クローズZEROは、2007年公開の日本映画。原作の主人公・坊屋春道が鈴蘭高校に転校してくる1年前を描いた完全オリジナルストーリーである。原作者の高橋ヒロシは『クローズ』連載中の頃から実写映画化の話を全て断っていたが、完全オリジナルストーリーという条件で実現した。
クローズZERO 映画批評・評価・考察
クローズZERO
脚本:31点
演技・演出:18点
撮影・美術:16点
編集:8点
音響・音楽:8点
合計81点
ヤンキー映画とバカにすることなかれ!これは名作と言っていい出来でしょう。10代の頃にこれを見てたら熱くなって熱くなって格闘技系の道場に駆け込んでるかもしれない。
小栗旬や山田孝之の若さと美しさと強さ、実に素晴らしい。デビルマンが汚点となった、伊崎兄弟は起死回生の作品になったと言える。演技が上手いわけではないが適材適所されれば光ることもできる。
このシリーズで一番の輝きを放ったのは、小栗旬と言ってもいいが、やべきょうすけの好演は特筆すべきでしょう。この作品で一番残念だったのはクライマックスでの黒木メイサの歌、これは熱さが冷める感じがしたので失敗だったと思う。※カットしても違和感なく問題ないシーン。
クローズZERO あらすじ
鈴蘭男子高等学校、通称・カラスの学校。不吉な嫌われモノ=カラスのような不良学生たちが集まる、偏差値最低の男子校。最強かつ最凶の悪名を轟かせている鈴蘭であったが、いまだかつて鈴蘭を統一・制覇したものはいない…。現在の最大勢力は、“百獣の王”と呼ばれる男・芹沢多摩雄(演:山田孝之)率いる“芹沢軍団”だ。しかし実力者が揃う芹沢軍団ですら、鈴蘭統一は容易ではなかった。そんな群雄割拠の鈴蘭に、ひとりの男が現れた。3年の転入生・滝谷源治(演:小栗旬)―鈴蘭制覇を狙う男。単独で行動する源治であったが、ふとしたことで知り合った鈴蘭卒業生のチンピラ・片桐拳(演:やべきょうすけ)と友情を深める。そして拳のとりなしもあって、源治のもとに集まった強力な仲間達が、源治を筆頭に新勢力GPS(G源治PパーフェクトS制覇)を旗揚げする。かくして鈴蘭の勢力図は大きく塗り替えられ、内部抗争はより一層激化していくのだった…。
クローズZERO スタッフ
原作:高橋ヒロシ
監督:三池崇史
プロデューサー:山本又一朗
企画:濱名一哉
共同プロデューサー:佐谷秀美
アソシエイトプロデューサー:岡田有正,富田敏家,堀之内郁哉
脚本:武藤将吾
撮影:古谷巧
美術:林田裕至
照明:高坂俊秀
録音:石貝洋
編集:掛須秀一,長坂智樹
音楽:大坪直樹
音楽プロデューサー:古川ヒロシ
整音:小原善哉
音響効果:柴崎憲治
助監督:西山太郎
制作担当:武石宏登
キャスティング:楠本直樹
スタイリスト:北原哲夫
衣裳:青木しげる
アクションコーディネーター:辻井啓伺,出口正義
CGIプロデューサー:坂美佐子
CGIディレクター:太田垣香織
製作:「クローズZERO」製作委員会(TBS トライストーン・エンタテイメント 東宝 MBS 秋田書店 CBC ハピネット)
配給:東宝
上映時間:128分/ビスタビジョン
クローズZERO キャスト
鈴蘭男子高校
県内随一の不良が集まる男子高。偏差値は県内最低。多くの猛者が集い、派閥や一匹狼が常に存在しているため、いまだかつて番長として全校をまとめ上げた者は存在しない。
G.P.S(GENJI.PERFECT.SEIHA)
滝谷 源治(たきや げんじ):小栗旬
本作の主人公であり最凶の転入生。G.P.Sの頭。ヒロミ達が入学する日に3年E組に転校してきた。実家は劉生会というヤクザでその組をもらうべく不可能と言われている鈴蘭制覇を本気で目指す。人付き合いが苦手で一見冷めた風に見えるが根は仲間想いで仲間のためならば自分の身を投げ出す。群れることを嫌い単独行動する源治であったが、ふとしたことで知り合った鈴蘭OBのチンピラ・片桐拳と友情を深める。そして忠太、牧瀬、伊崎らを率いてG.P.Sを結成する。1作目で鈴蘭の制覇に最も近いと言われている芹沢軍団の頭・芹沢多摩雄と激突し、僅差で勝利を収めたが、2年にして鈴蘭史上最強の男といわれているリンダマンこと林田恵に完全敗北を喫してしまう。
