点
演技・演出:15点
撮影・美術:15点
編集:8点
音響・音楽:7点
合計80点

公開された1998年当時のキャッチコピーは「『タイタニック』を上回るスペクタクル、『ダイ・ハード』を凌駕する銃撃戦、『スピード2』を超える疾走感、『エイリアン4』を凌ぐタフで美貌のヒロイン、そして『GODZILLA』を超越した恐怖のモンスター!90分で3000人、喰って喰って喰いまくれ!」という名作映画をネタにしたもので、実際この映画は面白い作品だった。

ただし、B級ホラー・モンスター・パニック・アクションのテイストで、ハラハラ・ドキドキ感は抜群なものの、ところどころにマニアックなB級エッセンスを配合してくれている作品です。キャストも個性的で主役脇役問わず印象派なので演出も多彩で面白い(グロい)シーンがたくさん見れます。

 

ザ・グリード あらすじ(ネタバレ)

3000人を乗せた豪華客船アルゴノーティカ号は南シナ海を航海中、船内のシステム制御室に侵入した“何者か”の手により突如航行不能に陥ってしまう。その直後、船は海中より現れた謎の巨大未確認生物に襲われ、大勢の乗客と乗組員は瞬く間に船内からその痕跡を消した。
同じ頃、密輸業者のジョン・フィネガンら一行の乗った密輸船サイパン号は、依頼主である武装した傭兵グループと、重火器などの積荷を乗せて現場付近の海域を航行していたが、不運にも暴風雨の海上を漂流していたモーターボートと衝突し、船体に大きな損傷を負ってしまう。突然のアクシデントに立ち往生したフィネガンたちは、やがて近隣の海上で偶然にもアルゴノーティカ号を発見するが、その直後にサイパン号は同乗していた傭兵たちに乗っ取られてしまう。彼らはアルゴノーティカ号のシージャックを目論んでいたのだ。やむなくフィネガンたちは傭兵たちに従い、共にアルゴノーティカ号へと乗り込む。
ところが、3000名の乗客がいるはずの船内には全く人影がなく、唯一の生存者は船長と船主、そして金庫に忍び込んだとして捕まった美女の3人のみ。生存者の話では、巨大な怪物が襲ってきて皆殺しにされたという。実はアルゴノーティカ号は建造に巨額の費用がかかり、オーナーは破産寸前で、窮余の策として傭兵たちに客船を沈没させ、保険金をせしめ船の金庫を襲わせる計画だったのだ。だが、巨大怪物の出現で何もかもがメチャクチャになってしまった。怪物は何本にも枝分かれした触手で船内の狭い通路を猛スピードで突進し、船体を壊しながら1人、また1人と餌食にしていく。かくして、船の爆破で怪物を倒したフィネガンとトリリアンは危機一髪で脱出した。

怪物(オクタクルス)について

劇中でアルゴノーティカ号を襲った謎の巨大海洋生物。当初は古代の深海に生息する異常進化したワーム類の一種と思われていたが、実際には、鋭い牙の並ぶ大きな口と、青い2つの眼を持つ本体から無数の触手を生やした、巨大なタコのような姿であり、その正体は約8億年前のカンブリア紀から生き延びて来た古代生物が、環境破壊による生態系の崩壊によって突然変異を起こした、獰猛な大型海洋生物である。食性は肉食で、好物は主に人間と海洋生物で、触手を縦横無尽に伸ばして獲物を捕える。触手の先端には獲物を捕らえるための鋭い歯と口があり、獲物を生きたまま丸呑みにして栄養源とする。なお、触手自体は視覚を一切持たず、獲物の立てるかすかな音を頼りに狩りを行い、逃げる獲物を巧妙にたぐり寄せる。その姿だけを見ると、最も似通っている生物としては軟体動物のバンパイア・スクイードが挙げられる。また劇中ではフィネガンが魚が入った瓶を開けるタコのたとえ話をするなど全体的なモチーフはタコとされる。

普段は南シナ海の海底に生息しているが、空腹になると餌を求めて海面に浮上し、獲物を捕食する。人間のことは900年以上も前から襲い続けているらしく、住処に破壊された無数の沈没船や散らばっている魚の骨がオープニングで確認できる。

弱点は火であり、劇中では傭兵たちが使った手榴弾により触手は撃破され、また本体はアルゴノーティカ号が爆発した際に生じた熱により全身の皮膚が一瞬にして焼けただれ、さらに本体自身が爆発四散し死亡した。銃器類では、触手を攻撃することによって、怯ませたり、撃破することは可能であるが本体にダメージを与えられない。銃で本体にダメージを与えるには急所である本体の眼球を銃撃するしかない。

なお、タイトル及びオクタルスの通称となっている「グリード」は日本語に訳すと「食欲・食す・貪欲・強欲」を意味する。

ザ・グリード スタッフ

監督・脚本:スティーヴン・ソマーズ
総製作指揮:バリー・ベルナルディ
製作:ローレンス・マーク,ジョン・バルデッチ
音楽:ジェリー・ゴールドスミス
編集:ジョン・ライト,ボブ・ダクセイ
撮影:ハワード・アサートン
配給:ハリウッド・ピクチャーズ,東宝東和

