サバイバルファミリーは、2017年公開の日本映画。ある日突然訪れた原因不明の電気消滅により廃墟寸前となった東京を脱出した一家のサバイバルコメディ。2002年から構想を温め、2003年に起きた北アメリカ大停電にヒントを得て作られた。セットやCGを一切使わないオールロケーション撮影が行われ、その撮影地は仙台市や山口県を中心に大阪、神戸、静岡、千葉、横浜、羽田空港など国内各地に及び、ロケ隊の総移動距離は約1万キロを突破した。
サバイバルファミリー 映画批評・評価・考察
サバイバルファミリー
脚本:32点
演技・演出:16点
撮影・美術:15点
編集:8点
音響・音楽:7点
合計78点
見る前はリアリティがない映画だと思ってましたが、見た後は、コメディ映画にしてはリアルかも?と思いました。世界同時大停電で電子機器が全く使えなくなった状況をコミカルに描いた作品なのですが、同じシチュエーションの海外の映画だったら犯罪アクション映画になってしまいそうですが、これまでの日本の大災害の状況を考えると、この映画で描かれるような家族が多いような気もしています。電子機器が完全停止したら、例えば、航空機は墜落するし、病院の人工呼吸器が停止するし、原発や防衛システムなど大きな問題が起こりそうですが、今作はそれを描くのではなく、あくまでも日常生活が不便になってしまう話に止めています。
この映画のアイデア元である、2003年の北米大停電の話なのですが、友人がちょうどその時カナダで生活していて、大停電で凍死しそうになったエピソードがありました。なぜ凍死しそうになったかというと、冬で氷点下10数度になるときに長時間停電すると暖房ができなくなるからでした。そこで友人は、ご近所の暖炉のある家に逃れて助かったという話でした。それ以降友人は、いつ停電するか分からないので、暖炉がある家に必ず住むようになったそうです。これは、日本でも寒いエリアは気に留めておく必要がある出来事だと思います。この映画で、描かれている内容はまさにこのようなエピソードの集まりで、あたりまえの事ができなくなった時に何が必要かということです。カナダの友人が助かったのは暖炉がある家の隣人(老婦人)が受け入れてくれたことで助かっています。この映画でも知恵者の大切さと人とのつながりを描いた作品です。一見リアリティがないようですが、最も重要なことを描いています。
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サバイバルファミリー あらすじ
東京に暮らす平凡な一家、鈴木家。さえないお父さん(小日向文世)、天然なお母さん(深津絵里)、無口な息子(泉澤祐希)、スマホがすべての娘(葵わかな)。一緒にいるのになんだかバラバラな、ありふれた家族…。
そんな鈴木家に、ある朝突然、緊急事態発生! テレビや冷蔵庫、スマホにパソコンといった電化製品ばかりか、電車、自動車、ガス、水道、乾電池にいたるまで電気を必要とするすべてのものが完全にストップ!ただの停電かと思っていたけれど、どうもそうじゃない。次の日も、その次の日も、1週間たっても電気は戻らない…。情報も断絶された中、突然訪れた超不自由生活。
そんな中、父が一世一代の大決断を下す。
≪東京から脱出する!!≫
家族を待ち受けていたのは、減っていく食料、1本2,500円まで高騰する水、慣れない野宿。高速道路は車ではなく徒歩で移動する人でいっぱい、トンネルは真っ暗すぎて、一歩も進めない。しまいには食糧確保のために、必死で野ブタを追いかけることに…!?
一家は時にぶつかり合いながらも、必死で前へと進むが、さらなる困難が次々と襲いかかる!!
果たして、サバイバル能力ゼロの平凡一家は電気がなくなった世界で生き延びることができるのか!?
今、鈴木家のサバイバルライフの幕があがる!!
