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トゥルー・ロマンス|獰猛な愛だけが生き残る。トニー・スコット&クエンティン・タランティーノが描くアクション・バイオレンス

トゥルー・ロマンス
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トゥルー・ロマンスは、1993年公開のアメリカ合衆国の映画。公開時のキャッチコピー「獰猛な愛だけが生き残る」。爽快な展開のロード・ムービーだが、アクション・バイオレンスとラブ・ロマンスの要素と暴力・ドラッグ、そしていくらかのセックスで満たされたラブストーリー。

主人公がコミック・ショップに勤め、千葉真一主演の映画『激突! 殺人拳』を観ているシーンや、主人公の部屋に千葉の主演映画『カミカゼ野郎 真昼の決斗』と『東京-ソウル-バンコック 実録麻薬地帯』のポスターがそれぞれ貼ってある様は、脚本を執筆したクエンティン・タランティーノ自身を投影させている。

トゥルー・ロマンス 映画批評・評価・考察


トゥルー・ロマンス(原題:True Romance)

脚本:34点
演技・演出:17点
撮影・美術:18点
編集:9点
音響・音楽:8点
合計86点

タランティーノの脚本の映画ではこれが1番好きな作品。
タランティーノの脚本も素晴らしいが、監督のトニー・スコットの疾走感ある映像編集と見せ方の上手さが際立っている。タランティーノが監督したなら、観終わった後の爽快感は無かった事は予想できる。恐らく主人公の2人は、無残に銃撃の上ハチの巣にされて殺されていたのでは。。。

愛し合う男女の危険で暴力的な逃避行という設定は、1973年のテレンス・マリック監督作『地獄の逃避行』へのオマージュであり、テーマ音楽の「You’re So Cool 」は、『地獄の逃避行』のテーマ曲:カール・オルフの「Gassenhauer 」を意識したものとなっている。

脇役で著名な俳優が多く出演していることは、翌年公開されたタランティーノが演出した『パルプ・フィクション』にも共通している。
この作品のエンディングは、本来脚本では2人とも死ぬ設定だったが、監督のトニー・スコットがどうしてもハッピーエンドで終わりたいという希望から急遽脚本を変更した。このためタランティーノはヘソを曲げ、脚本の権利を返却させようとしたが、既に撮影に入っていたため多額の損が出る。そのため、主役のクリスチャン・スレーターがタランティーノに直談判し、「たのむよ、クエンティン。クラレンスを殺さないでくれ」と説得して渋々了承させた。

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トゥルー・ロマンス あらすじ(ネタバレ)

カンフー映画を上映しているデトロイトの劇場で、アラバマはクラレンスに話しかけた。彼らは後にクラレンスのダウンタウンのアパートでセックスをした。アラバマは、クラレンスに恋をしたことから自分が誕生日プレゼントとしてクラレンスの上司に雇われたコールガールであると涙ながらに告白し、彼らは翌日に結婚した。

エルビスの幻がクラレンスを訪れ、アラバマのポン引きドレクスを殺すように彼を説得した。クラレンスはアラバマが働いていた売春宿に行き、ドレクスを撃ち殺し、アラバマの所持品が入っていると思いバッグを取ってその場を去った。アパートに戻ると、彼とアラバマはバッグに大量のコカインが入っていることに気づいた。

二人は助けを求めて、クラレンスの疎遠になった父親、元警官で現在は警備員であるクリフォードを訪ねた。クリフォードはクラレンスに、警察はドレクスの殺人はギャング殺害だと想定していると語った。カップルがロサンゼルスに向けて出発した後、クリフォードはヴィンチェンツォ・コッコッティに尋問された。ヴィンチェンツォ・コッコッティは、ドレクスが商売をしていて、今はコカインを取り戻したいと思っているギャング「ブルー・ルー・ボイル」のコンシリエーレだった。クリフォードは、死ぬことを悟り、コッコッティに嘲笑して挑む、そして射殺された。冷蔵庫のメモには、クラレンスのロサンゼルスの住所が記載されており、コッコッティに気づかれてしまった。

