エリジウム 81点

エリジウム

映画批評・備忘録

アカデミー賞4部門にノミネートされた『第9地区』(2009年)のニール・ブロムカンプが脚本、監督を務めている。前作では出身地の南アフリカ共和国に残る人種差別問題をSFエンターテインメント作品に仕立て上げたが、本作でも現代の格差社会を地上と宇宙、ディストピアとユートピアに二極化した近未来世界に投影している。

ニール・ブロムカンプらしい格差社会を迫力のある映像を交えながら、シニカルに描いている。マット・デイモンはいつものマット・デイモン的な主人公なものの、悪役を演じたジョディ・フォスターとシャールト・コプリーがいつもと違った演技が見れてなんか初々しい。ジョディ・フォスターも年齢相応のキレイなおばさん役を演じるようになったもんだ。こういう役も引き受けるようになったなら、スターウォーズみたいなSF作品にも出演しそうな気がする。シャールト・コプリーのぶっとんだキャラも悪役の極みでいい。ストーリーはどっかで見たような聞いたような設定とメカばかりなので斬新さは感じなかった。

採点の内訳


脚本:30点
演技・演出:17点
撮影・美術:18点
編集:8点
音響・音楽:8点
合計81点

タイトル

エリジウム(原題:Elysium)

あらすじ

2154年、超富裕層は、大気汚染や人口爆発により生活環境が悪化した地球から離れて、衛星軌道上に建造されたスタンフォード・トーラス型スペースコロニー「エリジウム」で暮らしている。アーマダイン社が設計・施工したエリジウムでは、高度な科学技術によって市民は傷病から解放され、水と緑にあふれた理想郷での暮らしを享受できる。それは地球上で暮らす貧しい人々の憧れとなっている。
一方、荒廃してスラム化した地上では、人々は過酷な労働とエリジウムより遥かに制約の多い医療やドロイドによる厳しい監視に喘いでいる。市民はエリジウムの生活に憧れ、密航を企てる者もいるが、エリジウムはドロイドや犯罪者崩れの傭兵を配して侵入者の排除に努めている。反移民法を強硬に執行するエリジウムの防衛長官デラコート(ジョディ・フォスター)は、政敵排除のため経営不振のアーマダイン社のCEOカーライルを巻き込んでクーデターを計画している。
そんな中、ロサンゼルスで育ちアーマダイン社のドロイド工場で働くマックス(マット・デイモン)は、幼馴染のフレイと偶然再会する。ある日、マックスは工場での作業中の事故により致死量の放射線を浴び、余命5日と診断されて解雇される。マックスはエリジウムの先端医療に希望を求め、闇商人のスパイダーと取り引きし、エリジウムへの片道切符と引き換えにエリジウム市民を襲い、その富へのアクセス権としての脳内データを奪うことに同意する。弱り切った肉体能力を飛躍的に高めるエクソスケルトン(強化外骨格)を神経系と直結する手術を受けたマックスは、カーライルを標的に選ぶ。
データ強奪は成功するが、傭兵クルーガー(シャールト・コプリー)との戦闘のなかでカーライルは死ぬ。クーデターに用いるためのエリジウム再起動プログラムを脳内にコピーしたマックスは執拗に狙われる。負傷したマックスに手を差し伸べ看護したフレイには、白血病で余命のない幼い娘マティルダがいる。マティルダから包帯を巻いてもらいながら、マックスはマティルダが語る物語のあらすじを聞く。「小鳥を助けたカバは見返りに何を得たのか」と問うマックスに「友達を得た」のだとマティルダは答える。脳内データを人質代わりに、マックスは傭兵のシャトルをハイジャックし、先にシャトル内に拉致されていたフレイ、マティルダとともにエリジウムに向かう。エリジウムでクルーガーと死闘の後、マックスは自らの死と引き換えに、全地球人口をエリジウム市民に加えて再設定したエリジウムのリブートボタンを押す。

スタッフ

監督:ニール・ブロムカンプ
脚本:ニール・ブロムカンプ
製作:サイモン・キンバーグ,ビル・ブロック,ニール・ブロムカンプ
製作総指揮:スー・ベイドン=パウエル,ビル・ブロック
音楽:ライアン・エイモン
撮影:トレント・オパロック
編集:ジュリアン・クラーク,リー・スミス
製作会社:QEDインターナショナル,メディア・ライツ・キャピタル
配給:コロンビア映画

キャスト

マット・デイモン
ジョディ・フォスター
シャールト・コプリー
ヴァグネル・モーラ
アリシー・ブラガ
カーリー・ポープ
ディエゴ・ルナ
ジョシュ・ブラッカー
ウィリアム・フィクナー
ファラン・タヒール

予告編

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