インターステラー 94点

インターステラー

インターステラー 映画批評・備忘録

クリストファー・ノーラン監督のマジックにかかると超難解なSFストーリーも愛と冒険の物語としても楽しむことができてしまう。
序盤シーンとクライマックスシーンの見事なリンクは、お見事!
全ての演出に理由があり、難しいパズルが少しずつ嵌っていく面白さがある。

インタステラーに影響を与えた作品
クリストファー・ノーランは『インターステラー』が影響を受けた、SF映画の「鍵となる試金石」として『メトロポリス』(1927年)、『2001年宇宙の旅』(1968年)、『ブレードランナー』(1982年)を挙げ、特に『2001年宇宙の旅』については「制作中、『2001年』は終始、意識していた。私が体験したように、映画館で子供たちに宇宙を旅してほしいと思った」と語っている。

またプロダクションデザインについては『スター・ウォーズ』(1977年)と『エイリアン』(1979年)の影響を認め、「それらは常に、あなたがSFに接近する必要がある方法でありながら、常に私の頭から離れなかった。これは我々の住む世界と同様に使用感と現実感がある」と述べた。さらにアンドレイ・タルコフスキーの『鏡』がストーリーの風と埃と水の要素に影響を与えている。

ノーランは人間の本質についての映画として、『インターステラー』と『黄金』(1948年)を比較した。また彼はスティーヴン・スピルバーグの『ジョーズ』(1975年)と『未知との遭遇』(1977年)のような映画を模倣した。彼は「ファミリー映画を作ると言うと、昨今ではソフトな感じのものになるという軽蔑的な意味合いに取られてしまうだろう。しかし私の子供の頃のファミリー映画は、エッジが利いていて、超大作でも挑戦的なものだった。私は何らかの方法でそれを復活させたかった」と語った。

そしてさらに彼は引用すべき例としてスペースドラマ映画『ライトスタッフ』(1983年)を挙げ、製作開始前にスタッフたちのために上映した。現実の宇宙旅行に基づいた更なるインスピレーションを得るために元宇宙飛行士のマーシャ・アイビンスがセットに招かれた。

ミッドウェストの農場のセットは『マン・オブ・スティール』でクラーク・ケントが育った場所に触発されている。

地球を離れ新たな居住可能惑星探索を行うためワームホールを通過し、別の銀河系へと有人惑星間航行(インター・ステラー)する宇宙飛行士のチームが描かれる。三次元に於ける不可逆性の時間と重力場、特殊相対性理論(ウラシマ効果)、特異点、ニュートン力学、スイングバイ航法、漆黒の宇宙空間、音の伝達、運動の三法則など科学的考証を用いた演出の他、人類存亡を賭けた未知の世界へ挑戦する倫理と勇気、信頼と愛、人生という限られた時間、ヒューマニズムも織り交ぜた物語の構成となっている。
脚本はジョナサン・ノーランとクリストファー・ノーランが執筆しており、2007年にジョナサンがパラマウント映画とリンダ・オブストの下で開発したスクリプトにクリストファーのアイデアが合わせられている。製作にはクリストファー・ノーラン、オブストの他に彼の妻のエマ・トーマスが参加し、また理論物理学者のキップ・ソーンが科学コンサルタント兼製作総指揮を務めている。

インターステラー 採点の内訳


脚本:39点
演技・演出:19点
撮影・美術:19点
編集:9点
音響・音楽:8点

合計94点

インターステラー タイトル

インターステラー(原題: Interstellar)

インターステラー あらすじ(ネタバレ)

地球規模の植物の枯死、異常気象により、人類は滅亡の危機に晒されていた。元宇宙飛行士クーパーは、義父と15歳の息子トム、10歳の娘マーフィー(マーフ)とともにトウモロコシ農場を営んでいる。マーフは自分の部屋の本棚から本が勝手に落ちる現象を幽霊のせいだと信じていたが、ある日クーパーはそれが何者かによる重力波を使った二進数のメッセージではないかと気が付く。クーパーとマーフはメッセージを解読し、それが指し示している秘密施設にたどり着くが、最高機密に触れたとして身柄を拘束される。