伊崎 瞬(いざき しゅん):高岡蒼佑
3年D組の頭。学校一の切れ者で金髪。通称「金狼」。海老塚中出身。G.P.Sのナンバー2。最初は源治を「戦争に綺麗事はいらない」と大人数で襲うも、何度も立ち上がり最終的に自分の元へとたどり着いた源治に何かを感じ、G.P.Sに加入。芹沢軍団との抗争では戸梶とタイマンを張り、アッパーで勝利した。
牧瀬 隆史(まきせ たかし):高橋努
3年C組の頭。G.P.Sのナンバー3。大柄で顔に十字切り傷がある。仲間は絶対に裏切らない信頼できる男として慕われており、彼が何度芹沢に敗れても軍団入りすることはない。驚くほど女にモテない。源治に合コンに誘われ、結果的に失敗するも源治の人間性に惚れ込みG.P.Sに加入した。芹沢軍団との抗争では三上学とタイマンを張り、勝利した。
田村 忠太(たむら ちゅうた):鈴之助
3年E組の頭。パンチ頭。それゆえソリコミスト・チュータといわれる。源治とタイマンを張るが手も足も出ず一方的に叩きのめされる(ただし、完全に源治の不意打ちだった)。その見た目とは裏腹に愛嬌のある男。G.P.Sの幹部の中で唯一源治のことを「源治さん」と呼ぶ。源治にとって初めての仲間になった。芹沢軍団との抗争では三上豪とタイマンを張った。勝敗は不明だが、忠太が劣勢だった。
芹沢軍団
芹沢 多摩雄(せりざわ たまお):山田孝之
「百獣の王」の異名を持つ鈴蘭の頂点に最も近いと言われている男。クラスは3年A組。芹沢軍団の頭。頑強に鍛え抜かれた肉体と腕力の持ち主で、源治とは異なりドロップキックやバックドロップなどのプロレス技を多用する近接戦闘を好む。警察にも目を付けられている。バイクの免許は持っておらず、実家は農家で貧乏らしい。源治率いるG.P.Sとの抗争では源治との壮絶な一騎討ちの末、惜しくも敗北してしまった。
辰川 時生(たつかわ ときお):桐谷健太
芹沢軍団のナンバー2。源治の中学時代の友人。芹沢と同じ3年A組。解離性脳動脈瘤を患っているが芹沢にも黙っている。そのため、G.P.Sとの抗争には参加出来なかった。最後は病気に打ち勝ち、退院した。家は金持ちのボンボンで、学校では自分の名前を刺繍したラルフ・ローレンのYシャツを着ている。
戸梶 勇次(とかじ ゆうじ):遠藤要
芹沢軍団のナンバー3。芹沢軍団の頭脳といわれるほどの策士。芹沢や時生と同じく3年A組。切れ者の伊崎を大人数で襲ったり、源治達と阪東達の間にいざこざを起こし共倒れを目論むなど、卑怯な手も厭わない。伊崎とは犬猿の仲。G.P.Sとの抗争では伊崎とタイマンを張り、アッパーによって敗北。
三上 学(みかみ まなぶ):伊崎右典(FLAME)
3年B組を仕切る三上兄弟の兄。通称「極悪ツインズ1号」。三年の頭を決めようと芹沢に弟・豪と共に勝負を挑むもあっさり完敗し、軍団入りを表明。G.P.Sとの抗争では牧瀬とタイマンを張り、ラリアットにより敗北。弟・豪との連携技を得意とする。リーゼントにマスクという典型的なスタイル。
三上 豪(みかみ たけし):伊崎央登(FLAME)
3年B組を仕切る三上兄弟の弟。通称「極悪ツインズ2号」。金髪のオールバック。三年の頭を決めようと芹沢に兄・学と共に勝負を挑むもあっさり完敗し、軍団入りを表明。G.P.Sとの抗争では忠太とタイマンを張り、優位に闘いを進めた。兄・学との連携技を得意とする。
筒本 将治(つつもと しょうじ):上地雄輔
