ゴルゴ13 九竜の首は、1977年公開の日本・香港合作映画。劇画『ゴルゴ13』を映画化した作品。原作の第32話「帰ってきた標的」、第55話「ANGRY WAVES」、第57話「キャサワリー」、第62話「九竜の餓狼」など、各話の部分的内容に新たな脚色が加えられ、マイアミ・香港・東京・京都・マカオを舞台にゴルゴ13(デューク東郷)が縦横無尽に活躍する内容となっている。千葉真一は『ボディガード牙シリーズ』、『ウルフガイ 燃えろ狼男』、『けんか空手シリーズ』、『ドーベルマン刑事』で小説・劇画の主人公に扮してきたが、本作では目線・態度・仕草で無表情・無口なキャラクターであるゴルゴ13を演じた。
ゴルゴ13 九竜の首 映画批評・評価・考察
ゴルゴ13 九竜の首
脚本:29点
演技・演出:13点
撮影・美術:13点
編集:6点
音響・音楽:6点
合計67点
漫画にビジュアルを寄せ過ぎるとギャグになってしまうっていうのを先取りしてましたねって(笑)感じなのですが、作品全体としてはちゃんとゴルゴ13の実写化作品として見えます。外国人役などはコミックから飛び出してきたと思えるほどそのままです。アクションは千葉真一なので申し分ないですし、ジャッキー・チェンより早かったんだなと思えるシーンが多々見れます。香港との合作なのでアクションや撮影に無茶が利いてて迫力あります。このころの映画はアテレコ(アフレコ)なので吹替で外国人も日本語で話してます。字幕要らずでいいですね。ゴルゴ13は、1990年代のスティーヴン・セガールが演じてたら面白かったんじゃないかなあと思います。今は太り過ぎているのでイメージが違いますが。
コントでよく見かけるゴルゴメイクは、この作品(千葉真一)由来なんだなぁ~と思うと感慨深いです。
ゴルゴ13 九竜の首 あらすじ(ネタバレ)
アメリカ麻薬組織の代表ロッキーから、シンジケートの香港支部長である周雷峰の暗殺依頼を受けたゴルゴ13は、香港へ飛んだ。ゴルゴがアメリカを発つ数日前、ビクトリア湾に全裸の男の死体が浮かんだ。捜査にあたった麻薬のスミニーと呼ばれる香港警察の主人刑事の鋭い眼は、死体の男がアメリカから派遣された殺し屋であったことから、麻薬のボス・周とアメリカの組織との間に亀裂が生じた結果とにらむ。そこで、香港から麻薬を一掃するチャンスとばかり捜査を開始する。
スミニーは女刑事林玲を周の経営する「東方光」へ潜入させるが、林玲は麻薬の精製場である山小舎をつきとめたところで消息を断つ。スミニーはようやくのことで山小舎をつきとめるが、周の部下に爆破され、林玲は死亡する。ゴルゴは「東方光」で周に会うが、帰途、麻薬組織の男を撃ち殺した紅蘭という女を救う。香港警察の厳しい追求とゴルゴの出現に脅える周は、黒幕のXに助けを求めた。Xの指示どおり、周は市民に寄贈したプール開きに出席するが、側頭部を撃ち抜かれ即死する。だが、ゴルゴの銃から弾丸は発射されていなかった。周の情婦麗花の通報により、周殺害の犯人がゴルゴであると知らされたスミニーは、ゴルゴ逮捕に総力をあげる。危険を承知で「東方光」に向ったゴルゴは麗をベットに誘う。その時、ゴルゴは殺気を感じ、銃を撃つと“火喰い鳥”と呼ばれる南米随一の美人殺し屋が倒れていた。周殺しがこの“火喰い鳥”だとにらんだゴルゴは、麗花にXへ計画終了の電話をかけさせたうえ、彼女をも撃ち殺す。
ポーラニア領事ポランスキーは、麻薬シンジケートのリストをFBIへの土産としてアメリカ亡命を企み、日本のアメリカ大使館に交渉した。この計画を知ったゴルゴは日本へ飛ぶが、ゴルゴを追ってきたスキニーに邪魔され、ポランスキーを逃してしまう。香港に戻ったポランスキーはアメリカからの連絡を待つ一方、石霊島に隠れ家を建て、厳重に警戒する。スミニーは、捜査網を張りめぐらし、遂にゴルゴを逮捕する。証拠不十分のため釈放されたゴルゴに、ポランスキーが雇った世界各国の殺し屋が襲いかかった。重傷をおったゴルゴは、紅蘭の手厚い看護によって救われる。
ポランスキーの逃亡期日が迫っている事を知ったゴルゴは石霊島へ潜入する。処刑の部屋と呼ばれる脱出不可能とも思える所で、ゴルゴは殺し屋を倒す。スミニーが石霊島に到着した時、ポランスキーのためにFBIが用意したヘリコプターは離陸した。その時、ゴルゴの驚異的な威力を誇るアーマライトが火を吹いた。落下するポランスキーの手には麻薬組織の全貌の記録を詰めたアタッシュケースが握られていた。書類を手に入れたスミニー、役目を終えたゴルゴ。互いに激しい闘志をこめて対決する男と男の燃えたぎる鼓動のように飛び発って行くジャンボジェット機。--やがて、その機内に、次の標的に向かうゴルゴの姿があった。
ゴルゴ13 九竜の首 スタッフ
監督:野田幸男
脚本:中島信昭,杉本功
原作:さいとう・たかを
ナレーター:大塚周夫
音楽:伊部晴美
撮影:赤塚滋,勝木勝夫
編集:市田勇
製作会社:東映,嘉倫電影
配給:東映,嘉倫電影
ゴルゴ13 九竜の首 キャスト
ゴルゴ13(デューク東郷):千葉真一
主任刑事 スミニー:嘉倫(ステファン・リュン)
潜入捜査官 林玲:志穂美悦子
スミニーの妹 葉連:新藤恵美
ポラーニア領事 ポランスキー:ジェリー伊藤
江蘭:孫泳恩
支部長 周雷峰:林偉琪
周の愛人 麗花:丹娜
刑事 洪:黄樹棠
調達屋 重宗千造:鶴田浩二
署長:ジム・ブルース
主任刑事 立花:笹木俊志
空手三兄弟 長兄:高橋健二(大葉健二)
空手三兄弟 次兄:高橋敏光(高橋利道)
空手三兄弟 末弟:古賀弘文