そこでクーパーはかつての仕事仲間のブランド教授と再会し、大昔に無くなったNASAが秘密裏に復活し活動を続けていることを知らされる。NASAは土星近傍のワームホールを通り抜けて、別の銀河に人類の新天地を求めるプロジェクト――ラザロ計画を遂行していたのだった。48年前に彼らによって創造されたと考えられているワームホールを通過し、すでに三名の先駆者達が、入植が期待できる惑星から信号を送り返している。教授は、第二の地球となり得る惑星を探すミッションにパイロットとして参加するようクーパーを説得する。帰還できたとしてもそれがいつなのか不明なミッションに、マーフは激しく反対する。二人は和解の機会を得られないまま、クーパーは出発の日を迎えてしまう。クーパーはマーフに「必ず戻ってくる」とだけ言い残し、ブランド教授の娘のアメリア・ブランド博士らとともに宇宙船エンデュランスに搭乗し地球を後にする。ブランド教授はイギリスの詩人ディラン・トマスの Do Not Go Gentle Into That Good Night(穏やかな夜に身を任せるな)を何度も引用する。

二年後、クーパー、アメリア、ロミリー、ドイルの四名と人工知能ロボットTARSとCASEの二体を乗せて、エンデュランスは土星近傍のワームホールに接近する。エンデュランスはワームホールを通り抜け、ラザロ計画の先駆者の一人、ミラー飛行士が待つ水の惑星を目指す。水の惑星は超大質量ブラックホールガルガンチュアのまわりを公転している。物理学者のロミリーは、ガルガンチュアの超重力が時間の流れを歪めており、水の惑星での一時間は地球の七年間に相当すると警告する。クーパーは地球に残してきた家族を想い、水の惑星への接近を躊躇するが、他の飛行士らに公私の混同をたしなめられ、着陸は決行されることとなる。地質学者のドイル、アメリア、クーパー、CASEは小型シャトルレインジャーで水の惑星に降り立つ。アメリアは、惑星の表面を捜索するが、ミラー飛行士は見つからず、彼女の着陸船の残骸だけが見つかる。間もなく山脈と見まごうほどの巨大な波が一行を襲い、逃げ遅れたドイルは死亡し、レインジャーのエンジン内部に水が侵入し、排水完了まで離陸出来なくなる。アメリアは、ミラー飛行士がこの惑星に到着したのは数時間前、死んだのは数分前に違いないと話す。数十分後、排水が完了し、危機一髪でクーパーらはエンデュランスに帰還するが、そこでは23年あまりが経過していた。エンデュランスでクーパーらの帰りを待っていたロミリーはすでに壮年に差しかかっていた。

地球出発時点のクーパーと同い年に成長したマーフは、ブランド教授とともに重力の研究を行っている。重力の方程式に解を見つけられれば、巨大なスペースコロニーを宇宙に打ち上げ、地球に残された人間を宇宙に脱出させられると期待されている。しかしブランド教授は老齢で死亡する間際にマーフに自身の罪を告白する。実はブランド教授は何十年も前に重力方程式を解いており、重力制御は事実上不可能だとの結論を導いていたが、長年にわたって事実を隠蔽し続けてきたのだった。真相を知ったマーフは愕然とするが、それでも研究は継続し、重力の本質を理解するためにはブラックホールの中心の特異点を観測して、データを持ち帰る必要があることに気付く。もっとも、事象の地平面の外側から特異点を観測するのは絶対に不可能とされていて、それこそがブランド教授が重力制御を諦めた理由だった。

燃料が少なくなっているエンデュランスでは、乗組員が残る二つの候補惑星のどちらを探査するかの選択を迫られていた。クーパーとロミリーは生存信号を発信し続けているラザロ計画の先駆者マン博士の惑星を推したが、アメリアはもう一方のエドマンズ飛行士の惑星へ行くことを強く推した。クーパーはアメリアとエドマンズが恋人関係であることを見抜き、彼女こそ決断に私情を挟んでいると批判する。エンデュランスはマン博士の待つ、氷の惑星へ針路を取る。クーパー、アメリア、ロミリー、TARS、CASEはレインジャーで氷の惑星に降り立ち、マン博士の設営したキャンプに到着する。冷凍睡眠から目覚めたマン博士は、ラザロ計画の本当の目的はプランB――すなわち人類の凍結受精卵を新天地の惑星で孵化させ、種を保存することだったと告白する。エンデュランスにはそのための受精卵も搭載されている。ブランド教授が研究の結論を隠蔽したのは、地球の人間に真実を告げることが、ラザロ計画と、プランBの遂行の障害になりかねないと懸念してのことだった。