サバイバルファミリー スタッフ
原案・脚本・監督 : 矢口史靖
主題歌 : 「Hard Times Come Again No More」
歌 : SHANTI
編曲・プロデュース : ミッキー吉野
音楽 : 野村卓史
ストリングスアレンジ:足本憲治
脚本協力 : 矢口純子
撮影 : 葛西誉仁
音響効果 : 岡瀬晶彦
編集 : 宮島竜治
VFXスーパーバイザー : 石井教雄
スタントコーディネーター : 辻井啓伺,出口正義,森崎えいじ
特殊メイク : 中田彰輝
操演 : 上田健一
スタジオ : 日活撮影所
ラボ : IMAGICA
企画協力 : ファザーズコーポレーション
企画 : 臼井裕詞,上田太地,小島伸夫,小形雄二
プロデューサー : 小川英洋,土本貴生,堀川慎太郎
製作 : フジテレビジョン,東宝,電通,アルタミラピクチャーズ
企画・製作プロダクション : アルタミラピクチャーズ
配給 : 東宝
サバイバルファミリー キャスト
鈴木 義之:小日向文世
会社員。原因不明の停電に困り果て一家で東京を脱出することを決断する。性根は家族想いだが、年頃の子供達と仕事へのストレスのせいか自己中心的な言動が多い。外出の際は鬘を被っている。
鈴木 光恵:深津絵里
義之の妻。ごく普通の専業主婦。魚を捌くことができない。マイペースで天然気味だが、交渉上手な一面もある。
鈴木 賢司:泉澤祐希
義之・光恵の息子。大学2年生。いつも音楽を聴いており、家庭や両親のことには無関心。大学へは自転車で通学している。
パソコンや工学系の知識に多少精通しており、道中ではパンクした自転車の修理などを都度行なっている。学友の中村里美に片思いしている。
鈴木 結衣:葵わかな
義之・光恵の娘。高校1年生。スマートフォン依存症で片時も手放せないが、友人とのメッセージのやり取りに疲れを感じている。典型的な都会っ子で、ただでさえ遠方の鹿児島の田舎へ自転車で行くのを必死に拒んでいたが、嫌々ながら家族に同行する。小言が多くイラつきやすい父親を毛嫌いしている。
斎藤 敏夫:時任三郎
鈴木家が高速道路を西進中、浜松市近辺で遭遇した、アウトドア生活に精通した一家の父。
斎藤 静子:藤原紀香
敏夫の妻。美魔女。鈴木家に食べられる野草の知識を伝授する。
斎藤 涼介:大野拓朗
敏夫・静子の長男。
斎藤 翔平:志尊淳
敏夫・静子の次男。機械式フィルムカメラを所持しており、偶然出会った鈴木一家の写真を撮影し、いつか結衣に送る約束をした。
古田 富子:渡辺えり
鈴木家が道中で通りかかった米屋の店主。物々交換で米と食料や水を取引する。義之には酒と引き換えに店先に放置されていた自転車を譲渡する。
高橋 亮三:宅麻伸
義之の同僚で元同級生。ライフライン停止後、義之に先んじて家族と共に東京を離れた。
佐々木 重臣:柄本明
光恵の父。鹿児島の吹上浜付近に在住。近所の海で魚を釣ったり、家庭菜園で野菜を栽培するのを趣味としており、たびたび鈴木家にも野菜や魚を送っていた。
田中 善一:大地康雄
岡山在住の養豚農家で、独り暮らし。既に自給自足の生活に順応しており、飢え死に寸前の鈴木一家に食事と寝床を与える代わりに、逃げ出した豚の捕獲の手伝いを依頼する。鈴木家が再出発する際には大量の自作の保存食を分け与えた。
中村 里美:松浦雅
賢司が想いを寄せる、同じ大学の学生。賢司とは友人関係だが特に特別な感情はなく、彼氏がいる。
ライフラインの全停止後、家族と彼氏の男と共に自宅を離れ、その後の行先などは不明。
その他キャスト
春日由実
小穴浩司
菅原大吉
徳井優
桂雀々
森下能幸
田中要次
有福正志
左時枝
ミッキー・カーチス
本田葵
宮坂ひろし
富田健太郎
山形匠
山中敦史
川籠石駿平
川島潤哉