芹沢の中学時代の後輩で幹部の中で唯一の2年。ドレッドヘアー。クラスは2年E組。中学時代は柔道日本選手権にも出たことがあり、柔道技が得意。G.P.Sとの抗争では途中から乱入してきた武装戦線・阪東とタイマンを張ったが、膝蹴りで敗北。
海老塚中トリオ
桐島 ヒロミ(きりしま ヒロミ):大東俊介
本作で本城・杉原と共に入学してくる。クラスは3人とも1年F組。伊崎から再三に渡りG.P.S入りを進められるも、拒み続けた。
本城 俊明(ほんじょう としあき):橋爪遼
本作で桐島・杉原と共に入学してくる。常にマスクを付けているのが特徴。
杉原 誠(すぎはら まこと):小柳友
本作で桐島・本城と共に入学してくる。原作の「クローズ」では短髪のリーゼントだが、本作では肩につくほどの長髪である(小柳が他の作品と撮影が平行していた為に髪を切れなかった)。本作で中学時代の先輩でもある伊崎に「髪切れ」と言われ、その後G.P.Sの勧誘の目的で伊崎が髪を切ったので、続編では短髪のリーゼント。
その他の生徒
鷲尾 郷太(わしお ごうた):波岡一喜
1作目では2年生で構成された鷲尾組を率いており、芹沢に挑むも瞬殺される。通称・最怯の転入生。
林田 恵(はやしだ めぐみ):深水元基
鈴蘭2年。通称・リンダマン。鈴蘭史上最強の男との呼び声が高い。鈴蘭制覇には関っていないが「別格」や「怪物」と呼ばれ、その実力は源治や芹沢をも凌駕する。なにやら過去にあった出来事が彼を戒めているようだ。最後は源治との一騎討ちで圧倒的な差を見せつける。クラスは2年C組。原作に比べてより寡黙な性格で無表情である。
亜久津 太(あくつ ふとし):沖原一生
鈴蘭1年。入学式当日に鈴蘭制覇すると断言したが、ヒロミに「スルメ」と呼ばれたことに怒って喧嘩を吹っ掛けて惨敗し、鈴蘭の壁が厚いことを思い知らされた。
三代目武装戦線
阪東 秀人(ばんどう ひでと):渡辺大
千田 ナオキ(せんだ ナオキ):武田航平
山崎 タツヤ(やまざき タツヤ):鈴木信二
源治の協力者
片桐 拳(かたぎり けん):やべきょうすけ
劉生会と敵対する矢崎組のチンピラで、鈴蘭OB。入学式の日に芹沢に舎弟をやられた報復に鈴蘭高校に乗り込んできた。源治を芹沢と間違えて復讐にいった(返り討ちにあったが)際に源治と知り合う。実は面倒見のいい性格で、その後は源治の鈴蘭制覇に協力する。小柄で腕力も弱いが男気溢れる憎めない男。源治と関っていくうちに自身も大きなトラブルに巻き込まれてしまう。
逢沢 ルカ(あいざわ ルカ):黒木メイサ
源治のいきつけのライブハウスの女性ヴォーカリスト。男勝りな性格でサバサバしているが傷だらけの源治を気遣ったり、など根は優しく純粋。武装戦線になりすました戸梶らに拉致されてしまう。実家は八百屋。
牛山(うしやま):松重豊
源治のいきつけのライブハウスで働いている。鈴蘭や鳳仙の事をよく知っていると思われる。源治の父・滝谷英雄のことを「先輩」と呼んでいた事から、彼も鈴蘭OBである可能性が高い。
警察
黒岩 義信(くろいわ よしのぶ):塩見三省
刑事。芹沢の天敵。バイクで中央市場を逃げ回る芹沢と、車で店舗を破壊しながらもお構い無しに追い続けるカーチェイスを繰り広げた。最後は芹沢にチキンレースを申し出たがド派手に横転し、敗北。そして血まみれになりながらも鈴蘭のグラウンドにて芹沢を包囲し、確保した。後に片桐拳とも顔見知りであることが判明し、拳と同学年の鈴蘭の頭の仲井の話をしていた。
組関係
矢崎 丈治(やざき じょうじ):遠藤憲一
片桐拳の親分で、早秋一家矢崎組の組長。
滝谷 英雄(たきや ひでお):岸谷五朗
滝谷源治の父で、劉生会滝谷組の組長。鈴蘭のOBであり、続編では源治を子供扱いしていた事から喧嘩は強いと見受けられる。源治のことを「ゲン」と呼んでいる。
前園 康太(まえぞの こうた):辻岡正人
カに暴行を働こうと企て、源治・拳とトラブルを引き起こすストリートギャング。
マエダ:山口仁
滝谷組組員。