ロサンゼルスで、クラレンスとアラバマはクラレンスの意欲的な俳優の友人ディックに会った。ディックはクラレンスを俳優のエリオット・ブリッツァーに紹介した。エリオット・ブリッツァーは、映画プロデューサーのリー・ドノヴィッツへの麻薬の販売を仲介することにしぶしぶ同意した。クラレンスが昼食を買いに出かけている間、コッコッティのアンダーボスであるウェルギリウスは、彼女のモーテルの部屋でアラバマを見つけ、情報を得るために彼女を殴りました。彼女は反撃し、彼のショットガンで彼を殺した。

エリオットはスピード違反で引っ張られ、麻薬所持で逮捕された。刑務所に入らないために、彼は警察のためにクラレンスとドノウィッツの間の麻薬取引を記録することに同意した。コッコッティの部下たちは、ディックのルームメイトのフロイドから取引がどこで行われるかを聞き出した。クラレンス、アラバマ、ディック、エリオットは、コカインを持ってアンバサダーホテルのドノウィッツのスイートに行った。エレベーターの中で、不審なクラレンスは銃を突きつけてエリオットを脅迫したが、エリオットが震えながらもクラレンスを説き伏せた。

クラレンスは、コカインが腐敗した警官によって彼に与えられたというドノウィッツのための物語を作り上げ、ドノウィッツは売却に同意した。クラレンスはバスルームに行き、エルビスの幻影は物事がうまくいっていることをクラレンスに伝えて彼を安心させた。ドノウィッツと彼のボディーガードは警官とギャングに待ち伏せされていた。エリオットは警官に彼が去ることができるかどうか尋ねることによって彼自身が情報提供者であることを明らかにした、そしてすぐに銃撃戦が勃発した。ディックは麻薬を捨てて逃げた。銃撃戦でほぼ全員が殺され、クラレンスはトイレを出るときに負傷した。より多くの警察が到着すると、彼とアラバマはドノウィッツのお金を持って車に乗り込んだ。負傷したクラレンスを連れアラバマはメキシコへ逃げた。そして、彼らの息子エルビスともにいる姿が映りだされいた。

トゥルー・ロマンス スタッフ

監督:トニー・スコット
脚本:クエンティン・タランティーノ
製作:サミュエル・ハディダ,スティーヴ・ペリー,ビル・アンガー
音楽:ハンス・ジマー
撮影:ジェフリー・L・キンボール
編集:クリスチャン・ワグナー,マイケル・トロニック
製作会社:ワーナー・ブラザーズ

トゥルー・ロマンス キャスト

クラレンス・ウォリー:クリスチャン・スレーター
アラバマ・ウィットマン:パトリシア・アークエット
クリフォード・ウォリー:デニス・ホッパー
フロイド:ブラッド・ピット
ヴィンセンツォ・ココッティ:クリストファー・ウォーケン
ドレクスル・スパイビー:ゲイリー・オールドマン
ディック・リッチー:マイケル・ラパポート
リー・ドノウィッツ:ソウル・ルビネック
コーディ・ニコルソン:トム・サイズモア
ビッグ・ドン:サミュエル・L・ジャクソン
エリオット・ブリッツァー:ブロンソン・ピンチョット
ニッキー・ダイムス:クリス・ペン
マーティ:ポール・ベイツ
助言者エルヴィス:ヴァル・キルマー
ヴァージル:ジェームズ・ガンドルフィーニ
警部:エド・ローター
ワーリッツァー:マイケル・ビーチ
レニー:ヴィクター・アルゴ
ハンバーガー屋の客:グレゴリー・スポーレダー
マービン:ケヴィン・コリガン
ルカ:ポール・ベン=ヴィクター
劇中出てくる映画の主人公:千葉真一

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