ザ・グリード キャスト

ジョン・フィネガントリート・ウィリアムズ
密輸船サイパン号の船長で密輸業者。ハノーバー率いる傭兵グループに雇われ、彼らを指定の海域へと運ぶが、やがて本当の目的を知らないまま船を乗っ取られ、アルゴノーティカ号のシージャック計画に巻き込まれる。口癖は「お次はなんだ?」。

トリリアン・セント・ジェームズファムケ・ヤンセン
アルゴノーティカ号に乗客として忍び込んでいた女スリ。金庫へ盗みに入っていたところをキャントンとアサートンに発見され、身柄を拘束されていた。なおキャントンによれば、容疑は主に窃盗、強盗、公文書偽造、殺人未遂(本人曰く「元の彼氏」とのこと)などで、罪暦は逮捕6回、有罪5回。4か国から国際指名手配中である。

サイモン・キャントンアンソニー・ヒールド
豪華客船アルゴノーティカ号の船主。全財産を投じて自身の夢であった船を手に入れたが、建造費と維持費が大幅にかさみ、資金繰りに苦しんだことから、保険金目的でアルゴノーティカ号のシージャック計画を画策する。乗客たちを殺すほど冷酷じゃないと自称していたが、地図を持っていたモリガンがいなくなった途端一行を裏切って嘘の道を教え、自分1人で逃げ出そうとする。

ジョーイ・パントゥーチケヴィン・J・オコナー
サイパン号の乗組員で整備士。フィネガンの相棒。レイラとは両想いの仲にあり、彼女の死を知った際は作業を行いながらすすり泣いた。傭兵たちの積荷を勝手に物色するなど手癖が悪い。戦闘能力は皆無で、M1L1の反動を抑えきれないどころか撃ち方すらわかっておらず、グレネードを起動しないまま投げてしまいハノーバーに間抜け呼ばわりされた。

ハノーバーウェス・ステュディ
傭兵グループのリーダー。キャントンとの裏取引でアルゴノーティカ号のシージャックを実行する。無骨で冷酷な性格。最初はマムーリとT・レイを殺したのはフィネガンだと疑っていたが、怪物の襲撃に際し足元に落ちていた銃をフィネガンに渡すなど、状況に応じて臨機応変に対応できる。その一方、怪物から逃れるためにパントゥーチを犠牲にしようとする冷酷な一面もある。

H・W・アサートン(船長)デリック・オコナー
アルゴノーティカ号の船長。作中で唯一犯罪に一切手を染めていない主要人物。キャントンが保険金目当てでシージャックを企んでいたことを知った時は、彼に激怒していた。

モリガンジェイソン・フレミング
傭兵。電子機器の操作担当で小心者。メイソンがやられた際には取り乱し、厨房に立て籠ることを提案。出ていこうとするフィネガンとハノーバーに銃を向けてまで止めようとするが、フィネガンによりタコがコルクを開けてビンの中の魚を取り出す例え話を交えて説得される。

メイソンクリフトン・パウエル
黒人の傭兵。仕切り屋でグループのサブリーダー的存在。気性が荒く、荷物を覗いたパントゥーチの殺害にいち早く賛成していた。今まで怖いもの知らずで生きていたらしく、怪物に襲撃されてからは「生まれて初めてブルってる」と恐怖していることを吐露した。

マムーリクリフ・カーティス
傭兵。女とセックスすることしか頭にない好色家。

T・レイ・ジョーンズトレヴァー・ゴダード
オーストラリア出身の傭兵。怪力の持ち主で短気な性格だが、船酔いには弱い。傭兵グループで唯一フルネームが明かされている。船内に気配を感じて単独行動するが、怪物の姿に戸惑っている間に引きずり込まれて捕食される。傭兵グループ最初の犠牲者。

ヴィーヴォジャイモン・フンスー
黒人の傭兵。強欲な守銭奴でゲテモノグルメが大好物。発破担当で爆薬の扱いに精通している。金庫を開けた際、怪物と間違えたキャントンに斧で頭部を斬り割られて死亡する。

レイラウナ・デーモン
サイパン号の女性乗組員で航海士。韓国系の出身でパントゥーチの恋人。傭兵たちにリンチされるパントゥーチを助けようとしないフィネガンに物申すなど強気な性格。

ビリークリント・カーティス
傭兵。愛煙家でバックアップ兼雑務担当。レイラと共にサイパン号に残っていたが、直接的な描写はないものの怪物に捕食される。その後、フィネガンたちの前に現れた怪物が銃撃を受けたことで、左側頭部から脳が丸見えになり、右手に穴が空いた消化途中の悲惨な状態で吐き出され、激痛で絶叫しながらフィネガンたちの目の前で死亡する。

船員(通信責任者)リンデン・バンクス
船員(レーダー技師)ワーレン・タケウチ
乗客(トイレで犠牲になる女性):リアン・アダチ

製作前のキャストでは、フィネガン役にハリソン・フォード、トリリアン役にクレア・フォーラニが予定されていました。

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