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仁義なき戦い 頂上作戦|『仁義なき戦いシリーズ』の第四弾。敵対する2つの広域暴力団の代理戦争となった広島抗争を実録タッチで描く。

仁義なき戦い 頂上作戦
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仁義なき戦い 頂上作戦は、1974年公開の日本映画。『』の第四弾。昭和38年春から翌年にかけての、敵対する2つの広域暴力団の代理戦争となった広島抗争を実録タッチで描く。本作の時代背景は1963年(昭和38年)~1964年(昭和39年)である。このときの暴力集団間の抗争に加えて、高度経済成長を続ける市民社会・マスメディアの暴力集団に対する非難の目、それに呼応した警察による暴力団壊滅運動などの非暴力団側との対立が一つの軸となっている。またやくざの歴史における第二次広島抗争がどのように終焉したかを記録している。さまざまな立場の人間が絡んでいるが、物語は他の作品と同じく終始暴力団員が中心である。

仁義なき戦い 頂上作戦 映画批評・評価・考察


仁義なき戦い 頂上作戦

脚本:34点
演技・演出:15点
撮影・美術:15点
編集:8点
音響・音楽:8点
合計80点

役者の別役での再出演(松方弘樹、梅宮辰夫など)さえなければ、もっと評価できる作品なのですが、実現はしませんでしたが、深作監督が松田優作や水谷豊の配役を考えていたそうなので惜しい、惜しすぎるぅ~です。このシリーズにまた違った魅力が生まれていた可能性が高いです。みんな良い演技をするだけに残念です。
 史実に基づくので、変な脚色がなく決戦かというところで逮捕されて終わってしまう。というあっさり感がなんとも言えないラストで、「間尺に合わん仕事をしたのぅ。」という名セリフと共に彼らの時代の終わりを感じさせてくれるものだった。

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仁義なき戦い 頂上作戦 あらすじ(ネタバレ)

1963年(昭和38年)、東京オリンピックを翌年に控え高度経済成長の真っ只中にある市民社会は、秩序の破壊者である暴力団に非難の目を向け始めていた。しかし広能昌三の山守組破門に端を発した広能組・打本会の連合と山守組との抗争は、神戸を拠点に覇を争う二大広域暴力団・明石組と神和会の代理戦争の様相を呈し、激化の一途を辿っていた。

広能と打本は広島の義西会・岡島友次に応援を要請。穏健派の岡島は慎重姿勢を崩さないが、明石組・岩井信一の説得もありこれを承諾する。そんな中広能組組員・河西清が山守組系列槇原組組員に襲撃され死亡、さらに打本会組員も数名が惨殺される。また打本会組員が一般市民を誤って射殺する事件が発生。市民社会・マスコミによる暴力団への糾弾は激化し、警察も各暴力団を徹底監視する方向性を打ち出した。

広能は警察のマークをかいくぐり河西の報復にはやる一方、打本は腰を上げようとしない。業を煮やした岩井は河西の本葬を行う名目で、広島に応援組員1000名以上を送り込み、山守組への反撃を画策した。その動きを察知した山守組組長・山守義雄と若頭・武田明は打本を脅迫し、岩井の目的を知る。山守は警察へこれを密告し、遂に広能は別件容疑で逮捕。岩井ら明石組とその応援部隊は広島を引き上げざるを得なくなった。残された広能組組員は各地で暴発するが次々と逮捕され、もはや広能・打本連合の劣勢は回避できない状況となった。この劣勢に義西会・岡島は広島の川田組を大金で買収し、山守組への対決姿勢を鮮明にする。しかし岡島の動きを察知した山守により岡島は射殺され、残された義西会組員らはその報復として山守組の各事務所をダイナマイトで爆破する事件を引き起こす。また打本会組員らも一向に腰を上げない親分に業を煮やし、各地で市街戦を展開し、市民社会を恐怖の底に陥れる。世論の暴力団に対する抵抗は頂点に達し、事態を重く見た警察もついに組長クラスの一斉検挙、いわゆる「頂上作戦」に踏み切り、山守、打本らが逮捕される。

山守の逮捕を知った明石組・岩井は広島へ乗り込み、義西会残党をまとめて陣営の立て直しを画策し、一方の武田は広島各地の大小暴力団を糾合し、明石組との対決姿勢を鮮明にする。武田は神戸へ組員を派遣し、明石組組長・明石辰男邸をダイナマイトで爆破。これに端を発し、各地で岩井組・義西会連合と武田組との間で激しい銃撃戦が展開される。義西会若頭・藤田正一は川田組組長・川田英光に応援を要請するが、野球賭博によるシノギにしか興味を示さない川田は答えをはぐらかす。それどころか、義西会の勢力にカスリを取られる事を嫌う川田は、川田組組員・野崎弘に藤田殺害を迫る。藤田と懇意にあった野崎は葛藤しつつも藤田を殺害し、この同志討ちは岩井に暗い影を落とした。

岩井は拘置所の広能を訪れ、明石組と神和会が兵庫県警の仲介で手打ちとなった事、藤田の死により義西会が自然消滅の状態にある事を伝える。打本も打本会の解散を表明し、もはや岩井になす術はなかった。広島から手を引かざるを得なくなった事を詫びる岩井を広能は労う。1964年(昭和39年)1月、広能に7年4カ月の判決が下る。裁判所の廊下で、広能は同じく長い懲役刑を受けた武田と再会する。武田から、山守に対する判決が1年半にしかならない事を知らされた広能は虚しい徒労感に襲われ、武田と共に自分達世代の時代が終わった事を痛感する。