マン博士はクーパーを惑星表面探査に連れ出す。マン博士は地球に帰還することを諦めていないクーパーを不意討ちし、彼の宇宙服のバイザーを破壊する。マン博士は氷の惑星に着陸してすぐ、この惑星では人類は生存できないことを悟っていた。彼は孤独に死にゆく運命だったが、それを受け入れることが出来ず、氷の惑星が人類の新天地であるかのような捏造データを地球に発信していたのだ。クーパーは窒息死寸前でアメリアに救出されるが、ロミリーはマン博士がキャンプに仕掛けた爆弾の犠牲になってしまう。マン博士はレインジャーを奪って軌道上のエンデュランスを奪取しようと惑星外へ離脱する。クーパーとアメリア、TARS、CASEは別の着陸船ランダーで彼を追跡する。マン博士はクーパーらに先んじてエンデュランスにランデブーし、手動でドッキングを試るが、ドッキング・モジュールの気密が不完全だったため急激な減圧で死亡する。エンデュランスも事故の衝撃で本来の軌道を外れ、回転しながら氷の惑星に落下しはじめる。クーパーとTARSは決死の操縦でランダーをエンデュランスにドッキングさせ、機体を惑星大気圏外まで押し上げる。

甚大な損傷を蒙ったエンデュランスは燃料と酸素のほとんどを失っている。地球への帰還、マーフとの再会は叶わなくなった。クーパーとアメリアはエンデュランスをガルガンチュアに接近させ、ペンローズ過程を応用してエドマンズの惑星に向かう運動量を獲得しようと目論む。エドマンズの惑星でプランBを遂行し、人類の絶滅を阻止するのだ。今度は五十年後の未来に飛ぶことになるが、もはやそれを気にするものは誰もいない。
クーパーは、エンデュランスをガルガンチュアに接近させ、アメリア一人をエンデュランスに残したまま、TARSを乗せたランダー、自分を乗せたレインジャーIIを切り離し、彼女一人にミッションの全てを託す。死重量を捨てて身軽になったエンデュランスはガルガンチュアを脱出する軌道に乗るが、クーパーとTARSはガルガンチュアへ落下していく。

クーパーはTARSにブラックホール内部のデータを取り続けるように命じる。その後、クーパーとTARSは”彼ら”が創造した無数の立方体が幾重にも折り重なった 4次元超立方体テサラクトの空間に辿り着く。クーパーはそこが、マーフの部屋を通じて地球の過去、現在、未来全ての時間と連結している空間であると気付く。クーパーは重量波を操作して本棚から本を落とす等して過去のマーフと交信を試みるが、それでも娘を置いてミッションに出発する自分の過去を変えることはできない。焦る中TARSが放った一言により彼は自身が過去を変えるためではなく、未来を変えるためにこの空間に送られたことに気づく。クーパーはTARSに収集させた特異点のデータを、現在のマーフのアナログ時計の秒針で表現する。彼女にそのデータを真意が理解できるのか?とTARSは疑うが、クーパーは「あいつはただの女の子じゃない。俺の娘だ」とだけ答えデータを送り続ける。旧家に戻ったマーフは、幼い頃に部屋で起こった重力現象が父親からのメッセージだったことに気付く。秒針の動きからそれをモールス信号だと紐解き、その特異点のデータを使い、マーフはブランド教授が成し得なかった重力問題に解を見つける。その瞬間、テサラクトが閉鎖し始めクーパーは別のワームホールの中に吸い込まれる。

クーパーは土星の軌道上に建造された巨大スペースコロニー内部の病室で目覚める。マーフの功績でスペースコロニーの建造と打ち上げが成功し地球の人類が救済されたのだ。クーパーはコロニーの病室で年老いたマーフと彼女の大勢の子や孫たちとともに再会を果たす。マーフは約束を果たしたクーパーを、エドマンズの惑星へ一人で向かったアメリアを捜索しに行くよう、優しく諭す。クーパーは修理したTARSとともに小型宇宙船に乗ってコロニーを後にする。

インターステラー スタッフ

監督:クリストファー・ノーラン
脚本:クリストファー・ノーラン,ジョナサン・ノーラン
製作:エマ・トーマス,クリストファー・ノーラン,リンダ・オブスト
製作総指揮:ジェイク・マイヤーズ,ジョーダン・ゴールドバーグ,キップ・ソーン
音楽:ハンス・ジマー
撮影:ホイテ・ヴァン・ホイテマ
編集:リー・スミス
製作会社:シンコピー・フィルムズ,リンダ・オブスト・プロダクションズ,レジェンダリー・ピクチャーズ
配給:パラマウント映画,ワーナー・ブラザース

インターステラー キャスト

マシュー・マコノヒー
アン・ハサウェイ
ジェシカ・チャステイン
ビル・アーウィン
エレン・バースティン
マット・デイモン
マイケル・ケイン
ケイシー・アフレック
ジョン・リスゴー
トファー・グレイス
デヴィッド・オイェロウォ
ウィリアム・ディヴェイン
エリス・ガベル

インターステラー 予告編

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