かくして広島抗争は、死者17名、負傷者26名、逮捕者約1500名を産みだし、何ら実りのない幕引きを迎えたのだった。

仁義なき戦い 頂上作戦 スタッフ

企画:
原作:
脚本:
監督:
撮影:
音楽:
録音:
照明:
美術:
編集:
助監督:
スチル:
進行:

仁義なき戦い 頂上作戦 キャスト

打本会明石組側
村岡の跡目を巡って山守に敗れた打本は、山守組を破門となった広能と手を組み、神戸を拠点とする日本最大の暴力団組織明石組と盃を交わして傘下に加わり、広島での覇権奪回を図る。


広能組(モデル・美能組)
広能昌三 – :広能組組長。山守組を破門。シリーズの主人公。(美能幸三)
水上登 – :広能組若衆。
竹本繁 – :広能組若衆。
河西清 – :広能組若衆。広能組長の壊れた道具と自分の道具を交換したが為、刺客に対応できず殺される。(亀井貢)
岩見益夫 – :広能組若衆。
弓野修 – :広能組若衆。
関谷徹 – :広能組若衆。

上田組(モデル・小原組)
上田利男 – :上田組組長。大久保の親戚 (小原光男)

打本会(モデル・打越会)
打本昇 – :打本会組長。明石組系打本会として山守組と抗争。(打越信夫)
森田勉 – :打本会組頭。
福田泰樹 – :打本会若衆。渾名はヤッチン。鼻を削がれた後に惨殺される。(藤田逸喜)
谷口亮 – :打本会若衆。(谷村祐八)
本多志郎 – :打本会若衆。
柳井秀一 – :打本会若衆。
三上達矢 – :打本会若衆。(三橋巌夫)
菊枝 – :打本の情婦。

明石組(モデル・山口組)
明石辰男 – :明石組組長。(田岡一雄)
宮地輝男 – :明石組若衆頭。(地道行雄)
相原重雄 – :明石組舎弟頭。(安原政雄)
岩井信一 – :明石組若衆(幹部)。岩井組組長。明石組の切込隊長。広能と親しい。(山本健一)
和田作次 – :明石組若衆。岩井の舎弟。

義西会(モデル・西友会)
岡島友次 – :義西会会長。西の岡。中立を守っていたが抗争に巻き込まれていく。小学校の同窓会旅行時に恩師の目の前で射殺される。(岡友秋)
藤田正一 – :義西会若衆頭。広能とは刑務所時代からの交友。病を患っているが岡島の仇を思い死力を尽くす。(藤井幸一と沖広照義)
光川アイ子 – :ホステス。岡島の情婦。
拳骨ラッパ – :岡島の学校時代の担任教師。

川田組(モデル・河合組)
川田英光 – :川田組組長。打本の舎弟。(河合勝治)
野崎弘 – :川田組若衆。ひ弱なプー屋。原爆スラムに住む。(後の共政会常任相談役、野村博)
野崎の母 –
野崎の弟 –
野崎の妹 –

山守組神和会側
村岡組を譲り受けた山守組は広島最大の暴力団となったが、打本会や、打本会を傘下におさめた明石組の侵攻から広島を守るため、明石組と拮抗する神戸の暴力団組織神和会と提携する。

山守組(モデル・山村組)
山守義雄 – :山守組組長。(山村辰雄)
山守利香 – :山守義雄の妻。(山村邦香)
武田明 – :山守組若衆頭。武田組組長。(服部武)
江田省一 – :山守組若衆(幹部)。江田組組長。(原田昭三)
槙原政吉 – :山守組若衆(幹部)。槇原組組長。(樋上実)
吉井信介 – :山守のガード役。(後の共政会副会長、吉岡信彦)
山崎恒彦 – :山守組若衆。(山田吉彦)
丸山勝 – :武田組若衆。
金田守 – :江田組若衆。
古賀貞松 – :武田組若衆
織田英士 – :武田組若衆
友田孝 – :武田組若衆
山本邦明 – :江田組若衆
江田欣三 – :江田組幹部・省一の弟
吉倉周三 – :槇原組の呉の小組長。
的場保 – :槇原組若衆
上原亮一 – :槇原組若衆
森久宏 – :槇原組若衆
武田組組員 –

早川組(モデル・山口(英)組)
早川英男 – :早川組組長。元打本組。(山口英弘)
杉本博 – :早川組若衆。(四代目共政会会長、沖本勲)
松井隆治 – :早川組若衆。杉本の兄貴分。
三重子 – :松井の情婦。福田の元情婦。
楠田時夫 – :早川組若衆

大友組
神代巳之吉 – :大友組幹部
養西会
沖山昭平 – :養西会若衆

神和会(モデル・本多会)
神代巳之吉 – :明石組と拮抗する神戸暴力団、神和会会長。引退。(本多仁介)
伊丹義市 – :神和会副会長。二代目会長。(平田勝市)

その他
大久保憲一 – :呉の長老。(海生逸一)
千鶴子 – :女子高校生
弁護士 –
ホステス –
安川昌雄 – :食堂店主(抗争の犠牲者)
前島幸作 – :自動車修理業(抗争の犠牲者)
捜査主任 –
県警本部課長 –
記者 –
記者 –
新聞社編集長 –
人夫(野球賭博) –
古川 – :タクシー運転手  
応援のヤクザ – 
女 –
ジープの警官 –
岡島の友人 –
刑事 –
署員 –  
ナレーター:

ノンクレジット
警官A他 – :「仁義なき戦い」シリーズ全作参加のため、セリフなしのエキストラ出演を志願。
記者 –  
打本組組員 –  
記者・武田組組員 –
記者・警官 –


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